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きのたけWARS ss風スレッド

1 名前:きのこ軍 @移転作業中:2014/03/24 00:18:40.76 ID:L0nBYOkw
きのこ軍とたけのこ軍で"大戦"をすることで、時代が進むフシギな世界―
              ―きのこたけのこワールド―
最盛期は頻繁に大戦が行われ、お互いを憎みあい、お互いを意識し、撃破しあうことで、
兵士たちは情熱とやる気を保ち、世界は発展していった。

そんな栄光の時代も、今は昔。数多くの戦闘を経て、兵士たちはかつての大戦への熱気を失いつつあった。
大戦への希望と熱気で包まれていたかつての"大戦の歴史"は、
干満で怠惰が支配するものへと塗りかえられつつあった。

舞台は K.N.C歴175年。
ある日、大戦運営を管理する大戦会議所のもとに、記憶を失った
きのこ軍兵士とたけのこ軍兵士が流れ着く。
二人の兵士の登場を機に、大戦は徐々に熱気を取り戻し始める。

しかし、突然世界は意図せず"歴史"を塗り替え始める。
今現在の歴史だけではなく、過去の栄光までも無かったことにして、歴史を喰らう異型の存在――

                 ― “DB” が世界の前に立ちはだかった―


DBを討伐するため。大戦の"歴史"を取り戻すため。
そして自分たちの"存在意義"を知るため…
様々な想いを抱きながら、二人の兵士を始めとした会議所兵士たちは、
時空を越え、過去を取り戻す旅をする…
 

                    『きのたけWARS 〜DB討伐〜』


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732 名前:Chapter3.無秩序な追跡者たち 会話編その3:2017/01/09 01:22:23.761 ID:Lh4qoWnwo
――コツ

無口は倒れ伏したままのアイムとオニロの前まで来ると、歩みを止めた。
物音一つ出さずに、市場で見つけた骨董品を物色するように、好奇な視線を二人に向けている。

アイム「狙いはオレたちか」

無口は答えない。アイムは覚悟を決めたように、目を閉じた。

アイム「…ヤるならオレ一人にしてくれ。隣のポンコツ魔法使いには手を出すんじゃねえぞ」

オニロ「アイムッ!なに馬鹿なことを言って――」

無口「――これは余興」

鎧の中から発せられた無口の声は、くぐもることなく、透き通るほど全員の耳に届いた。

オニロ「え!?」

パチンと一度、無口が指を鳴らすと、アイムたちの受けた傷はたちまち癒えてしまった。

無口「初めからお前たちを始末するつもりなどない。ただ【確認】しにきた」

アイム「なんだと?」

無口「この世界に堕ちた【救世主】たちを――」

それに、と無口は遠くにいたサラへ視線を向けた。

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733 名前:Chapter3.無秩序な追跡者たち 会話編その4:2017/01/09 01:25:24.167 ID:Lh4qoWnwo
数十秒、あるいは数分も経ったのだろうか。
これ以上の会話は無用と思ったのか、無口はその場で踵を返し、再び燃え上がる図書館に向かい歩き始めた。

スリッパ「待て」

無口「…」

足を止めた無口に、スリッパは隠し事をせずに腹を割って話すことを決めた。

スリッパ「シワは増えたが、知らない顔ではないだろう。この際だから聞こう。この火事は、お前が仕組んだのか?」

無口は困ったように肩をすくめた。スリッパの問いにイエスとも、ノーとも取れるものだった。

無口「“犠牲は超時間的な、超感覚的な、無制限なものと結びついている。それは、たとえ『無駄』であろうと、『無意味』ではない。”」

スリッパ「どこかのきのたけ哲学者の引用か。自身の行為を正当化できるとでも?」

またもスリッパの問いには答えず、無口はオニロたちの方へ逆に問いかけた。

無口「『メルティカース』という魔法を知っているか」

オニロ「…本で読んだことがある。一度詠唱してしまえば、たとえ術者がいなくなっても、半永久的に自律的に起動し続ける永続補助魔法。
師匠でも詠唱には苦労するって」

無口「そうだ。その『メルティカース』はいま、起動の準備段階にある。魔法陣は…図書館の遥か下、地下階層に仕込んである」

アイム「まさか…大戦年表編纂室を創っているんですか!?」


734 名前:Chapter3.無秩序な追跡者たち 会話編その5:2017/01/09 01:29:51.904 ID:Lh4qoWnwo
大戦年表編纂室がなぜ歴史改変の影響を受けない部屋なのか。
それは、編纂室自体がメルティカースにより生み出された魔法シェルターに他ならないからである。

歴史改変を受けず、時空の潮流に飲み込まれない唯一つの空間。
いまこの時より無口は編纂室をメルティカースにより召喚し続けていたのである。
そして、この図書館の大火の中で、無口は編纂室の召喚の準備を淡々と進めていた。

メルティカースは超高度魔法ゆえ、一度起動に失敗してしまえば詠唱に必要なエネルギーがそのまま術者に跳ね返ってくる。
即ち、周囲にある図書館ごと飲み込み、消え爆ぜてしまうリスクがある。
無口が用意した図書館の大火は、編纂室をメルティカースで創り上げる上で、兵士を図書館に寄せ付けないための策であった。

オニロ「そうだとしても…残った書物が一緒に燃えてしまうなんて、あんまりだ…」

無口「図書の犠牲は無駄であろうと、今後のことを考えると無意味にはならない。それはお前たちが一番よく知っている」

アイム「あんた…まるでオレたちの正体まで知っているようだが。まさか、化けたDBってことはないよなッ」

無口は答えない代わりに肩をすくめた。ナンセンスだ、と答えているようにアイムには感じられた。

735 名前:Chapter3.無秩序な追跡者たち 会話編その6:2017/01/09 01:33:12.246 ID:Lh4qoWnwo
アイム「おい。あんたにだから言うが、オレたちは未来からきた。当然、あんたの結末は知っている。
包み隠さずに言おう。この図書館の大火であんたは歴史から消えちまうんだよ」

オニロ「ちょ、ちょっとアイム!まずいよ、未来の事を言うのは!」

アイム「どうせ消える兵士の方だ。ここで歴史改変が起きなければ、無口さんが消えるという事実は変わらない。そうだろう?」

いつもアイムの頭のなかに囁いてくる謎の声は聞こえてこない。
つまり、無口が歴史の表舞台から消えてしまう事実は不変だということの証明だった。

無口「――還りたいか?」

アイム「正確には、帰らなければいけないだな」

無口は暫しの沈黙の後、それならばと語った。

無口「…直に消火活動部隊が正面入口前に到着する。だが、奴らはことの事態に動揺し、力を発揮できん寄せ集め。
【消火活動を手伝い、少しでも書物を残す努力をしろ】。そうすれば、現代に帰れる」

