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S-N-O The upheaval of iteration

1 名前:SNO:2020/08/14(金) 23:03:59.555 ID:nQ7ybU.E0
数多くの国が生み出す世界。
かつては個々の国が独自に作り上げた文化は、やがて国々が混じり合うことで発展と変容を遂げた。
やがて……世界の理は、とある研究者によって見出されることになる。
きのことたけのこのような、二つの陣営が争うことによって世界が発展する物理法則を……。

初めは懐疑的に見られていたその理論は、ある出来事を経て証明されることになり、
この物理法則は、世界を発展する礎となった。

――その法則をコントロールする組織は【会議所】と呼ばれ、
――その法則をコントロールする行事は【大戦】と呼ばれていた。

【大戦】では、人々が兵士となり日々戦いを続け…【会議所】では、さらなる世界の発展のための活動が行われていた。
――また、【大戦】の内外で、様々な思惑が働いていた。すべてを把握することができないほどに……。

これは、世界に翻弄されながらも、真実に向かう4人の女性の物語。

    目覚めた乙女たちの見る世界は――光か、陰か、あるいはその狭間か。
    様々な要素が複雑に織り成す世界で、彼女らが辿り着くのは実か虚か。
    交差する陰陽の中で、今乙女たちが目覚める……。

ワタシガ               見ルノハ
    真 偽 ト
              虚 実 ノ
          世 界

632 名前:Route:B-12 レポート:2020/11/24(火) 20:39:54.759 ID:z8PnalhE0
瞿麦
「超能力――」

ぽつりと、わたしは呟いた。
……そんな概念は今まで聞いたことはない。
しかし……母さんが不思議な力を使っていたのは確かだった。

その時、母さんについての記憶が、濁流のようにわたしの中を流れ込んだ。母さんがいなくなる前の出来事を……。
ある日――わたしは、転んでけがをした。

瞿麦
「っ、うぇええーーんっ、っ、っ……」

まだそのころは幼かったから、痛みにわたしは泣きじゃくるばかり。

そんなわたしに――母さんは、ケガをした膝にやさしく手を当てた……。


「痛いの、痛いの、飛んでいけ」

すると、その手が傷を負った膝を包むやいなや、まるではじめから怪我がなかったかのようにきれいさっぱり治っていたのだ。

瞿麦
「お母さん、ありがとう」


「――」

わたしが明るく返すと、母もうれしそうに微笑んだ。
……母は苺のように、白い髪と紅い瞳を持った人物だった。
このことも、苺が気になる要因の一つだったのかもしれない。

……当時から――そして、今思い出した時も治癒の魔術だと思っていた。
けれども、父さんの記したレポートによると、それは違うらしい。
……とはいえ、母さんはもういない。それを実証するのも無理だろう。



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