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きのたけWARS ss風スレッド

1 名前:きのこ軍 @移転作業中:2014/03/24 00:18:40.76 ID:L0nBYOkw
きのこ軍とたけのこ軍で"大戦"をすることで、時代が進むフシギな世界―
              ―きのこたけのこワールド―
最盛期は頻繁に大戦が行われ、お互いを憎みあい、お互いを意識し、撃破しあうことで、
兵士たちは情熱とやる気を保ち、世界は発展していった。

そんな栄光の時代も、今は昔。数多くの戦闘を経て、兵士たちはかつての大戦への熱気を失いつつあった。
大戦への希望と熱気で包まれていたかつての"大戦の歴史"は、
干満で怠惰が支配するものへと塗りかえられつつあった。

舞台は K.N.C歴175年。
ある日、大戦運営を管理する大戦会議所のもとに、記憶を失った
きのこ軍兵士とたけのこ軍兵士が流れ着く。
二人の兵士の登場を機に、大戦は徐々に熱気を取り戻し始める。

しかし、突然世界は意図せず"歴史"を塗り替え始める。
今現在の歴史だけではなく、過去の栄光までも無かったことにして、歴史を喰らう異型の存在――

                 ― “DB” が世界の前に立ちはだかった―


DBを討伐するため。大戦の"歴史"を取り戻すため。
そして自分たちの"存在意義"を知るため…
様々な想いを抱きながら、二人の兵士を始めとした会議所兵士たちは、
時空を越え、過去を取り戻す旅をする…
 

                    『きのたけWARS 〜DB討伐〜』


(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)

2 名前:きのこ軍 @移転作業中:2014/03/24 00:18:56.51 ID:L0nBYOkw
ゆっくりやっていきましょう。

3 名前:きのこ軍 @移転作業中:2014/03/24 00:19:10.59 ID:L0nBYOkw
・考え中の設定

―きのこたけのこワールド―
この世界に存在する人物は、きのこ軍兵士とたけのこ軍兵士の二種類に分かれ、年度末

になると必ず"大戦"をしなければならない。
大戦をすることで、1年進む。大戦をしない限り、いつまで経っても次の年へは進まない。
大戦がこの世界の"全て"であり、"歴史"そのものである。
戦わければ"歴史"が進まない。この世界の歪な構造に、疑問を持つ者は誰もいない。
あるいは、かつては疑問を持った兵士もいたのかもしれない。だが、そのような兵士は
"歴史"の渦に飲まれて消えていった…

―会議所―
大戦の運営を任されている、大戦の中核ともいえる場所。
きのこ軍、たけのこ軍問わず会議所に身を置き、運営業務に励んでいる。
巨大な城を含む一つの街のような構造をしていて、中には個人用の部屋の他に、
チャットサロンやお絵かきサロンなどが組み込まれている。
また、焼き肉教やぬこ教の礼拝堂も存在していると言われ、
会議所には多種多様な用途の部屋・建物が多く存在し、誰も完全に把握できてはいない。
本部である巨大なお城の脇には、「wiki図書館」が併設されており、膨大な量の書物を管理している。
かつては多くの兵士が出入りしていたが、今では限られた人数が会議所に常駐するのみである。

―wiki図書館―
会議所本部の脇に併設されている図書館。
書物全体の管理はB’Z参謀館長が取り仕切っている。
大戦に関するありとあらゆる書物が収められていると言われている。
K.N.C歴47年に、原因不明の火災で一度、大部分が消失している。当時館長であった無口兵士も姿を消し、
一時期会議所は混乱した。
だが、2代目館長山本兵士の手によって迅速な復旧作業がされ、完全にではないがその姿を取り戻した。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)

4 名前:きのこ軍 @移転作業中:2014/03/24 00:19:17.78 ID:L0nBYOkw
・主人公

きのこ軍兵士 アイム…
本作の主人公。
第174次きのこたけのこ大戦の戦場で倒れているところを、たけのこ軍兵士によって発見される。 

性格は非常に好戦的。生来のたけのこ嫌いで、会議所内でも暫くは
たけのこ軍兵士というだけでまともに取り合おうともしなかった。
特に性格が真反対のオニロには事あるごとに突っかかり、その度にオニロから好意的な受け答えが返ってくるので、オニロを苦手としている。
しかし、DB反乱を機に、徐々にたけのこへの理解を深めていく。

直情的ではあるが、周りの状況や戦況を把握しながら冷静に行動をうつす戦闘スタイル。
戦士系ではあるが、周りの行動によって自身の戦闘スタイルを変えるので、天性はサポート系。
DB討伐隊の一員として選出され、過去と現在の大戦を行き来するようになる。