社長「…」

スリッパ「なぜだ。あなたは間違いなく大戦年表編纂室の創設に関わり、未来で起きる騒動も予見している。時限の境界の事も知っている」

ならば俺達がなぜ過去に来ているのかも知っているかも、と続けた上でスリッパは核心をついた。

スリッパ「なぜ、こんな回りくどいことをさせるんだ」

無口「全ては『預言書』にしたがったまで。理由については、そうだな。そいつにでも聞いたらどうだ」

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736 名前:Chapter3.無秩序な追跡者たち 会話編その7:2017/01/09 01:34:44.182 ID:Lh4qoWnwo
無口「――時間だ」

再び踵を返し、無口は歩き出した。

アイム「編纂室の準備が完了したってことか。どうやら、あんただけの意志では無さそうだが、後ろには誰が控えているんだ?」

無口は答えずに図書館へ還っていく。

アイム「まあいい。それで、あんたはこのまま消えるのか。随分と無責任じゃないか、消えた後は天から見守るとでもいうのかい」

そこで初めて無口は立ち止まり、静かに肩を震わせた。
笑っている。あの無口が。

無口「【天】か。なるほど、言い得て妙だな。そうか。それじゃあ“俺たち”は【天の上から】事の推移を見守るとしよう」


――大戦に幸あれ


消え入るような声で最期にそう呟いた後、無口の姿は夜の闇に溶けていった。
あとには静寂と、煌々と燃える図書館だけがアイムとオニロたちの前に残った。

737 名前:Chapter3.無秩序な追跡者たち 会話編その8:2017/01/09 02:01:19.151 ID:Lh4qoWnwo
【K.N.C180年 会議所正門前】

オニロたちは無事、現代の会議所へ帰還した。
無口が消えた後、オニロたちは無口の遺した言葉通り、消火活動に参加した。迅速な消火活動の末、図書館の火は驚くほど早く消し止められた。
あるいは、早い段階で炎魔法の効力を失うように、無口がコントロールしていたのかもしれない。
結果的に、迅速な消火活動が【歴史改変】と認められ、オニロたちは時限の境界を経て現代へ帰還することができた。

結局は無口により、オニロたちは最初から踊らされていたのである。

無口との邂逅を経て各人がさまざま葛藤する中、DB襲撃の危惧からオニロたちは急ぎ会議所の前まで戻ってきた。

―― 【救世主】は生き残った。

オニロ「…長ッ!」

―― やはり、あの人の予見通り、預言書はただの紙クズと化したのか。

オニロ「社長ッ!」

何やら思案気に顔をバグらせていた社長は、オニロの言葉にハッとした様子で顔を上げた。

オニロ「社長。無口さんが最後に言っていた言葉の意味。あなたなら、何か知っていますよね」

社長「(そうでもないけど)」

オニロ「編纂室に戻ったら教えてください。話せる内容までで結構ですから」

社長「…はいよ」

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738 名前:Chapter3.無秩序な追跡者たち 会話編その9:2017/01/09 02:03:14.016 ID:Lh4qoWnwo
竹内「すまんのう。ワシはおしっこ行ってくる」

会議所に着いたと同時に、竹内はフラフラとした様子でどこかへ行ってしまった。
その竹内に誰も言葉をかけない辺り、今回の時間旅行で何度同じ場面があったか想像するに難くない。

アイム「しかし、やけに静かだな…」

会議所の受付は昼間だというのに明かりが消えている。ただでさえ古びた受付が薄暗く肝試しに出てきそうな程に寂れて見えてしまっている。
静寂を通り越し生気がないのだ。そして、どこからか立ち込めている生臭い臭いが、先程からアイムたちの鼻をついていた。

加古川「おかえりィ」

ぬっと暗闇の中から出てきた加古川が、満面の笑みでオニロたちを出迎えた。

オニロ「加古川さん、戻っていたんですねッ!DBはまだ襲撃していませんかッ!」

オニロは不思議な違和感を覚えた。
いつもくたびれたような面持ちで皆を迎えていた加古川が、今日はやけに張り切っているように見えたからである。
そして、その目はどこか焦点があっていなかった。

加古川「予想より時間がかかったなァ。拘束ゥ」

オニロ「何を言って――」

なにか様子がおかしい。オニロたちが疑問を抱くよりも前に、加古川の命令はくだされた。
柱の陰に隠れていたsomeoneの放った麻痺魔法は、アイムたちに悲鳴を上げる暇すら与えず、身体の自由を奪った。
全員の身体は硬直し、直立したアイムたちはその場に倒れ伏した。


739 名前:Chapter3.無秩序な追跡者たち 会話編その10:2017/01/09 02:06:55.435 ID:Lh4qoWnwo
someone「ヒュー。プッカライトニングが決まると気持ちいいなァ。拘束完了ゥ」

同じく身を潜めていた抹茶も姿を現し、倒れる一行を面白そうに眺めていた。

抹茶「おやァ。一人、兵士が足りないようですがァ」

黒砂糖「あの老人は放っておけェ。単体では何もできんよォ」

アイム「ッ!!」

somoneの麻痺魔法を少しでも破ろうと、必至の努力で顔だけ上げたアイムは、正面から現れた黒砂糖と目があった。
暗闇と同化するほどに真黒な祭服を着込んだ黒砂糖は、驚愕にまみれたアイムたちの顔を一瞥すると、口角をつりあげニタニタと笑いだした。
その笑い方は、まるでアイムたちが追っていた宿敵そのもので――

黒砂糖「それでは“あの方”の下にこいつらをお連れしろォ。
お前たちの帰りを今か今かと待っておられたのだ、【その身】で非礼を詫びるんだぞォ」


740 名前:Chapter3.無秩序な追跡者たち:2017/01/09 02:07:56.801 ID:Lh4qoWnwo
長かった第三章。次回最終。遂に物語はクライマックス第四章へ。
そして明かされるアイムとオニロの秘密、そして集計班の協力者。

741 名前:社長:2017/01/09 02:09:17.373 ID:c.vMjwHo0
更新乙。やばいよやばいよ・・・

742 名前:Chapter3.無秩序な追跡者たち:2017/01/09 02:26:01.235 ID:Lh4qoWnwo
第四章は第三章ほど文量はない(予定)ので、サクサクっといくぜ!

