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ユリガミノカナタニ2
- 1 名前:社長:2016/09/04 00:44:24.091 ID:PNG5mMkE0
- 邪神スピリットJ あらすじ
鬼のマタギ、ディアナは人魚を狩る狩人を殺すとともに、襲われかけていた幼い人魚ネプトゥーンを助けた。
そして数十年後―――再び狩人を殺したディアナだが、最後の一人の自爆で大怪我を負って海の底に沈んでしまった。
そこには、ネプトゥーンの親が治める竜宮があり、ディアナも人魚の肉を狙った存在と勘違いされた。
それをネプトゥーンは訂正しようとしたが聞き入れられず、ディアナを助けて駆け落ちしようとした。
ディアナに人魚の血を飲ませ、傷を癒したネプトゥーン。
ネプトゥーンは助けられた時から好きになったとディアナに告白し、二人は逃げることにした。
そして―――無事に逃げ、海岸まで上がることができた。
- 2 名前:社長:2016/09/04 01:13:44.476 ID:PNG5mMkE0
- さて――海の底と、地上とでは時の流れは違う。
竜宮での、たった少しの時間は、地上の世界の流れを大きく変えていた。
取り敢えず、ディアナはネプトゥーンと共に、情報屋―長老のもとへ向かった。
依頼自体は終わらせているが、自身は行方不明と扱われていると思われるため、顔見せぐらいは必要だと思ったからだ。
- 3 名前:社長:2016/09/04 01:19:03.891 ID:PNG5mMkE0
- だが、長老は、病気をこじらせ、死にかけていた―――。
長老「………うむ、すまんな…お前が戻らん間に、病魔に蝕まれてしまってな……
最近は人間がこのあたりに住み着き、鬼達も元居た場所へ帰り――後釜も居ないから、お前に頼む依頼もない……」
ディアナ「そう……取り敢えず、あの依頼は終わったと見なしていいか?」
長老「ああ………報酬額を念のため取っておいてよかった、これだ…」
ディアナ「うむ……」
長老は、その後、ディアナの袖を掴み、後ろに隠れていたネプトゥーンに気が付いた。
- 4 名前:邪神スピリットJ:2016/09/04 01:20:40.990 ID:PNG5mMkE0
- 長老「そちらの嬢ちゃんは、…恋人、か……?」
ディアナ「そのような存在かもしれないな」
ネプトゥーン「はっ、はい…」
ネプトゥーンは、ディアナ以外に初めて話す、外界の存在に緊張していた。
その長老の目は、ネプトゥーン自身が人魚であると理解しているようであり、なおさら―――。
選んで外に来たけれど、やはり自身は人魚だから―――。
- 5 名前:邪神スピリットJ:2016/09/04 01:22:02.006 ID:PNG5mMkE0
- 長老「……いい目をしている、ディアナともずっと生きていけるだろう…」
だが、長老は少し呟いただけだった。突っ込みもせず、深くも聞かず。
ネプトゥーン「あ、ありがとう…」
その反応に、少し驚きながらも返答し、ネプトゥーンは頭を下げた。
長老「ディアナよ、お前は元気でやってくれ…ネプトゥーンも、な」
ディアナはその言葉に一礼し、ディアナ達は長老のもとを後にした。
- 6 名前:邪神スピリットJ:2016/09/04 01:31:40.354 ID:PNG5mMkE0
- 次にディアナ達は、ディアナの隠れ家へと行った。
ディアナの隠れ家は、時の流れによって少し古びたところもあったが、
あらかた問題ないままで、武器なども其のまま残っていた。
ディアナ「ふむ……少々ガタがきているのもあるが……問題ないようだ」
その後ディアナは、冷静に武器の様子を確認した。
そんなディアナの姿に、ネプトゥーンは見惚れていた。
その手慣れた動きが、どれだけマタギとして生きてきたかを表している。
- 7 名前:邪神スピリットJ:2016/09/04 01:40:11.459 ID:PNG5mMkE0
- そうこうするうち、ディアナは武器の点検を終えたようで、ネプトゥーンを見つめた。
ネプトゥーン「ど、どうしたの、ディアナ?」
ディアナ「俺を、じいっと見ていたが……此れらの武器に、興味があるのかい?」
本当はそれよりも、ディアナに興味があったけれど、実は武器にも興味があった。
ネプトゥーン「わぁ……ディアナ、これはなあに?」
ネプトゥーンは、もともと好奇心で海の底からこっそり抜け出したほど、好奇心が強い。
だから、見た事もない武器ひとつひとつに、子供の様に目を輝かせた。
ディアナ「ああ、此れは―――」
そして、其の度に、ディアナはネプトゥーンに丁寧に教えてあげた。
- 8 名前:邪神スピリットJ:2016/09/04 01:42:33.510 ID:PNG5mMkE0
- 其の後、二人は禊をした。
ネプトゥーンの身体は、ザンの名に違わぬ、美しく透き通った白い肌と、しなやかな線から成っていた。
