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S-N-O The upheaval of iteration

1 名前:SNO:2020/08/14(金) 23:03:59.555 ID:nQ7ybU.E0
数多くの国が生み出す世界。
かつては個々の国が独自に作り上げた文化は、やがて国々が混じり合うことで発展と変容を遂げた。
やがて……世界の理は、とある研究者によって見出されることになる。
きのことたけのこのような、二つの陣営が争うことによって世界が発展する物理法則を……。

初めは懐疑的に見られていたその理論は、ある出来事を経て証明されることになり、
この物理法則は、世界を発展する礎となった。

――その法則をコントロールする組織は【会議所】と呼ばれ、
――その法則をコントロールする行事は【大戦】と呼ばれていた。

【大戦】では、人々が兵士となり日々戦いを続け…【会議所】では、さらなる世界の発展のための活動が行われていた。
――また、【大戦】の内外で、様々な思惑が働いていた。すべてを把握することができないほどに……。

これは、世界に翻弄されながらも、真実に向かう4人の女性の物語。

    目覚めた乙女たちの見る世界は――光か、陰か、あるいはその狭間か。
    様々な要素が複雑に織り成す世界で、彼女らが辿り着くのは実か虚か。
    交差する陰陽の中で、今乙女たちが目覚める……。

ワタシガ               見ルノハ
    真 偽 ト
              虚 実 ノ
          世 界

994 名前:Route:D-14 太陽:2020/12/31(木) 12:22:56.884 ID:6u4F60iE0
ふたりは……困惑したように瞿麦を見ていた。

同時に、その視線は私にも重なった。二人は私のことを認識はしていないだろうが、
私は、止まるわけにはいかない……。すぐに、瞿麦を通じて語り掛けた。

バラガミ・瞿麦
「あなたたちが争って得られることはない――
 今なすべきことではないことは、二人とも分かっているでしょう?」

――わたしは諭すような声で、そして瞿麦も同じ口調で……一言一句同じ言葉を語った。

神父姿の人物
「……きみは誰だ
 太刀を腰にぶらさげたきみも……私にとっての敵なのか?」

神父姿の人物は、真剣なまなざしで瞿麦に剣の刃を突きつけた。
その顔にも既視感はあった。――でも、今、それに思いを馳せる必要はない。

バラガミ・瞿麦
「違う――わたしが為すべきことは――」

瞿麦の表情は見えない。しかし――身体は震えていなかった。恐怖の感情も読み取れない。
恐らく……瞿麦と私の目的は同じなのだろう。私はまたも言葉を紡ぎ――それを同じく、瞿麦が語った……。

バラガミ・瞿麦
「絶望の未来を回避する行動――」

神父姿の人物への答え……それは初めから言うと決めていたかのようにすらすらと口をついて出た。
……大丈夫。私の言葉は、そして瞿麦の想いは……きっと届いている。

白髪の人物
「……黒砂糖、退け」

わたしの言葉に何かを察したらしい白髪の人物は、神父姿の人物――黒砂糖の名を呼んだ。
とても短く――そして強い口調で――あたりの空気を切り裂くような鋭い言葉を――。



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