743 名前:791:2017/01/09 02:27:50.189 ID:abst9aJ20
ふおおお!
一体何が!?
続きを楽しみにしてます

744 名前:Chapter3.無秩序な追跡者たち 地下室編その1:2017/03/27 01:08:15.092 ID:JxG3Or5ko
【K.N.C180年 会議所地下 大戦開発室】

身動きの取れないアイムたちに縄をくくりつけ、黒砂糖は大廊下の端からのびる階段で地下へと下り始めた。
アイムにはその薄汚れた階段の入り口に見覚えがあった。
会議所に来たばかりのアイムが、埼玉と抹茶に案内を受けていた際に見つけた隠し階段と同一のものだったのだ。

誰かに抱えられながらアイムたちは階段を下っていった。アイムたちは身体を動かすことができないため、知る由もない。
階段はすぐに途切れた。大戦年表編纂室のように構造自体に魔法が施されているわけでもなく、そこには純粋な地下室が用意されているようだった。

着くやいなや、アイムたちは部屋に投げ出された。打ち身を気にする暇もなく、アイムたちの鼻を腐敗臭が襲った。
生臭さとも刺激臭とも取れる独特の臭いに、アイムとオニロは覚えがあった。

オニロ「お前は…DBッ!」

DB「おや久しぶりだねェ“君ィ”」

まるで玉座と言わんばかりに目の前で椅子に座りふんぞり返るDBを、アイムとオニロたちは苦々しそうな表情で見上げた。

745 名前:Chapter3.無秩序な追跡者たち 地下室編その2:2017/03/27 01:10:52.698 ID:JxG3Or5ko
漆黒の司祭服を羽織った黒砂糖は、当然のようにDBの横に付いた。
その左右にもオニロたちの見知った会議所兵士たちが、DBに忠誠を誓うかのように整然と並んでいる。
先刻までオニロやアイムと額を寄せ合い話し合い、DB討伐のために立ち上がった兵士たちだ。
DBの異臭に気にも留めず皆一様に下品な笑みを浮かべる兵士たちの姿は、彼らがDBの魔の手に落ちたことを瞬時に確信させた。

アイム「おかしいな。オレたちはDB討伐に湧くK.N.C180年に戻ってきたはずだが、こいつはどういう理由かな」

スリッパ「抹茶、黒砂糖、山本。目を覚ませッ!目の前にDBがいるんだぞッ!」

つい先刻まで同胞だった会議所兵士たちが、明確な敵意を以て相対す姿はスリッパたちにとって混乱よりも寧ろ畏怖を招いた。

抹茶「スリッパさん。まだそんな馬鹿げた事を言っているんですかァ」

加古川「俺たちは間違っていた。DB様の素晴らしさに触れェ、DB様の支配を助けようと思い直したんだよォ」

山本「アイムゥ。はやくお前も“こっち”に来いよォ。さもなければ…な?」

焦点が合わず人形のように歯をカタカタと鳴らしながら喋る兵士たちに、思わずアイムは見ていられないとばかりに目を逸らした。

オニロ「強力な洗脳魔法がかけられている…歴戦の兵士でも逃れられない」

しかしオニロはその言葉とは裏腹に一つの希望を持っていた。オニロたちの前に並ぶ兵士たちの中に、師匠791の姿が無い。
791は今もまだ編纂室で健在か、もしくは人知れず交戦の機会を探っているのではないか。オニロは791の強さを誰よりも肌で感じ絶大な信頼感を持っていた。

746 名前:Chapter3.無秩序な追跡者たち 地下室編その3:2017/03/27 01:12:46.189 ID:JxG3Or5ko
DB「その通りィ。兵士の“希望-心の本-”を喰らい今の俺様はなんだってできる。洗脳、破壊、支配――そう、あの大魔法使いですら今の俺様にとっては敵ではない」

オニロ「ッ!!まさか、師匠をッ!」

DBは溜息を一つついたのち、オニロの様子を見て鼻で笑った。
足を挫いてもなお悪足掻きをする獲物に憐憫の情を抱く肉食動物のように、DBは落ち着いていた。

DB「大戦年表編纂室――貴様らも考えたものだなァ。道理で、俺様とスクリプトの動きが読まれるわけだ。お陰で俺様の考えは看破され壊滅一歩手前だったァ」

DB「お前の師匠、大魔法使い791といったか。かなりの強者だったァ、かつての討伐戦の後に来た人材でェ俺様もデータはなかった。
ナメてかかれば今ここには居なかっただろう…だが幸いなことに俺様には優秀な片腕がいてなァ」

黒砂糖「大魔法使い791が強力魔法を使うゆえ、魔力消費が他の兵士より早いことをお伝えしたのだ」

――魔力切れを誘発し、一先ず早く寝てもらったわ。

黒砂糖はDBの賞賛に感銘を受けたように深々と頭を下げた。

社長「黒ちゃん…あんたって人は」

オニロ「ふ、ふざけるなッ!!!師匠の優しさに漬け込み、あなたはッ!!!信じていたんだぞッ!それを、それを踏みにじるように…」


747 名前:Chapter3.無秩序な追跡者たち 地下室編その4:2017/03/27 01:13:48.554 ID:JxG3Or5ko
アイム「抑えろ。黒砂糖さんも洗脳されているだけだ。寧ろ、791さんがこの場に居ないことは救いだ。オレたちはまだ運に見放されたわけじゃない」

激昂しかかる社長とオニロをアイムは冷静に諭した。DBはその様子が気に食わなかった。

DB「今の状況を理解しているのかァ?お前たち以外の討伐隊員は全て俺様のォ支配下に入った。そしてお前たちはまな板の上の鯉だァ。
俺様が一度、ふっと口から息を吐けばァ洗脳されるんだぞォ」

アイム「見かけ上はそうかもしれない。ただ、オレたちを操り人形にできたとしても、それからどうだ?
いつ切れるかわからない洗脳を頼りに怯えながら砂上の楼閣の王として暮らすか?本当の兵士の心までをお前は掴めない」

オニロ「掴めるはずがないよ、お前はボクたちを使って人形遊びをしているだけだから。そんなまやかしの世界を手に入れて、お前は何が楽しいんだ?」

途端、DBは椅子を転がすほどに勢い良く立ち上がり激昂した。


748 名前:Chapter3.無秩序な追跡者たち 地下室編その5:2017/03/27 01:17:00.762 ID:JxG3Or5ko
DB「貴様らに何がわかるッ!!兵士の士気高揚のためだけに生み出され、討伐、そして幽閉。
たまに大戦への参加意欲が下がると外に出されまた討伐される。
俺様は貴様らの欲望の捌け口として生まれてきた、見世物小屋の動物みたいなものなのだ。
檻の中の動物が、唾を吐く見物人に牙を剥いて、何が悪いと言うのかッ!!!」

一気にまくし立てたDBは肩で呼吸をするように荒々しく息を吐いた。

アイム「それでお前は――」

オニロ「――【満足】できたのか?」


              ――それでお前は満足できるのかい?