たけのこ軍兵士 オニロ…
本作の主人公。
アイムと同じく、第174次きのこたけのこ大戦の際に、会議所の近くで倒れているところを会議所兵士に発見される。

性格は非常に温厚。たけのこ軍兵士の所属ではあるが、別段きのこが嫌いというわけではなく、むしろ好物である。
事あるごとに突っかかってくるアイムに対しては、同日に発見されたというよしみもあってか、非常に好意的に接している。

普段は比較的のんびりしているように見えるが、戦闘では頭よりも先に手が出る直感型タイプ。
魔法サポート系ではあるが、天性は戦士系。
DB反乱時、始めは会議所に常駐し大戦の運営や編纂室での見張りに当たり討伐隊に指示を送る役割に徹するが、
中盤以降は自身も時限の扉を使い過去の大戦へ身を投じていく。


5 名前:きのこ軍 @移転作業中:2014/03/24 00:19:26.06 ID:L0nBYOkw
書き忘れた重要設定

・時限の扉
きのたけワールド同士を繋ぐタイムマシンフロア。時限の扉というマップ名。
きのたけワールドの果てに存在すると言われているが、実際に目にした者はいない。
"時限の扉"の中には、今の時代と過去の時代を繋ぐ"時代の扉"がある。
自分が来た年代の扉を"基点の扉"という。
フロアごとに自分のいた時代を含めた、直近の"時代の扉"が10個ずつ設置されている。
フロアは吹き抜けで通りぬけは自由。
まさに夢のようなタイムトラベルができるこのマップ。しかし、時限の扉には非常に重要な"制約"が存在する。時限の扉を使用する上では、この"制約"を知らないことには生きて還ることはできないだろう…
しかし彼等はまだ何も知らない。なぜなら誰も教えてくれないからだ。制約はあくまで想像するしかないのだ。

6 名前:きのこ軍 @移転作業中:2014/03/24 00:19:30.56 ID:L0nBYOkw
時限の扉→時限の境界へと名称を変更

7 名前:きのこ軍 @移転作業中:2014/03/24 00:19:41.03 ID:L0nBYOkw
書き忘れた重要設定その2

・wiki図書館 大戦年表編纂室
会議所のwiki塔の最下部に位置する、薄暗いジメジメとした一室を指す。
現行の管理室長は集計班。部屋の中央部には大戦年表という歴史書が置かれており、
大戦や会議所周りで事件や出来事が起こる度に、自動筆記ペンという摩訶不思議なアイテムが、
逐一年表に歴史を記録していくシステムとなっている。
しかし、自動筆記ペンがどのような基準で、その事件や出来事を“歴史”と認識するかの基準は曖昧であり、年表に
記載される事件や記載されない事件もある。
正確に基準を理解できるのはおそらく編纂室の設立者だけ。だけど、設立者は歴史の渦に飲まれて姿を消した。
この一風変わった年表システムが、後々の物語における重要な役割を担うこととなる。
さらに、この部屋にはある秘密が隠されている。それも物語が始まる時点はまだ誰も知らない。設立者を除いて…

8 名前:きのこ軍 @移転作業中:2014/03/24 00:19:48.58 ID:L0nBYOkw
・登場人物紹介(ストーリー次第では設定が変わることはある 悲しいけど、これってプロット練ってないのよね)

きのこ軍 ¢…
会議所兵士古参。きのこ軍のエースであると同時に開発推進課 統括課長でもある。
大戦の根幹となった戦闘ルールの策定を主に一人でおこない、さらに"圧縮装置"を始め

とする数多くの発明品を生み出し、大戦の根幹となる部分を支えてきた。
DB討伐に関してはあくまで慎重な立場を貫く。
DBに関して、なにか詳しく知っているようだが…?


きのこ軍 参謀…
会議所兵士古参。wiki図書館の3代目管理人。
会議所のブレーンとして、常に兵士の士気高揚に努めてきた。
また、会議所としての活動以外にも、wiki管理人として、膨大な量の書物管理も同時に

行っているため、多忙な日々を送っている。
DB反乱の際には、書物で得た時限の境界の知識を会議所メンバーにいち早く伝えるとともに、
率先してDB討伐を訴え、会議所の一致団結化へ向けて奔走する。
さらにDB討伐隊結成を提案。自身もDB討伐隊の一員に加わることになる。


きのこ軍 集計班…
会議所兵士古参。チャットサロン管理者、及び大戦年表編纂室 室長。
会議では議長を務めているが、会議の存続が危ぶまれる程の参加人数の少なさに
いつも頭を抱えている。
普段は地下の薄暗い編纂室でジメジメと過ごしている。
いつ編纂室を発見したか、いつ室長に任命されたかは不明。
¢と同じく、DBに関してなにか詳しく知っているようだが…?


