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S-N-O The upheaval of iteration
- 1 名前:SNO:2020/08/14(金) 23:03:59.555 ID:nQ7ybU.E0
- 数多くの国が生み出す世界。
かつては個々の国が独自に作り上げた文化は、やがて国々が混じり合うことで発展と変容を遂げた。
やがて……世界の理は、とある研究者によって見出されることになる。
きのことたけのこのような、二つの陣営が争うことによって世界が発展する物理法則を……。
初めは懐疑的に見られていたその理論は、ある出来事を経て証明されることになり、
この物理法則は、世界を発展する礎となった。
――その法則をコントロールする組織は【会議所】と呼ばれ、
――その法則をコントロールする行事は【大戦】と呼ばれていた。
【大戦】では、人々が兵士となり日々戦いを続け…【会議所】では、さらなる世界の発展のための活動が行われていた。
――また、【大戦】の内外で、様々な思惑が働いていた。すべてを把握することができないほどに……。
これは、世界に翻弄されながらも、真実に向かう4人の女性の物語。
目覚めた乙女たちの見る世界は――光か、陰か、あるいはその狭間か。
様々な要素が複雑に織り成す世界で、彼女らが辿り着くのは実か虚か。
交差する陰陽の中で、今乙女たちが目覚める……。
ワタシガ 見ルノハ
真 偽 ト
虚 実 ノ
世 界
- 2 名前:prewar 陰陽ノ現:2020/08/14(金) 23:08:04.244 ID:nQ7ybU.E0
The end of all flesh has come before me,
for the earth is filled with violence through them.
Behold, I will destroy them with the earth.
――Genesis 6:13
- 3 名前:prewar 陰陽ノ現:2020/08/14(金) 23:09:32.332 ID:nQ7ybU.E0
- 月と太陽が入れ替わる狭間――
それは、ありとあらゆるものの境目でもある――。
純白の布の上に置かれた水晶玉。何もかもを透通す水晶の球体。
その中に浮かぶ世界は、空を舞う雲のように絶え間なく動いていた。
すべてが、なにものかの意思に導かれるように……。
……その存在の名は分からない。
科学や魔術などの知恵に秀でた人間なのか――
身体能力の高いオーガなのか――
魔術に秀でたエルフや魔族なのか――
あるいは、語られることも少ない少数種族か――
それとも、知性を持たないと言われる獣か――
もしかしたら、神か悪魔といった、超常的な存在なのかもしれない。
- 4 名前:prewar 陰陽ノ現:2020/08/14(金) 23:11:56.792 ID:nQ7ybU.E0
- いずれにせよ、どのような存在であろうと――われわれは立ち向かわなくてもいけない。
世界の流れは止まる事はなく、常に前へと進んでいるのだから……。
世界は、すべてが陰陽に支配されている。
互いが絡み合うことで構成される――逆に言えば、互いが分離したままの世界はありえないのだ。
絡み合う陰陽の中で――流動する景色。
うねる世界の渦の中で……ふいに人物の影が見えた。
渦をかき分けるたび、その人物の影は鮮明になってくる。
まるで、その人物が始点となるかのように――渦巻く景色が、その人物の視点へと移っていく。
……ふと、水晶玉の手元にタロットカードがあるのが見えた。
なにか因縁めいたものを覚え、22枚のカードの山を崩してシャッフルし……カードを1枚引いた。
カードを表に返すと同時に、水晶玉の中の人物がはっきりと映し出された。
- 5 名前:prewar 陰陽ノ現:2020/08/14(金) 23:12:45.019 ID:nQ7ybU.E0
- その人物とは――
- 6 名前:Route:A:2020/08/14(金) 23:13:36.628 ID:nQ7ybU.E0
- ――希望を胸に羽ばたく長身の女性だった。
- 7 名前:Route:A:2020/08/14(金) 23:18:08.908 ID:nQ7ybU.E0
- Route:A
Chapter0
- 8 名前:Route:A twilight dream:2020/08/14(金) 23:18:46.602 ID:nQ7ybU.E0
- ……オレは、夢を見ていた。
それは、幼い日の思い出……。
砂浜で出会った少女との、たった一日限りの――それでいて、決して忘れることのない思い出。
???
「……えっ、きみは人魚、なのか……?」
???