DBの脳裏には、いつか誰かから発せられた同じ言葉が蘇った。

DB「【同じ】だ、あの時と…貴様らは、否。“貴様”はまたも俺様を愚弄するのか…」

アイムとオニロの一言に、DBはよろめきながらブツブツと独り言を呟いた。

DB「貴様は…そうして“希望”を振りまき…俺様をまた闇へと追いやろうと…」

部屋の奥にある巨大な空調機のような機械から出る忙しない光が、広々とした部屋を薄ぼんやりと照らしていた。

オニロ「ねえ社長。どうしてDBはあんな狼狽えているの?」

社長「…さあ、ワシにはさっぱり。」

未だ麻痺魔法で身動きの取れないオニロたちだったが、目の前のDBから放出される目に見えない“自信”は、オニロたちに希望を与えた。
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749 名前:Chapter3.無秩序な追跡者たち 地下室編その6:2017/03/27 01:19:26.954 ID:JxG3Or5ko
DB「貴様ァ。ここがァどこかわかるか?」

アイム「さあな、初めて来た」

DB「嘘だァ、前にも俺様と一緒にここに来ただろうゥ?」

誰に向けられた話しなのかわからず、またDBの自信に満ちた返答に、一瞬アイムは困惑し言葉に詰まった。

アイム「気でも触れたか?オレとお前が一緒に行動なんてするわけないだろ」

DB「いやァ。確かに、“貴様”はあの時俺様とこうして対面していた」

アイムは違和感を覚えた。先程からDBと会話しているはずなのに、DBが自分に向けて話していると思いにくいのだ。
どこか会話がすれ違う。

アイム「だから違うと言っているだろッ遂に頭まで腐っちまったか」

DB「もう少し、足りない部分を使ってみれば“貴様”も思い出すはずだ」

アイムは困惑したようにオニロに助けの視線を送った。

オニロ「おい化物ッ。アイムは違うと言っているんだ、独りよがりはやめろ」

DB「“貴様”の答えをまだ完全に聞いていない。教えてくれ」

オニロ「ボクにきいているのか?それならば、アイムと同じだ。お前と一緒だったことなど無い」

アイムは違和感の正体に気がついた。DBは二人と話をする時に、決してアイムとオニロに視線を合わさないのだ。
必ず二人の間にある何もない空虚な空間を見て話す。ただ虚ろな視線を送っているのか。
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750 名前:Chapter3.無秩序な追跡者たち 地下室編その7:2017/03/27 01:21:03.521 ID:JxG3Or5ko
DB「ここは俺様が生み出された始まりの地でもあり、“貴様”の終わりの地でもあるゥ」

DBの背後で、¢の開発した【圧縮装置】から漏れ出した光がDBを照らしていた。

アイム「貴様、貴様とさっきからお前はオレとオニロのどちらに話しかけているんだ?」

いい加減にアイムは痺れを切らした。オニロも続いた。

オニロ「混乱させようとしてもそうはいかないぞッ」

DBは初めて口角を釣り上げ嘲笑した。

DB「何を言っているんだ。俺様は最初から“貴様”と会話していたぞォ」

アイム「だから、それがどちらだと――」

DB「思い出さないかァ?」

DBの一言に、アイムは口を開けたまま一瞬静止した。
オニロも何かを考え込むように、辺りを見回す。

先ほど見覚えのなかったはずの風景。

そこに。アイムとオニロの頭のなかに、同時に【例の夢】の光景が流れてきた。


751 名前:Chapter3.無秩序な追跡者たち 地下室編その8:2017/03/27 01:22:48.289 ID:JxG3Or5ko
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「…かった。…長年…ついに……やっと……」
―― 囁くような声を聞いて。ゆっくりと、夢の中で瞼を開ける ――

「…オー…結集……貴様を………掌握ッ………会議所を……」
―― 意識が定まらない、うすぼんやりとした感覚が身体を支配する ――

「貴様を……会議所の…全て断ち……」
―― どこか見覚えのある光景、覚醒しない脳を働かせようとする ――

「…ッここで………消える…」
―― 思い出すのは、暗い室内 ――

「………るく思うな…これも…全て……ため…歴史を……ため」
―― 思い出すのは、異様なまでに冷えた部屋の空気 ――

「覚悟……逃げること……………なッ!…自ら……馬鹿なッ…」
―― 思い出すのは、ふわふわ浮いているような不思議な心地良い感触と ――

「なぜだッ!!!なぜ!!!!なぜだーーーーーーーーッ!!」


          ―― 頭を鈍器で殴られたような酷く重たい感触 ――
━━━━━━━━
━━━━
━━

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752 名前:Chapter3.無秩序な追跡者たち 地下室編その9:2017/03/27 01:29:34.706 ID:JxG3Or5ko
スリッパ「ど、どうしたんだふたりともッ!」

社長「アイムッ!オニロッ!戻ってこいッ!!思い出してはDBの思う壺だッ!」

DB「もう遅い…」

二人の悲鳴を最良の馳走とばかりにDBは舌なめずりをして見ていた。

DB「思い出したなァ。そう俺様は“貴様”と以前に、ここで対面している。否、それではない。それよりも以前からずっと、ずっと――」

社長「もう止めろDBォ!!!止めてくれッ!!」

アイム「オレたちに何をしたッ!」

オニロ「ボクたちに何をしたんだッ!」

アイムとオニロは満身創痍の中、目の前の邪悪な怪物に精一杯の虚勢をもって問いかけた。
社長の静止はDBにも、そして二人にも届くことはない。
いまこの瞬間、預言に無い運命は暴走を始めたのだ。

玉座に座るDBは待ちわびたとばかりに愉悦気に答えたのだった。

753 名前:Chapter3.無秩序な追跡者たち 地下室編その10:2017/03/27 01:33:51.809 ID:JxG3Or5ko
DB「そうか、今はアイムとオニロという名前になっていたのか。

         “貴様ら”は互いに欠けたピースゥ。


              元は一つの形だったァ。


何をしたか?その問いに答えよう。


            俺様は“貴様”を手に掛けた。
          その結果、出来たのが“貴様ら”だ。


分からないか?俺様は創り出した。
               

               アイムとオニロ。“貴様ら”二人を。



ここに“貴様”を招いたのもこの俺様。

そして、そこで不意打ちに“貴様”を討ち取ったのもこの俺様。

元々一つの存在であった“貴様”の魂が二つに分かれたのもこの俺様のせい。

つまり、つまりィ。ゴミのように転がっている“貴様ら”二人の生みの親は、この俺様ってことだよォッ!!」
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754 名前:きのこ軍:2017/03/27 01:37:04.940 ID:JxG3Or5ko
Chapter4.大戦に愛を へとつづく。