9 名前:きのこ軍 @移転作業中:2014/03/24 00:20:04.29 ID:L0nBYOkw
・冒険家 スリッパ…
冒険家。たけのこ軍兵士。大戦からは既に身を退いている。
サラというアンドロイドとともに、会議所から離れた荒野で質素に生活している。
過去と現在を行き来できるタイムマシン“時限の境界”を探している。
DB討伐隊による、時限の境界探索の話を聞きつけ、自ら討伐隊に参加する決意を固める。


・きのこ軍 黒砂糖
会議所兵士古参。お絵かきサロン管理者。
自らが描いた絵を具現化することができる。その能力を使い、DB討伐隊の道標として活躍する。
黒砂糖自体はDB反乱の際は、会議所に留まり討伐隊を支援することになるが、
それが果たして…?


10 名前:きのこ軍 @移転作業中:2014/03/24 00:20:11.73 ID:L0nBYOkw
・たけのこ軍 社長
会議所兵士古参。
基本的に会話は一方通行。何かと、会話の中に定型文を散りばめるため、
話を理解するのは至極困難。まともに取り合おうとすると、かなりの労力を要する。
だが、このような話し方になったのもある理由が…?
本人の琴線に触れるような話題でない限り会話は成立しないが、会議での発現率は高め。
また、未来を見通す占い師でもある。しかし高難度言語“きれぼし語”を用いて、
皆に占いの内容を伝えるため、大抵の兵士は予言どころか言葉すら理解できない。


・たけのこ軍 抹茶
会議所兵士中堅。きのたけ開発室 室長。
会議所のツール技師として、会議所に貢献。
K.N.C歴 144年に、大戦の自動運営管理システム「集計ツール」を開発。
その他、様々な仕事を押し付けられるため、最近はやつれ気味。
DB反乱の際には、自らDB討伐隊に参加。


たけのこ軍 加古川
会議所兵士中堅。会議所内最年長兵士である。
周りからは“きのたけの長老”と呼ばれ、会議所内外からの様々な相談を請け負っている。
ただし、本人は“生涯現役兵士”を謳っており、長老という呼び名に不服を唱えている。


たけのこ軍 筍魂
会議所兵士中堅。
古来より伝わる大戦戦闘術『魂』の伝承者。戦闘術『魂』は、かつて戦闘術の中では
最上位に位置した必殺術である。しかし、気がついた時には筍魂以外に伝承者がいなくなってしまっており、
戦闘術の伝承が失われかけていた。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)

11 名前:きのこ軍 @移転作業中:2014/03/24 00:20:17.70 ID:L0nBYOkw
残りの人物紹介等に関しては、物語が進み次第ということで一つ(丸投げ

12 名前:きのこ軍 @移転作業中:2014/03/24 00:20:27.72 ID:L0nBYOkw
・目次
第一章「欠けたものたち」
第二章「悪しき時空の潮流者」
第三章「時限の境界」
第四章「大戦に愛を」

以上を予定しています。変更になったらしょうがまいまい。

13 名前:きのこ軍 @移転作業中:2014/03/24 00:20:34.25 ID:L0nBYOkw
あと、おい俺のキャラなんか違うぞバカ!ふざけんなこんな物語認めねえぞ的な意見等あればどしどしと批判してください。
鼻くそほじりながら反省します。

14 名前:791 @移転作業中:2014/03/24 00:20:43.79 ID:L0nBYOkw
場合によってはネギ持って突撃するとかどうだろう?

15 名前:きのこ軍 @移転作業中:2014/03/24 00:20:55.20 ID:L0nBYOkw
ネギは考えてなかった。だけど、入れられる機会があれば組み込んでみようかしら。

16 名前:791 @移転作業中:2014/03/24 00:21:03.08 ID:L0nBYOkw
しかし、大戦に愛をってタイトル気になるな
今度の大戦は愛って書いて撃破しようかな
どうせならバレンタインにやりたかったな

17 名前:791 @移転作業中:2014/03/24 00:21:10.89 ID:L0nBYOkw
ホワイトデー紛争でも愛撃破できますよ。

一部登場人物に変更があったり。まあプロット練ってないからね、しょうがないね。
3月ぐらいからぼちぼちと投下し始めようかな。目指せチョコマの投稿ペース超え。

18 名前:791 @移転作業中:2014/03/24 00:21:16.15 ID:L0nBYOkw
じゃあ僕シコシコと書いていくから。その場その場で書いていくから、大長編が始まるんですよ。