「――」
(――そう。だから、私は帰らなければいけない。)
自身を人魚と語った少女は言葉を話せなかった。……だから、砂浜に言葉を紡いでコミュニケーションをとっていた。
そのしぐさは、非現実的で――そのきれいな字も相まって、空想の世界にも思えた。
- 9 名前:Route:A twilight dream:2020/08/14(金) 23:19:35.748 ID:nQ7ybU.E0
- ???
「そっか……でも、これでお別れじゃないよ
また、絶対に会える」
それでも……オレの五感はその景色を覚えている。
水面から漂う潮の香りを。濡れた砂浜の感触を。舌に感じる塩辛い味を。細波が揺れて織りなす音を。
そしてエメラルド・グリーンの瞳とアクアマリンの髪が特徴的な人魚の少女の姿を……。
???
「――――」
(ありがとう――貴女の言葉、貴女のしてくれてことを私は決して忘れない――)
オレの言葉に感銘を受けたのか、人魚の少女は涙を流しながらも、感謝の言葉を伝え……海の中へと、潜って行った。
夕陽に照らされる海は、ざぁざぁと細波を立てていた。
- 10 名前:Route:A twilight dream:2020/08/14(金) 23:21:45.676 ID:nQ7ybU.E0
- オレの瞳もまた、涙で滲んでいた――。それは名残惜しさによるものか、あるいは黄昏の光景によるものか……。
だが、そこには完全な絶望はなかった。
なぜなら、絶対に会える――、オレ自身が呟いたその言葉が必ず叶うと思っていたからだ。
根拠はなかったが、それは自信をもってオレの心の中を灯していた。
眼前に広がる赤い夕焼けは、人魚の少女の影が見えなくなるまでオレを包んでいた……。
赤い光に包まれながら……オレはぼうっとそこに佇んで、ふと頭をよぎるものがあった。
……ああ、そうかとオレは思った。
この、幼い日の思い出で、オレは知ったのだ――――。
世 界 に は 希 望 が 存 在 す る の だ と 。
- 11 名前:SNO:2020/08/14(金) 23:22:27.866 ID:nQ7ybU.E0
- 手探りで新作始めました
- 12 名前:Route:A-1:2020/08/15(土) 23:33:34.030 ID:6On/JKWI0
- Route:A
2013/4/1(Mon)
月齢:20.3
Chapter0
- 13 名前:Route:A-1 dream remnants:2020/08/15(土) 23:35:08.875 ID:6On/JKWI0
- ――――――。
オレは、幼い日の思い出を掴みながら、陽光射すマンションの一室で、目覚めた。
高校を卒業してから数週間……、今朝からオレは【会議所】の兵士として活動することになっていた。
ベッドから立ち上がったオレの視点は、ぐぐっと急上昇する。
それもそのはず、背は、女にしては高く――183cmもあるからだ。
おまけに手足も長いから、学生時代はいつも女子たちに囲まれていたことを思い出す。
???
「あの、夢か……」
オレは、洗面所で、歯を磨きながら手を握ったり離したりして、夢を名残惜しそうに反芻していた。
次第に脳が覚醒し始めると、思考を纏う夢の残滓は薄れ始め……夢の出来事も徐々に頭から飛んだ。
- 14 名前:Route:A-1 dream remnants:2020/08/15(土) 23:35:46.873 ID:6On/JKWI0
- ふと、鏡に映るオレの顔を見た。
プラチナブロンドのショートヘアーや、きりりとした切れ長の蒼い目を見て、学生時代をふと思い返した。
女子
「いつ見てもかっこいいわぁ、どの男子よりもかっこいい――」
女子
「背が高くて、声や顔も凛々しくて――王子様みたい」
女子たちに、やたらともてはやされたような……そういう記憶がある。
女子
「あの……付き合ってください」
時には、同性からの告白も受けた。……オレにとってよく知らない人物からだったから、断ったが……。
そんなことを思い返ししているうち、オレはやがてリビングの机の上に置いた書類を読む――そういった予定を思い出す。
父
「おはよう、乙海――」
軍服に着替えたオレがリビングに行くと、新聞を読んでいた親父が顔をあげ、オレの名を呼んだ。
お袋は、オレが物心つく前に亡くなり、親戚付き合いもなかったから、たった一人の肉親といってもいい存在だ。
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