色々と反省しかありませんが、最終章へ向けて邁進するのみのみ。

755 名前:社長:2017/03/27 01:39:53.116 ID:6QMucJns0
ついにアイムとオニロの秘密が!乙。

756 名前:Chapter3.無秩序な追跡者たち:2017/05/07 23:44:27.343 ID:90JAJ7Q6o
社長のssに胸をうたれ、更新再開にむけて努力します。がんばるぞい。



757 名前:きのこ軍:2017/05/20 01:37:54.363 ID:7NMTxnUEo
・これまでのあらすじ(ロングバージョン)

★Chapter1. 欠けたものたち
―― 「オレの名前はアイム、記憶喪失らしい。好きな食べ物はきのこ。この世で一番嫌いな食べ物はたけのこだ。所属はきのこ軍」
    ―― 「ボクの名前はオニロ、同じく記憶喪失みたいです。たけのこ軍所属ですけど、きのこも好きです」
―― 社長『こうして森部拳は 永遠にその姿を消した……』
    ―― 「二人はパズルのピースのようなものです。お互いに欠けたピースなんだ」

“大戦”を運営する『会議所』は、日に日に増大する大戦参加者の士気・意欲低下に頭を悩ませていた。
その最中、会議所に流れ着いたアイムとオニロは、社長の【占い】により、『大戦の希望』として鍛えられる。

758 名前:きのこ軍:2017/05/20 01:39:03.672 ID:7NMTxnUEo
★Chapter2. 悪しき時空の潮流者
―― 集計班「私の予測が正しければ、編纂室にいれば『歴史改変の影響を受けない』。」
    ―― ¢「堅牢な檻から獰猛な動物が二匹解き離れた。1匹目は愉快犯 スクリプト、そしてもう1匹は…邪悪の権化 DB<ダイヴォー>」
――  『【時限の境界】 自身の決意を込める意味で、魔法のタイムマシンフロアを以後こう呼びたいと思う。』
    ―― 筍魂「【無秩序の全は一に帰し、“生命力の流れ”は即ち“世界の理”と同化する】」
―― アイム「【無秩序の全】は世界、【一】はオレ。【一】が【全】の“正”・“負”を支配し、逆もまた然り」オニロ「――それが【生命力の流れ】で【世界の理】の一部」

ある日、会議所で捕らえていたはずの世界の宿敵【DB】、【スクリプト】が脱走していたことが判明。
同時に、DB一味は、禁忌のマップ『時限の境界』で、故意に会議所不利の歴史に改変していることも明らかになる。
世界の危機を救うため、参謀を隊長とするDB討伐隊は、すぐさま『時限の境界』に突入するも、内部に潜むスクリプトや、時限の境界の【制約】の前に悪戦苦闘。
結局、DBの姿すら確認できずに、撤退を余儀なくされる。

自身の不甲斐なさを悔い、アイムは戦闘術魂の伝承者・筍魂に弟子入りを志願。
オニロとの絆を深め、師からの教えを理解したアイムは、再び時限の境界へと突入する。
しかし、新たな【制約】により、アイムは独り過去の時代に閉じ込められてしまう。

759 名前:きのこ軍:2017/05/20 01:41:27.826 ID:7NMTxnUEo
★Chapter3. 無秩序な追跡者たち
―― 竹内「どうも皆さんお久しぶり――かくいう私はもう隠居した身でね」
    ―― たけのこ軍 社長『ふねもでていったし、あんたたちのおかげだよ!』『預言?しらね^^』『アア オワッタ・・・・・・・・!』
―― きのこ軍 アイム「兵士は誰しも『大戦の本』を心の中に宿している
    ―― DB「“相棒”に伝えておけ、『すぐに迎えに行く』とねェ…」
―― 無口「【天】か。なるほど、言い得て妙だな。そうか。それじゃあ“俺たち”は【天の上から】事の推移を見守るとしよう」
    ―― オニロ「ボクたちに何をしたんだッ!」
―― DB「つまり、つまりィ。ゴミのように転がっている“貴様ら”二人の生みの親は、この俺様ってことだよォッ!!」

持ち前の機転と戦闘術魂を利用し無事現代に帰還したアイムは、会議所の中心的存在だった集計班が突如として姿を消したことを知る。
悲観に暮れる間もなく、竹内の加入を経て、スクリプトたちが【スクリプト工場】を過去の時代に製造し過去改変を行うという恐ろしい事実を目のあたりにする。
そして順調に工場を破壊する中で、追い詰められていたDBと討伐隊は、時限の境界内で遂に運命の邂逅を果たす。

万事休すと思われたDBだが、自らの危機を逆手に取り、過去の時代で黒砂糖を洗脳。会議所の内通者として仕立てあげ、会議所を洗脳し制圧する。
一方、アイムとオニロはK.N.C47年で初代wiki館長無口と出会い、真実の糸を手繰り寄せるも。
現代の会議所で捕らえられたアイムとオニロはDBから恐ろしい真実を告げられるのだった――――


760 名前:きのこ軍:2017/05/20 01:57:39.486 ID:7NMTxnUEo
本編投下

761 名前:Chapter4.大戦に愛を オープニング編その1:2017/05/20 02:04:26.270 ID:7NMTxnUEo
目を覚ました時、自分は何もない飴色の空間を所在無げにふわふわと浮いていた。
思い出そうとしても意識が朦朧としている。自分が誰なのか記憶を手繰り寄せようにも記憶がない。

完全に覚醒していない意識の中で直感する。
そうか、これは夢なのだと。

1秒かはたまた100年か。
時間の概念を忘れる程にその空間に漂い続けていると、不意に仄かな光が自身を徐々に包み、やがて一面が真白となった。
とても目を開けていられず、思わず腕で顔を覆った。まばゆい光が自分にはとても場違いな空間のように思え身を固くした。
だが暖かな光は自身を包み込むように体を芯から温め、その感触がこそばゆかったものの、次第に嫌ではなくなった。

暫く経つとまるで長い間自身が此処にいたようにくつろぐようになった。時間の概念がないので、こちらも1秒あるいは100年過ごしたかはわからない。
居心地がよく、夢のような空間だとさえ感じた。今、自身のいる空間が夢であるというのにおかしな話だと笑った。
まばゆい光に目は未だ慣れず顔を腕で覆い続けながらも、確かな幸せを感じていた。


762 名前:Chapter4.大戦に愛を オープニング編その2:2017/05/20 02:07:27.035 ID:7NMTxnUEo
至福の時間を過ごした空間に身を置きすぎ、だから気を許しすぎていたのだろう。
気が付かなかったのだ。

