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S-N-O The upheaval of iteration
- 1 名前:SNO:2020/08/14(金) 23:03:59.555 ID:nQ7ybU.E0
- 数多くの国が生み出す世界。
かつては個々の国が独自に作り上げた文化は、やがて国々が混じり合うことで発展と変容を遂げた。
やがて……世界の理は、とある研究者によって見出されることになる。
きのことたけのこのような、二つの陣営が争うことによって世界が発展する物理法則を……。
初めは懐疑的に見られていたその理論は、ある出来事を経て証明されることになり、
この物理法則は、世界を発展する礎となった。
――その法則をコントロールする組織は【会議所】と呼ばれ、
――その法則をコントロールする行事は【大戦】と呼ばれていた。
【大戦】では、人々が兵士となり日々戦いを続け…【会議所】では、さらなる世界の発展のための活動が行われていた。
――また、【大戦】の内外で、様々な思惑が働いていた。すべてを把握することができないほどに……。
これは、世界に翻弄されながらも、真実に向かう4人の女性の物語。
目覚めた乙女たちの見る世界は――光か、陰か、あるいはその狭間か。
様々な要素が複雑に織り成す世界で、彼女らが辿り着くのは実か虚か。
交差する陰陽の中で、今乙女たちが目覚める……。
ワタシガ 見ルノハ
真 偽 ト
虚 実 ノ
世 界
- 860 名前:Route:C-19 しんげつの ちだまり:2020/12/19(土) 20:31:30.374 ID:UCu58hcA0
- ふと、わたしは天を見上げた。
天上に広がる夜空には、星々が瞬いてはいるけれど、月はいない。
満ち欠けを永遠に繰り返す金色の鈴は、完全に欠けていた。
血染めのわたしと、満ちた――あるいは欠けた月――。
朔の夜と望の夜は、血染めのわたしを境に鏡合わせになっていた。
ユリガミ
「――わたしは、どうして……」
血に染まったことが、どうしてこれほどまでにわたしを動揺させるの?
あの子の出来事は、それほどまでに――わたしが畏怖するまでの記憶になっているの?
――その瞬間、何かの光景がわたしの中を駆け巡った。
それは戦いの光景――ふたりの人物の戦い――ああ、これは――。
ユリガミ
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
ひどく、わたしは動揺していた。
この先は――わたしのたどり着くべき場所のはずなのに――
真実に近づいているのに――どうして、一歩が踏み出せないの?
――逃げたい、そんな気持ちが心の中にあった。
わたしは……たまらなく、恐怖に打ちひしがれていたのだ。
わたしは――真実から目を逸らそうとしているの?
今、此処で起きていることから目を逸らそうとして、何も考えないようにしているの――?
脚が、逃げようと。離れようとする……。
だめ。わたしは前に進まなきゃ……それなのに、恐怖で前へと進めない……。
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