19 名前:【訂正】きのこ軍 @移転作業中:2014/03/24 00:21:32.87 ID:L0nBYOkw
じゃあ僕シコシコと書いていくから。その場その場で書いていくから、大長編が始まるんですよ。


20 名前:きのこ軍 @移転作業中:2014/03/24 00:21:49.08 ID:L0nBYOkw
【K.N.C ??年】

「…かった。…長年…ついに……やっと……」
―― 囁くような声を聞いて。ゆっくりと、夢の中で瞼を開ける ――

「…オー…結集……貴様を………掌握ッ………会議所を……」
―― 意識が定まらない、うすぼんやりとした感覚が身体を支配する ――

「貴様を……会議所の…全て断ち……」
―― どこか見覚えのある光景、覚醒しない脳を働かせようとする ――

「…ッここで………消える…」
―― 思い出すのは、暗い室内 ――

「………るく思うな…これも…全て……ため…歴史を……ため」
―― 思い出すのは、異様なまでに冷えた部屋の空気 ――

「覚悟……逃げること……………なッ!…自ら……馬鹿なッ…」
―― 思い出すのは、ふわふわ浮いているような不思議な心地良い感触と ――

「なぜだッ!!!なぜ!!!!なぜだーーーーーーーーッ!!」


          ―― 頭を鈍器で殴られたような酷く重たい感触 ――


━━━━━━━━
━━━━
━━

21 名前:きのこ軍 @移転作業中:2014/03/24 00:22:00.26 ID:L0nBYOkw
きのたけWARS 〜DB討伐〜
Chapter1. 欠けたものたち


【K.N.C??年】

━━
━━━━
━━━━━━━━


「おい。…加減に起き…おい…」
「もう大戦は…終戦…!連れて…!」


途切れ途切れに二人の男の声が背中越しに届く。感覚はだいぶはっきりとしてきた。
男たちの声もだんだんとはっきりと聞こえてきていた。

「起きてくれなきゃ大戦の後片付けできないんだよ」
「ったくよう。さっさと後始末して帰りたいんだ。死んだフリはそこまでにしろって。弾薬の処理とかも残ってるんだからよ」

少年は必死に起き上がろうとする。しかし、指先すら動かすことができない。
やけに現実味あふれる夢だ。背中越しにかけられる苛立ちを隠そうともしない声を聞き流しながら、
少年は再び眠りにつこうとした。

「オラッ!こんなところで大の字で寝ていられちゃ困るんだよ、起きろ!!」

22 名前:地文ありと台本形式てどっちがいいんすかね @移転作業中:2014/03/24 00:22:17.28 ID:L0nBYOkw
「オラッ!こんなところで大の字で寝ていられちゃ困るんだよ、起きろ!!」

鈍い音。鈍痛。
撤回。どうやらここは夢ではないらしい。
振り下ろされた棍棒をまともに受けた自身の後頭部をさすりながら、少年は気だるそうに身を起こし辺りを見渡す。
眼前にはガタイのいい男二人。周りは荒野のようだ。人の姿は自分たち以外にない。
今度は自然と身体を動かすことができた。間接的には目の前の男たちのおかげとも言えるが、
少年には殴られた相手に礼を言うだけの器量はなかった。

「随分と乱暴な起こし方じゃねえか?」

少年の鋭い眼光に、男たちは一瞬怯む。

「仕方ないだろう。もう大戦は終わったんだ、後片付けもあるから早く大戦場から出て欲しいんだよ」

少年の高圧的な態度に気圧されたのか、少年の視線から目をそらし、男の一人は早口でそう答える。

「お前さんの所属する軍はもう何時間か前に大戦で勝利したんだよ。まあお前は地べたで寝ていたかもしれないから知らないだろうがな」

気弱な一人に比べて、もう一人の男はいやに挑戦的だ。自軍が“今年度の大戦”で敗戦したことが、
彼の態度を硬化させているのかもしれない。

目つきの悪い少年は、二人の男が言う内容を少しも理解してはいなかった。ただ、喧嘩を売られた。本能的にそれは感じた。
売られた喧嘩はかう。至極単純なプロセスを経て、少年の目つきはとりわけ鋭くなった。

