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S-N-O The upheaval of iteration

1 名前:SNO:2020/08/14(金) 23:03:59.555 ID:nQ7ybU.E0
数多くの国が生み出す世界。
かつては個々の国が独自に作り上げた文化は、やがて国々が混じり合うことで発展と変容を遂げた。
やがて……世界の理は、とある研究者によって見出されることになる。
きのことたけのこのような、二つの陣営が争うことによって世界が発展する物理法則を……。

初めは懐疑的に見られていたその理論は、ある出来事を経て証明されることになり、
この物理法則は、世界を発展する礎となった。

――その法則をコントロールする組織は【会議所】と呼ばれ、
――その法則をコントロールする行事は【大戦】と呼ばれていた。

【大戦】では、人々が兵士となり日々戦いを続け…【会議所】では、さらなる世界の発展のための活動が行われていた。
――また、【大戦】の内外で、様々な思惑が働いていた。すべてを把握することができないほどに……。

これは、世界に翻弄されながらも、真実に向かう4人の女性の物語。

    目覚めた乙女たちの見る世界は――光か、陰か、あるいはその狭間か。
    様々な要素が複雑に織り成す世界で、彼女らが辿り着くのは実か虚か。
    交差する陰陽の中で、今乙女たちが目覚める……。

ワタシガ               見ルノハ
    真 偽 ト
              虚 実 ノ
          世 界

914 名前:Route:D-3 節制:2020/12/24(木) 23:54:32.571 ID:IpHWips20
弦夜
「もう、それ以上は言うな……
 ――敗者は何も言わず立ち去る……それだけだ」


「わかりましたわ……
 では、弦夜……鈴鶴様が完全に目覚めたその時は、貴方のことを私が殺してあげます
 貴方の命を奪っていいのは、私だけしか、いないのだから……」

ぎらりと光る女性の眼は、私にも伝わるぐらいに震えていた。
彼女は――もしかしたら――弦夜と、心中するつもりなの――?

弦夜
「……昔から、君はそうだったな」


「――当り前ですわ
 【力】が目覚める前から――そして目覚めたときも、弦夜のことが好きだから
 ……お願いだから、私と……最期の時までを……」


「この崩れ落ちそうな世界でも――逢瀬も夜伽も――まだできる余地はあるでしょう?」

女性はすでに泣いていた。鋼の義肢を持つ姿にこぼれて光る涙は、
儚いガラス細工のように夜空を抜けていた。
……その仕草は、声色は、表情は……彼らが間もなく死の運命へ誘われることを示していた。

弦夜
「ああ……」

そして弦夜は彼女を抱きしめた。
――その光景は、まさしく……愛しあう者同士の姿でもあった。

私は、その光景を見て――とても、きゅうっと胸が締め付けられた。
思わずぐっと胸元を掴み、眼を閉じる。

あたりの世界は暗黒に染まり、微かに瞼を通じた光だけを覚える。


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