いつの間にか光の空間から叩き落され、自身が底知れぬ闇へ向かっていることに。
目を開けた時には、一面はうってかわり真暗の闇で覆われていた。
怯える。夢だとわかってはいても、底なし闇に堕ちていく自身の精神は二度と現実に戻れないのではないかという予感があった。

恐怖に打ち克つように、自身の両拳をぎゅっと握った。
目は瞑ったままで、力強く。

763 名前:Chapter4.大戦に愛を オープニング編その3:2017/05/20 02:10:21.983 ID:7NMTxnUEo

「長かった。長年かけて、ついにやっとここまでこれたァ」
― 囁くような声を聞いて。ゆっくりと、夢の中で瞼を開ける ―

「正のオーラで結集してできた貴様を、この場で俺様が戴くことで掌握ッ。完全に会議所を掌握する」
― 意識が定まらない、うすぼんやりとした感覚が身体を支配する ―

「貴様を消し去ることで、俺様は会議所の希望を全て断ち切る」
― どこか見覚えのある光景、覚醒しない脳を働かせる ―

「貴様はッここで俺様に喰われて消える」
― 思い出すのは、暗い室内 ―

「悔しいか?悪く思うなよ。これも全て俺様のため。会議所の歴史を変えるため」
― 思い出すのは、異様なまでに冷えた部屋の空気 ―

「覚悟しろ、逃げることなど なッ!自ら四散しただと。そんな馬鹿なッ!!」
― 思い出すのは、ふわふわ浮いているような不思議な心地良い感触と ―

「ふざけるなッ!!幾ばくもの月日をかけて今日を待っていた!貴様を喰らうことのみ考えて今日を生きてきた!なのに、なぜッ」

「なぜだッ!!!なぜッ!!!!なぜだーーーーーーーーッ!!」


          ―― 頭を鈍器で殴られたような酷く重たい感触 ――


夢から、覚めた。

764 名前:Chapter4.大戦に愛を オープニング編その4:2017/05/20 02:11:24.151 ID:7NMTxnUEo
━━━━
━━━━━━

きのたけWARS 〜DB討伐〜
Chpater4. 大戦に愛を

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━━━━


765 名前:Chapter4.大戦に愛を オープニング編その5:2017/05/20 02:15:12.368 ID:7NMTxnUEo
信じがたいことに、かつてきのこたけのこ大戦世界には【神】が存在した。
兵士たちが【神】という存在を忘れて久しい。
だが、大戦世界には数多もの【神】が存在した。

農家では、畑から収穫したきのことたけのこを出荷前に【農耕の神】へ供え、家庭で振る舞われる際には【食事の神】へ祈りを捧げ、
子供が夜更かしをしていると親は【幽霊神】の伝説を語り、やんちゃな童たちを震え上がらせた。

伝聞が伝聞を呼び、大戦世界黎明期の兵士たちは【神】の存在を認知するようになった。
日常生活のなかでどうにも自分たちの力で解決できない事象があると、兵士たちはまるで猿の一つ覚えのように【神】に縋るようになった。
時には居もしない【神】をその場で創り出して縋り、その願いに応える形で【神】は生まれてきた。兵士たち自身が【神】を創り上げてきたのだ。

もし世界を天の上から見守る管理者がいたら、当時の下界の兵士たちの様子にはだいぶ呆れたかもしれない。
それ程までに一時の大戦世界は兵士たちの懇願で溢れかえった。仕方なく、管理者たちは粘土をこねるように次々と【神】を造形し生み出していった。


766 名前:Chapter4.大戦に愛を オープニング編その6:2017/05/20 02:17:42.188 ID:7NMTxnUEo
暫く経ち、とりわけ大戦場ではいつからか【戦の神】への信仰が爆発的に強まり始めた。
初出は窮地のきのこ軍兵士が、居もしない【戦の神】をやけくそ気味に叫んだことが始まりと言われているが今となっては知る由もない。
その戦いはきのこ軍が大逆転勝利を収めた。

かくして、いつの間にか絶体絶命時に【戦の神】へ祈りを捧げると大逆転勝利できるという伝説が、まことしやかに囁かれ始めるようになった。
時代が進み文化的にも成熟した大戦世界では、一時の神信仰は鳴りを潜めつつあった。
代わりに神といえば【戦の神】と皆が認識するように、武運をまとった神を兵士たちは想起した。



兵士たちは、畏怖と敬意そしてほんの僅かの親しみをこめ、その神を【軍神<アーミーゴッド>】と名付けた。


767 名前:Chapter4.大戦に愛を オープニング編その7:2017/05/20 02:27:56.361 ID:7NMTxnUEo
軍神<アーミーゴッド>は大戦世界に生まれた。
そして常に戦場では先頭で兵士たちを鼓舞し続ける存在となった。
兵士たちが軍神<アーミーゴッド>に縋れば、たまに大逆転が起きる。
勝利の立役者を階級を超えた軍神Åとして表彰する動きも一時は盛んとなった。

かつて確かにきのこたけのこ大戦世界には【神】が存在した。
しかし兵士が大戦への興味を失うにつれ、軍神<アーミーゴッド>は兵士たちの心の拠り所では無くなり現世へ留まる必要が無くなった。
軍神<アーミーゴッド>は名残惜しつつも、現世から姿を消し天の上へと戻った。いつか兵士が“希望-心の本-”に胸を膨らませ、自身の存在を必要とされるまで世界を見守ることとした。

そして、現在。
歴史の歩みを止めたK.N.C180年で、思わぬ形で【神】は復活した。
その【神】は今。会議所の地下、冷たい地べたにその身を投げ飛ばされ、かつての栄華はどこにもなく、ただただ恥辱の神に見下されていた。

DB「久しぶりだなァ軍神<アーミーゴッド>。目覚めた気分はどうだィ?」

オニロ「DB…」

アイム「貴様という奴は…」

その【神】は自身の魂を二つの器に分けていたため不完全だった。
それ故、歴史を変えるほどの窮地に追い込まれていた。

768 名前:Chapter4.大戦に愛を:2017/05/20 02:31:00.393 ID:7NMTxnUEo
本当は軍神の訳だとゴッドオブウォーとかマーズとからしいけど、そんなことしるか直訳じゃ!



769 名前:社長:2017/05/20 02:33:31.004 ID:fvhsgqo20
その展開は予想していなかった。なるほど軍神!