「なんだか知らないが、お前ら負けたのか。それで今は後片付けのお掃除か。随分と滑稽だな」


23 名前:きのこ軍 @移転作業中:2014/03/24 00:22:34.47 ID:L0nBYOkw
「な、なんだよ。やるのかよ。大戦協定で終戦後の戦闘は…」
「いや待て。鬱憤を晴らすいい機会じゃないか。いつもコテンパンにしてるきのこの奴らに負けるなんて、たけのこの恥さらしもいいところだ。憂さ晴らしに戦おうや」

二人の態度は明確なほどに違う。挑戦的な一人は既に棍棒を構えている。後ずさる気弱な一人も、もう一人に押されるように
仕方なくといった感じで剣を構える。

「ほーん。後悔してもしらねえぜ」

と、口では強気な言葉を投げかける少年だったが、内心では未知の場所で見知らぬ者と戦闘をすることに一抹の不安を覚えていた。
そもそも、男たちと相対したはいいが、少年には武器がない。
困ったなあ。
顔には出さず、内心で少年は嘆息した。身から出た錆ではあると思いつつも、ジリジリと間合いを詰められながら、少年は今ある最良の選択肢を模索していた。
男たちに悟られないように、周囲を見渡して、武器になりそうなものを探す。
と、近くに木の棒が落ちている。


〜そんなこんなで戦闘シーンは省略されます〜

24 名前:きのこ軍 @移転作業中:2014/03/24 00:22:44.61 ID:L0nBYOkw
〜色々あって、男二人は落とし穴に大ハマリだぜ!〜


「どうだ、参ったか!」
「ひ、卑怯だぞッ!落とし穴に嵌めるとは!」
「むしろこの短時間で罠をつくったことを褒めてほしいくらいだ」

砂にまみれた手を叩きながら、少年は今の光景を見て満足気に何度も頷くのだった。


「そういえば、あんたら“大戦”がどうとか言ってたが、なんだそれは?そもそも、ここはどこだよ」

二人の男は、互いに顔を見合わせた。

「おいおい…冗談だろ?」
「いや。だから知らないって。“きのこ”とか“たけのこ”とか言ってたけど、それも意味わからん」

二人は信じられないとばかりに、あんぐりと口を開けた。

「それも知らないって…お前はきのこ軍所属だろ。着ている服を見ればわかるだろ」
そう言われて、そこで初めて少年は、自分が緑を基調とした軍服を羽織っていることに気がついた。
男たちを見ると、カーキ色を基調とした軍服を着ている。自分が着ている軍服とは異なる色合いだ。

25 名前:きのこ軍 @移転作業中:2014/03/24 00:23:01.78 ID:L0nBYOkw
「その深緑の軍服は正しくきのこ軍のものだよ。かつて毒々しい緑と相まって“緑の悪魔”とか呼ばれたものに間違いない」
「お前。本当に何も覚えてねえのか?ありえないぜ、記憶喪失なんじゃないのか?」
「これって会議所に連れてったほうがいいんじゃないか?」
「そうだな、あそこで兵士登録名簿を見れば。あ、でも今日って会議所の開館時間て何時までだっけか」
「というかあそこって相談料とかいるんだっけ。今月の給料やばいんだけど…」

男たちの会話を話半分に、地面に挿したスコップの柄に顎を乗せ、少年は思い出そうとする。なぜ自分がここにいるのか。
そもそも、ここはどこなのか。自分は誰なのか。先ほどまで見ていた夢の内容は何だったのか。

「ッ……!!」

激しい頭痛。先ほど殴られた後頭部が特に痛む。

「お、おい大丈夫か」

その場でうずくまる少年を見かねて、たけのこ軍兵士二人が思わず声をかける。
ただ、落とし穴から自力で出ることはできないので、声をかけることしかできない。

「…れてけ…所に」
「え?」

気弱そうな兵士が聞き返す。

「連れていけと言っているんだ!!その会議所とやらにッ!!」

額に大粒の脂汗を浮かべながら、少年は怒鳴った。
兵士二人はあっけにとられ、再び互いに顔を見合わせ、

「…わかったから、この罠から出してくれないか」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)

