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S-N-O The upheaval of iteration

1 名前:SNO:2020/08/14(金) 23:03:59.555 ID:nQ7ybU.E0
数多くの国が生み出す世界。
かつては個々の国が独自に作り上げた文化は、やがて国々が混じり合うことで発展と変容を遂げた。
やがて……世界の理は、とある研究者によって見出されることになる。
きのことたけのこのような、二つの陣営が争うことによって世界が発展する物理法則を……。

初めは懐疑的に見られていたその理論は、ある出来事を経て証明されることになり、
この物理法則は、世界を発展する礎となった。

――その法則をコントロールする組織は【会議所】と呼ばれ、
――その法則をコントロールする行事は【大戦】と呼ばれていた。

【大戦】では、人々が兵士となり日々戦いを続け…【会議所】では、さらなる世界の発展のための活動が行われていた。
――また、【大戦】の内外で、様々な思惑が働いていた。すべてを把握することができないほどに……。

これは、世界に翻弄されながらも、真実に向かう4人の女性の物語。

    目覚めた乙女たちの見る世界は――光か、陰か、あるいはその狭間か。
    様々な要素が複雑に織り成す世界で、彼女らが辿り着くのは実か虚か。
    交差する陰陽の中で、今乙女たちが目覚める……。

ワタシガ               見ルノハ
    真 偽 ト
              虚 実 ノ
          世 界

578 名前:Route:B-10 セイバー:2020/11/22(日) 21:33:45.392 ID:QFi5KiEY0
???
「とりあえず、消火しないと」

そう女性は呟くと、レモン色の濁流が家全体を包んだ。
それは瞬く間に炎を消し去り、焼けた家が眼前に広がった。

???
「この子を置いていくわけにはいけない……
 でも、この中に連れて行くわけにも……」

続く女性の言葉は、考え込む言葉。
しかし、その疑問に答えが出たのか、すぐに頷くと……。

???
「よし」

ローブの裾から、タコのような、イカのような……無数の触手が現れた。
それらは家の窓から入り込み、何かを探るようにうねうねと蠢いていた、

瞿麦
「……」

わたしは、呆然としていると……。

???
「怖かったよね――でも、もう大丈夫、安心して」

ぎゅうっと、女性に抱きしめられた。
やわらかな感触。さわやかな檸檬の香りがわたしの鼻腔をくすぐる。

その間にも、しゅるしゅると蠢く触手の音は聞こえた。
だが、やがて、掃除機のコードのように、一気に女性の身体に引っ込んでいった。

瞿麦
「ひゃっ!?」

身体の横を滑る触手の感覚に、思わずわたしは声を出していた。

???
「……ごめんね、恐らく、あなたのお父さんだと思う男の人は、亡くなっていた」

女性の言葉に、不思議とわたしは衝撃を受けなかった。
恐らくは、既にその音を聞いていたから。だから、納得したように、わたしはうなだれた。

???
「本当に、ごめんなさい――私がもうすこし、早く来ていれば」

そういいながら、女性はわたしの頭をやさしく撫でてくれた。
まるで赤ちゃんをあやす母親のように……。


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