770 名前:Chapter4.大戦に愛を 絶望と希望編その1:2017/06/25 01:20:43.207 ID:YcJ1wk56o
【K.N.C??年 避難所の避難所】
きのこたけのこ大戦世界のはるか雲の上、高度な魔法で厳格に存在を秘匿される環境下に【避難所の避難所】は存在した。
【避難所の避難所】は大戦世界を正しく導くための管理所として、世界の始祖まいうが創造した。

黎明期は限られたメンバーだけしか利用していないことから別の世界に存在していたが、いつか地上から帰還した中心メンバーの一人である無口が
『今日からここは【天の上】となる』と無表情ながら茶目っ気ぽく語った時から、【避難所の避難所】は雲の上に移動し下界を見守る管理区域と化した。

冗談が過ぎる、と軍神はメンバーの一人として内心苛立ちを感じていた。ただ、この負の感情が正当なものかはたまたつい最近の自身への冷遇から出るものなのか、
どちらに因るものか自信を持てず、表立って不平を言うことはなかった。

771 名前:Chapter4.大戦に愛を 絶望と希望編その2:2017/06/25 01:27:04.914 ID:YcJ1wk56o
白を基調とした広大な談話室の中心で、軍神は独り物思いにふけていた。

DB「おやおやァ。これはこれはァ軍神<アーミーゴッド>様ではないですか」

【恥辱の神】DBの声のした方向に首を向けると、それまで物憂げだった軍神は露骨に顔をしかめた。

軍神「久々に討伐戦に駆り出される予定だと今日の定例会議で言っていただろう。その醜い姿をひっさげてさっさと地上に降りたらどうだ」

DB「ツレないねェ。俺様と貴様の仲じゃないか、俺様の無事を祈っていてくれよなァ」

軍神「ああ祈っているよ、会議所が今度こそ貴様を捕えることを切にな」

短く言葉を切ると、軍神は中央に鎮座されている巨大な水晶に視線を移した。
透き通るほど澄んだ水晶は兵士を数十人は飲み込めるほど巨大でありながら、綺羅びやかに光を放ち続けていた。
軍神の視線を追うように水晶の中身を眺めていたDBだが、水晶の中に映し出されていた光景に下卑た笑いを浮かべた。

DB「連中も噛み合わないねェ。【スキル制】ルールなんてうまくいくわけないだろうにィ」

水晶の中には、大戦場で戦い続ける兵士たちの姿が映っていた。

軍神「哀れなオツムだと否定することしか出来ないのか。きっと上手くいく」

DB「いや、すぐに内外から紛糾してルール中止に追い込まれるさァ。俺様は“ネガティブ”な話題には人一倍に敏感だからわかるんだよ。『預言書』に書かれてなくても予測できるゥ」

水晶の中では、先程まで軍神たちと同じく会議に出席していた集計班が疲れ切った表情で集計作業にあたっていた。


772 名前:Chapter4.大戦に愛を 絶望と希望編その3:2017/06/25 01:29:01.127 ID:YcJ1wk56o
DB「ところでェ。聞いたぜ、帰還命令が出て【避難所の避難所】に幽閉されるんだってな。かわいそうにィ。兵士たちに忘れられた武運の神様は、天の上から指を咥え下界を見ているしかない。
一方で悪役の俺様は強烈な存在感で忘れられずに近々また地上へ降りられる」

いわずともDBが軍神のことを語っていることは、軍神自身がよく理解していた。

軍神「今は新ルール運用等も含め、兵士たちの心に余裕がないからしかたがない。いつか再び大戦の人気が頂点を迎える時、我がまた姿を現せばいい」

DB「果たしてそれが叶うかなァ?」

DBの下賤な目線に応えることなく、軍神はただ水晶に映し出された大戦を眺め続けていた。

DB「また戻りたいだろゥ?懐かしいんだろゥ?」

軍神「…当たり前だ。だが、ここのメンバーはそう思っていないだろ。戦の神様をお役御免とでも思っているんじゃないのか」

DB「…あんたの願い、叶えてやろうかァ?」

思いがけない言葉に、軍神は思わず眉をひそめ初めて水晶から視線を外した。

軍神「君がか?馬鹿も休みも言え。それに誰が信じるんだッ」

DBの提案を一笑に付す軍神に、下品な笑みを絶やさず恥辱の神は言葉を続けたのだった。

DB「安心しろよォ。ここを離れようとすぐあんたを“迎えに行く”からよォ、【避難所の避難所】もそれを望んでいるだろ」


773 名前:Chapter4.大戦に愛を 絶望と希望編その4:2017/06/25 01:32:32.650 ID:YcJ1wk56o
━━━━
━━━━━━
【K.N.C180年 会議所地下 大戦開発室】

DB「“あの時”の言葉どおり、俺様は“貴様”を再び地上へ連れ戻してやった。さあ感謝しろォ」

アイム「ふざけるなッ!混乱に乗じてオレたちをここに呼び出して――」

オニロ「ボクたちを消滅させて、全ての負のエネルギーを吸収しようとしただろうッ!」

DB「だってェ軍神<アーミーゴッド>がいる限りは、大戦世界には“希望”が振りまかれる。希望ってのは俺様の大嫌いなものなんだよォ。
つまり、“希望”の塊である貴様は俺様にとって天敵というわけだァ!!」

DBが指をパチンと鳴らすと、虚ろな意識でいた操り兵士たちは糸でひかれたようにすっくと背筋を伸ばした。

スリッパ「なんだ、何が起きているッ!?」

オニロ「事情は後で話しますッ!麻痺魔法は解除しましたので起ち上がってくださいッ!」

社長「この会議所荒らす 龍の穴」

操られた兵士たちは、まるでゾンビのようにヨロヨロとアイムたちに近づいていた。

加古川「おーいアイムゥ。残業のない世界は最高だぞォ」

抹茶「そうですよォ。特殊な性癖をもっていても非難されないんですゥ」

埼玉「もう一歩も外へ出なくてもいいたまァ」

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)

774 名前:Chapter4.大戦に愛を 絶望と希望編その5:2017/06/25 01:36:23.508 ID:YcJ1wk56o
スリッパ「仲間と戦うのか、冗談がきついな…」

社長「ぼくら かんきんされとるんやで。」

アイム「全員おかしな夢を見ているんだ。だから、ちょっと頭を小突いて目を覚ましてやろうぜッ!」

オニロ「そうだよ。それにボクたちはあの無口さんにも一泡吹かせたんだ。DBがかけた操り如きに負けるボクたちじゃないよ」

アイムとオニロの自信に満ちた鼓舞は社長とスリッパ、そしてサラを目に見えて勇気づけた。事実、数は多くとも操り兵士たちはDBの急ぎかけた術ゆえ不完全で、今のアイムたちの敵ではなかった。
4人の前に操り兵士たちは一人、また一人と意識を失っていくのだった。