26 名前:きのこ軍 @移転作業中:2014/03/24 00:23:06.72 ID:L0nBYOkw
じゃあ僕ネルから

27 名前:きのこ軍 @移転作業中:2014/03/24 00:23:13.80 ID:L0nBYOkw
【同時刻 大戦会議所 正門前】

「いやあ久々に勝てたなあ」
「俺が大量撃破決めた時のたけのこの野郎ども顔見たか?」
「これで年末は楽しく過ごせるってもんだ」

ゾロゾロときのこ軍兵士が勝利に酔いしれて、会議所に帰還していく。

「今日は宴を開い…おい。誰か倒れてないか?」

一人のきのこ軍兵士が、正門前で倒れている人物に気がついた。

「あの軍服はたけのこ軍兵士か。負けたのがショックでその場で寝込んじまったのかな?」

周りがドッと湧く中、一人のきのこ軍兵士が彼の元に近づく。

「…!!すごい熱がある。呼吸も荒いぞ」
「ほ、本当ですか黒砂糖さん!」

黒砂糖兵士は頷く。すぐさま他のきのこ軍兵士の手によって、
倒れているたけのこ軍兵士は会議所に運ばれていった。


28 名前:きのこ軍 @移転作業中:2014/03/24 00:23:22.06 ID:L0nBYOkw
【K.N.C174年 年末 大戦会議所 1階受付】

「はい。次の方どうぞ」
えらくくたびれたたけのこ軍服を纏いながら、初老の兵士は目の前に座った少年には目もくれず、
手元の書類を見ている。

「…」
「こちらは兵士登録名簿受付です。新たな住まいをお探しでしたら、お隣の『住まい安全課』窓口2番へどうぞ。テンプレルールに関する疑問・質問は左手の『会議所何でも相談』窓口3番へ。所属軍変更の手続きはこちらでは承っておりません。
受付を出まして右手の『暗黒』へどうぞ、やるなら自己責任でお願いします」

一通りテンプレ文章を発して、たけのこ軍兵士加古川は再び書類に目を通す作業に戻る。

「…アイムだ」
「はぃぃ?」
「俺の名前だ。それだけ覚えていた。きのこ軍アイムで兵士名簿に登録されていないか探してくれ」
「…わかりました」

手元にあった膨大な登録名簿をたぐり寄せ、加古川は探し始める。

〜それからどうした?〜

加古川「登録されていませんね」
アイム「マジかよ…じゃあ俺はいったい」
加古川「一体何があったんですか?よければ聞きますよ」
アイム「カクカクシカジカ」
加古川「シカクイムーブ」

29 名前:きのこ軍 @移転作業中:2014/03/24 00:23:30.16 ID:L0nBYOkw
加古川「はぁ。記憶喪失、と」

アイム「名前だけしか覚えてない。最初は自分の所属軍すらわからなかったけど、今たけのこを見るとすごい憎しみの感情が湧いてくるんだ」

加古川「それは過去の記憶がそう思い起こしているのかもしれないな」

アイム「正直、たけのこ軍兵士である、あんたと会話をすることだって辛い」

加古川「誰しもが最初は通る道ではあるな。ふむ…」

おもむろに、加古川は近くにあった黒電話を手にするとどこかへかけ始めた。

加古川「はい。ああ、私だ。いま受付にいるんだが、記憶喪失だというきのこ軍兵士が…え?それは本当かい?…ああ、わかった。すぐに行く」
電話を置く加古川。

加古川「今から君を会議所本部棟へと連れて行く」

アイム「本部?てか、ここが本部棟なんじゃないのかよ」

加古川「ここはただの事務棟だ。本部はここに隣接した奥の建物さ」

「名乗るのが遅れたね。私の名前は加古川かつめし。主に会議所の事務系の仕事に携わっている。これから君を会議所本部まで案内する」

30 名前:きのこ軍 @移転作業中:2014/03/24 00:23:38.92 ID:L0nBYOkw
【K.N.C174年 年末 大戦会議所 廊下】

アイム「なんか大事になってたりするのか、もしかして?」

加古川「さあなあ。それはお前を呼び出した本人に直接聞いてくれ」

加古川「ただ、お前の他にももう一人、お前と同じように記憶喪失になった兵士がいるらしいから、それが影響しているのかもしれないな」

アイム「俺の他にも記憶喪失になった奴が…」

加古川「これを偶然、とでも言うのか。まあそいつともども早く記憶が戻るといいな」


そしてある扉の前に二人は立ち止まる。

加古川「シューさん。加古川だ、入ってもいいか」

??「空いています。病人がいるのでお静かにどうぞ」


扉を開ける。
部屋には二人の兵士がいた。

一人目はきのこ軍兵士。そして、もう一人はベッドに横わたっているたけのこ軍兵士。



きのこ軍兵士アイムとたけのこ軍兵士オニロ。これが初めての出会いだった。


31 名前:きのこ軍 @移転作業中:2014/03/24 00:23:44.11 ID:L0nBYOkw
設定等はところどころ抹茶クエストに準拠。人はこれをパクリという。

