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S-N-O The upheaval of iteration

1 名前:SNO:2020/08/14(金) 23:03:59.555 ID:nQ7ybU.E0
数多くの国が生み出す世界。
かつては個々の国が独自に作り上げた文化は、やがて国々が混じり合うことで発展と変容を遂げた。
やがて……世界の理は、とある研究者によって見出されることになる。
きのことたけのこのような、二つの陣営が争うことによって世界が発展する物理法則を……。

初めは懐疑的に見られていたその理論は、ある出来事を経て証明されることになり、
この物理法則は、世界を発展する礎となった。

――その法則をコントロールする組織は【会議所】と呼ばれ、
――その法則をコントロールする行事は【大戦】と呼ばれていた。

【大戦】では、人々が兵士となり日々戦いを続け…【会議所】では、さらなる世界の発展のための活動が行われていた。
――また、【大戦】の内外で、様々な思惑が働いていた。すべてを把握することができないほどに……。

これは、世界に翻弄されながらも、真実に向かう4人の女性の物語。

    目覚めた乙女たちの見る世界は――光か、陰か、あるいはその狭間か。
    様々な要素が複雑に織り成す世界で、彼女らが辿り着くのは実か虚か。
    交差する陰陽の中で、今乙女たちが目覚める……。

ワタシガ               見ルノハ
    真 偽 ト
              虚 実 ノ
          世 界

982 名前:Route:D-12 神勅:2020/12/31(木) 00:38:27.200 ID:6u4F60iE0
バラガミ
「……どうして、何も教える事ができないの?」

細波
「ほかでもない、貴女がそう仰ったから――
 記憶を失っても、その時に、運命の時が来ること以外は、貴女自身に教えてはいけない――と」

バラガミ
「私が、私に言伝を――?」

細波
「ええ……貴女が、そう言ったの」

――私が、そう……言ったのか……。
彼女の口ぶりからは嘘というものは感じ取れない。

……失われた記憶の断片に、私がそう言った場面があるのだろう。
そして――逆に言えば、この時期(とき)に、運命の時についてを教えることに意味があるともいえた。

バラガミ
「ありがとう――私に教えてくれて――」

――私は記憶を失っていても何かの準備をしていた……そういうことなのか。
そう思うと、不思議と納得がいった。

細波
「いえ――
 貴女の祈りが通じることを、私たちも望んでいるから
 それでは、お願いね、バラガミ――」

細波
「私は……いつもの場所であの人の目覚めを祈っているから……」

そう言うと、恭しく一礼し、細波はその場を立ち去った。
あの人……その単語は誰を指しているのかはわからない。しかし私が考えるべきではそれではないのだ……。


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