DB「バカなァ…」

アイム「ツメが甘いなあ。オレたちは皆の戦いをよく知ってるんだ、弱点もよく知ってるってことだろうが」

アイム「この場に791さんや筍魂<バカ師匠>を呼んでたらどうなってたかわからないが。オレたちほどあの野郎、スタミナ切れてまたどこかで寝てるんだろうな」

オニロ「師匠との修行に比べたら、こんな戦いへっちゃらだよッ!」

スリッパ「二人と戦っていると私まで勇気が湧いてくるな。サラッ!さっさと皆の目を覚ましてやろう!」

社長「いいぞ」

気がつけば、4人の周りには数名の操り兵士がかろうじて立ち向かうばかりになっていた。


775 名前:Chapter4.大戦に愛を 絶望と希望編その6:2017/06/25 01:38:05.593 ID:YcJ1wk56o
DB「――もういい」

DBが椅子から立ち上がると、操り兵士たちは糸が切れたようにその場に全員倒れた。

アイム「もう降参か?」

オニロ「相変わらず堪え性がないね。だから【避難所の避難所】の忠告も無視し、長いこと会議所に捕えられるのさ」

二人の言葉に耳を一切貸さず、支配者は自分だとばかりの態度でDBは4人に向かい手をたたき賞賛した。

DB「負のオーラの兵士に、自身の希望 ―正のオーラ― を与えて相殺したな。見事な解決法だ、さすがは軍神<アーミーゴッド>」

そこでパタリと叩いていた手を下ろす。


DB「――だが、不完全な貴様が今の俺様に敵うと思うのか?」


瞬間、DBの体の周りを覆っていたどす黒いオーラが、勢い良く四方に放たれた。

スリッパ「ぐあああああああ」

社長「しねばいいんでしょう?」

アイム「くッ!!みんな、しっかりしろッ!!」

オニロ「ダメだアイムッ!身体が言うことを…きかないッ!」

意識を失うほどの刺激臭と腐敗臭が兵士の鼻をつき、一人また一人とその場で崩れ落ちていった。


776 名前:Chapter4.大戦に愛を 絶望と希望編その7:2017/06/25 01:46:35.606 ID:YcJ1wk56o
スリッパ「も、もうダメだ…二人だけでも先に逃げるんだ」

アイム「そんなこと、できるわけねえだろッ!起き上がって…くっ足が動かねえ」

DB「いい顔になった、俺好みの苦しんでる顔だァ。最後の仕上げだッ」

再びDBがパチンと指を鳴らすと、暗闇の中からぬっと二人の兵士が姿を現した。
それはアイムとオニロの最も会いたくない兵士で、会議所内でも最強に属する兵士だった。

アイム「バカ師匠…!」

オニロ「師匠!」

791と筍魂は顔を伏せながら、怖気づく二人の前までゆらゆらと近づいていった。

DB「ゲハハハハハハッ!愉悦愉悦ゥ!感じるぞォ、追い詰められた貴様らの絶望!恐怖!なんて馳走だァ!」

その場で舌舐めずりをし歓喜に打ち震えるDBと対象的に、アイムとオニロは困惑し自らの師匠から逃げるようにジリジリと後退した。
希望に満ちた状況から一変し、起こり得るはずないと高をくくっていた事実が目の前に突きつけられ、出来すぎなまでのストーリーだった。
791と筍魂に囲まれる形で背中合わせになった二人はただ絶句した。

777 名前:Chapter4.大戦に愛を 絶望と希望編その8:2017/06/25 01:55:17.597 ID:YcJ1wk56o
DB「あァ…うまい、なんてうまいんだ。これが“負のオーラ”。もう諦めろ軍神<アーミーゴッド>。
いやァ諦めるな。諦める前にもっと、も〜っと絶望しろォ。そして最期に希望を完全に失う瞬間が、俺様にとってメインディッシュとなるのだァ!!!!」

アイム「…ここまでか」

オニロは背中越しに、アイムが戦闘の構えを説いたことを察した。

オニロ「アイム…師匠に楯突くことを気にしているのかい?操られてるんだからノーカンだよ」

アイム「そりゃあテメエらの師弟関係じゃ…そうだな。お前の言うとおりだ。でもな。悔しいことにもう足が動かないんだ…先に言っておく、すまねえオニロ」

無口戦から精神的に溜まっていた疲労も極地に達し、遂にアイムは膝をついた。

オニロ「…次、また同じ弱音を吐いたらアイムでも容赦しないよ」

オニロは手に握る杖に力を込めた。
そしてアイムを護るように、オニロは二人の師匠の前に立ちはだかった。

オニロ「絶対にアイムをここから救い出して、後で笑い話にするんだ。『あの時、もうダメだ〜てアイムはボクに泣きついてきたんだ』てね」

アイム「やめろ、ムダな体力を使うな。お前は直感で行動しすぎだ、もっと考えろ生き残る道を」

オニロ「思い出すんだアイム。ボクたちは“希望の星”だろ?
希望を持つんだアイム。底なしの願いでも、希望を持つことをヤメてしまえば何も生まれないッ!」





(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)

778 名前:Chapter4.大戦に愛を 絶望と希望編その9:2017/06/25 01:59:18.914 ID:YcJ1wk56o
オニロ「!?」

一閃。
アイムとオニロの頬を撫でるように吹いた一陣の風は、数秒の沈黙の後、瞬撃の太刀筋として斬撃音とともに遅れて表れた。
太刀筋の中にいた791と筍魂は衝撃で吹っ飛ばされ、玉座に居たDBも巻き込み壁に叩きつけられた。

??「叶いっこない願い、大いに結構ッ!兵士はただ自身が描いた“夢”に向かい邁進する。それを叶えてあげる手助けとなるのが“希望”。正に底なしの“希望”よ!」

金属と金属が擦れあう音とともに、どこからか攻撃をした兵士は長剣を納刀した。

DB「ぐああああああッ!誰だあ貴様ッ!俺様の負のオーラを食らって動けるはずがないッ!!」

闇の中から現れたその兵士は、いつもの癖でシルクハットのツバに手をかけ不敵な笑みを浮かべた。

??「紹介がおくれたな。俺の名前はコンバット竹内。元・たけのこ軍兵士で、きのたけ“最後の希望”だ」


779 名前:Chapter4.大戦に愛を:2017/06/25 02:02:17.941 ID:YcJ1wk56o
サンキュー真打
そして>>547につながる。

780 名前:社長:2017/06/25 02:04:17.712 ID:zs9yol3k0
ジジイ(?)キャラがかっこいいところを見せる展開いいぞ。

781 名前:Chapter4.大戦に愛を:2017/06/25 02:05:54.972 ID:YcJ1wk56o
ミス
>>778
俺⇒ワシ だったわんわんワシわん


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