会議所イメージ
ttp://dl6.getuploader.com/g/kinotakeuproloader/300/card-7.jpg


32 名前:きのこ軍:2014/03/24 00:24:42.56 ID:L0nBYOkw
以上、移転作業完了。引き続きこのスレをお楽しみください。
2014/01/11(土) 20:33:08〜2014/03/02(日) 21:03:32 まで

33 名前:きのこ軍:2014/03/24 02:18:02.95 ID:L0nBYOkw
【K.N.C 175年 会議中 会議所 議案チャットサロン】

「オレの名前はアイム、記憶喪失らしい。好きな食べ物はきのこ。この世で一番嫌いな食べ物はたけのこだ。所属はきのこ軍」

「ボクの名前はオニロ、同じく記憶喪失みたいです。たけのこ軍所属ですけど、きのこも好きです」

好対照な自己紹介を受けて、円卓テーブルに座る会議所兵士たちは互いに顔を見合わせた。

集計班「と、いうわけで今日から会議所に新たな仲間が加わりました。二人の身辺や記憶喪失の原因や対応等については引き続き調査していきますが、まあこの機会に兵士を増や…ごほん」

集計班「この機会に少しでも会議所のことを知ってもらうために、二人にはしばらく会議所内で生活してもらいたいと思います」


34 名前:きのこ軍:2014/03/24 02:20:12.28 ID:L0nBYOkw
アイム「生活ってこの建物の中でか?」

社長「うーん。アカイイトはやっぱり いいぞ。」

抹茶「大戦運営会議所は、この本部棟を含めた数十もの建物で構成される、いわば一つの街のようなものです。
生活する上では困りませんよ」

二人の前にお茶を置く給仕係。制服で判断するかぎり、たけのこ軍兵士のようだ。
全員分のお茶を運ぶ使命に駆られているが、果たして会議中に全員へお茶が行き届くのかは不明である。


35 名前:きのこ軍:2014/03/24 02:21:49.75 ID:L0nBYOkw
黒砂糖「もっとも、通常の両軍兵士は会議所外の集落等で生活をしていることが多いがな」

加古川「まあそれらの住居を片っ端から漁っても、二人の名前は出てこなかったわけだがなあ」

社長「ぼくはうんてん 」

そう言って茶をすする加古川。アイムからしたら、今いる会議所メンバーの中では比較的顔なじみの方だ。
加古川には恩義を感じている。
だが、アイムはどうしてもたけのこ軍兵士に慣れることができない。彼らが着ているカーキ色のパリっとした軍服、彼等の一挙一動、
そのいずれか一部分でも癇に障るのだ。
極めつけは、隣に座るオニロである。
性格は正反対。のんびりしていて、どこか抜けている。

−オニロがどう思っているかは知らないが、こいつとは一生相容れない−

アイムの決めつけは極端だった。


36 名前:きのこ軍:2014/03/24 02:23:52.55 ID:L0nBYOkw
集計班「まあ会議所にいる中で記憶を取り戻す可能性もあるかもしれません。ただ、これまでに記憶を失った兵士を見たことがないので、
確証を持っては言えませんが…」

会議は、入り口向かって中央に座る集計班というきのこ軍兵士が主導で進めているようだった。
会議にはきのこ軍、たけのこ軍問わず様々な兵士が参加して、意見を出し合っている。
とはいっても、会議とは名ばかりで内容はさして雑談の域を出ないもののように、アイムには感じられた。

参謀「聞くところによると、二人は“大戦”すら知らんのやろ?
まず、戦い方や大戦の仕組みの“いろは”を 教えたほうがええんちゃう?」

社長「記憶故障の原因はトイレじゃないの」

集計班「なるほど。このままだと、二人は第175次大戦で戦うことになりますからね。
それまでに記憶が戻らないとなると困りますね」

社長「大戦でBASらせればいいんじゃないの」

参謀「やったら、教官の山本さんを呼んだほうがええな。二人を鍛えてもらおう」

社長「お二人さん辛いときはきれぼしjapan入場シーンを思い浮かべて!」

¢「その前に、戦士の適性検査受けさせたほうがいいんじゃね?」

社長「マリオヤレヨ」


37 名前:きのこ軍:2014/03/24 02:25:07.04 ID:L0nBYOkw

アイム「…なあ」

何事もなく進んでいる会議を見て、さすがに耐え切れなくなったのかアイムが遮る。

アイム「さっきから横で意味不明なことを言っているこいつは…なんだ?」

容姿がバグっているたけのこ軍兵士を指す。

集計班「ああ。紹介が遅れました。彼はたけのこ軍兵士 社長。見ての通りです」

社長「やっほ^^」

オニロ「変わったしゃべり方をされるんですね」

社長「受け入れられないと知りつつもしゃべる わし三闘神・・・」

オニロ「??」


38 名前:きのこ軍:2014/03/24 02:26:53.08 ID:L0nBYOkw
参謀「あー。社長とマトモに会話をしようと思わんほうがええよ。それが普通や」

集計班「彼は“きれぼし語”という言語で我々に話しているのです。
時々、意味不明な言葉があってもそれは異文化の違い、とやらなのでしょう」

アイムはなおも胡散臭そうな視線を社長に送っている。

アイム「こいつ普通の言葉はしゃべれねえのかよ?」

社長「それは一理ありますね。」

参謀「さあ、どうやろうな。昔は確か…」

集計班「…さて。そんなことよりも、話を戻しましょう」


39 名前:きのこ軍:2014/03/24 02:27:19.51 ID:L0nBYOkw
寝る損切り

40 名前:名無しのきのたけ兵士:2014/03/24 13:38:39.29 ID:YvxXvRR.
社長の唐突な会話割り込み感 いいぞ。

41 名前:きのこ軍:2014/03/25 01:20:32.61 ID:jUpISc2I
【K.N.C 175年 会議所 絵チャットサロン】

埼玉「ここが絵チャットサロンになってるたま!」

先の会議で『とりあえず会議所を見学させて何か思い出させる』案が可決された後、
二人はたけのこ軍埼玉兵士と抹茶兵士の引率の下、無駄に広々とした会議所内を案内させられていた。

オニロ「はー。なんかすごい数のキャンバスが置かれていますね」

抹茶「ここは主にキャンバスに絵を描きあって、同じサロン内の人たちと意思疎通を合わせるんだよ」

埼玉は目の前のキャンバスをコンコンと叩く。

埼玉「たとえば、なんでもいい。ここに絵を描いてみるたま」

オニロとアイムに筆を渡す埼玉。目を輝かせながらキャンバスに向かうオニロと、
いぶかしげに手元の筆を眺めながら渋々といった感じでキャンバスに向かうアイム。
二人の態度は両極端だった。


42 名前:きのこ軍:2014/03/25 01:24:11.77 ID:jUpISc2I
オニロ「すごい!キャンバスの絵が動き出した!」

デフォルメもされていない、オニロ作のたけのこる先生がキャンバスからぬっと姿を出して、動き始めた。
頭でっかちな先生は、身体を左右に揺らしながらのっそりと辺りを歩いている。

オニロ「アイムの絵は汚いなあ」

アイム「…お前に言われたくねえよ」

アイム作のきのこる先生もちょうどキャンバスから動き始めたところだった。
足と胴体のバランスが悪く、一歩歩くごとに転げそうになっている。

アイム「…それで、絵が動くのはいいがこんなんでどうやって意思疎通を図るってんだ」

自分の描いた不格好な作品を見ながら、目線も合さず、ぶっきらぼうにアイムは先輩兵士に問いを投げかけた。

埼玉「た、例えば『抹茶はクソ野郎』ていう内容を相手に伝えたい場合は、
下品な抹茶の絵を描いて具現化させれば、相手には伝えることができるたま!」

抹茶「うん、埼玉さん。その例えはどうなのかな…」

アイム「…ハッ。めんどくせえやり取りだな」

抹茶埼玉「…」


43 名前:きのこ軍:2014/03/25 01:34:19.71 ID:jUpISc2I
抹茶「ねえ、どうしてアイム君はさっきからあんなに機嫌が悪いのかな(ヒソヒソ)」

埼玉「おそらく案内役のぼくたちがどちらもたけのこ軍兵士だからたま(ヒソヒソ)」

抹茶「なるほど!自己紹介の時にたけのこ嫌いて言ってたもんね。
いやあ、久々にそういう兵士に会ったなあ(ヒソヒソ)」


オニロ「アイムはたけのこ軍のことが嫌いなの?」

アイム「ああそうだ。強いて言えば、お前のことも嫌いだ」

歯に衣着せぬ物言いに、思わずオニロは苦笑する。

オニロ「でもうらやましいな。たけのこ軍を嫌っているってことは、
アイムは“自分がきのこ軍である”ということを本能的に思い出している、てことだよね?」

ゆったりとした動作で取っ組み合いをしているきのこる先生とたけのこる先生を、オニロは寂しげに見つめる。

オニロ「それはすごく羨ましいことだと思うんだ。ボクにとってはさ」

アイム「…」



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