一方、ディアナの身体は、過剰でも過少でもない、程よい筋肉が付き、体中に傷痕のある、
―――まさに、鬼と言われて思い浮かぶ身体をしていた。
- 9 名前:邪神スピリットJ:2016/09/04 01:43:23.859 ID:PNG5mMkE0
- ディアナは別段、他人の身体について、戦いでどう動くか、ぐらいしか考えない性分な為か、
ネプトゥーンの身体を見ても何も感じなかったけれど、ネプトゥーンはディアナの身体を見て、心をきゅんっとさせた。
その筋肉と身体の傷が、格好良く見え、其処に相見える女らしい身体の線が美しかったからだ―――。
- 10 名前:邪神スピリットJ:2016/09/04 01:48:14.611 ID:PNG5mMkE0
- また、ディアナはネプトゥーンの其の感情に気付くことはなかった。
ネプトゥーンが顔を赤らめていたのも、水に囲まれない生活で、禊をしたためと考え、さっさと禊を済ませた。
ネプトゥーンは、ぼうっとしていたけれど、ディアナに肩を叩かれ、はっと気が付いた。
ディアナ「ネプトゥーン、ぼうっとしていたようだけど……」
ネプトゥーン「あ、あっ、だ、大丈夫っ」
ディアナ「そうかい…?外で禊をすることは、慣れないだろうから、手伝おうか?」
顔を赤らめて慌てるネプトゥーンの手を、ディアナは優しく握ってあげた。
ネプトゥーン「ほ、本当に、大丈夫だからっ」
ネプトゥーンは、慌てながら、禊を済ませた。
- 11 名前:邪神スピリットJ:2016/09/04 01:48:55.873 ID:PNG5mMkE0
- そうしていると、やがて夜が更けた。
初めて見る月にもネプトゥーンは心を躍らせ、ディアナはその様子を優しい目で眺めていた。
- 12 名前:社長:2016/09/04 01:52:04.660 ID:PNG5mMkE0
- 更新終わり。今更だけどディアナは俺っ娘です。
- 13 名前:社長:2016/09/04 02:12:25.370 ID:PNG5mMkE0
- ディアナ
・身長 :183cm
・体重 :73kg
・スリーサイズ:108-63-97
・髪色 :金
・目の色 :黒
・利き手 :両利き
・一人称 :俺
・得意なこと :銃などの、遠距離攻撃をする武器の扱い
・不得意なこと:恋の行方を読む事
http://dl1.getuploader.com/g/kinotakeuproloader/836/diana.jpg
- 14 名前:社長:2016/09/04 02:20:23.272 ID:PNG5mMkE0
- ネプトゥーン
・身長 :157cm
・体重 :49kg
・スリーサイズ:80-57-79
・髪色 :青
・目の色 :緑
・利き手 :右利き
・一人称 :わたし
・得意なこと :泳ぎ、家庭的なこと
・不得意なこと:戦い
http://dl1.getuploader.com/g/kinotakeuproloader/837/neptune.jpg
ネプトゥーンの【力】
壁を泳ぐことができる。対象は自身と、自身が触れているもの。
あくまで自身が壁と認識したものが限定で、例えば壁から空中に飛び出すと普通に転落する。
>>13
あとディアナの眼は青色の設定だった。
- 15 名前:邪神スピリットJ:2016/09/22 23:43:28.491 ID:t43rV0Uw0
- ディアナは、これまで孤独に生きていたから、何にでも興味を示すネプトゥーンが新鮮だった。
新しいものを見て、心踊らせる気持ちよりも、冷静に見る性格であるため、なおさら――。
ネプトゥーンは、空に浮かぶ月を見ていたが、ふとディアナの優しい横顔が目に留まった。
格好良い、凛々しい顔貌の、其の鬼の表情が、その姿が、心を揺さぶってたまらない。
ネプトゥーンの頬は、紅色に染まり、其れを隠すように両手で頬を抑えた。
- 16 名前:邪神スピリットJ:2016/09/22 23:45:29.032 ID:t43rV0Uw0
- ディアナ「ん……?」
その視線にディアナも気が付き、ネプトゥーンをじいっと見つめた。
ネプトゥーン「あ、あの……ディアナっ」
ネプトゥーンは、恥ずかしそうに、ディアナの手をぎゅうっと握りしめた。
ディアナ「ん……?どうかしたかい?」
其の行動に、ディアナは優しい声色でネプトゥーンに話しかけた。
ネプトゥーン「そ、そのっ
子供っぽいお願いかもしれないけれど、そのっ、一緒の、一緒のお布団で寝たいんだけれど…」
ディアナ「わかった、布団に行こう」
二人は、寝床に行った。
- 17 名前:邪神スピリットJ:2016/09/22 23:51:02.297 ID:t43rV0Uw0
- 寝床で、一つの布団にディアナとネプトゥーンは、くっついて入った。
ディアナは布団を仰向けになり、頭の後ろで手を組んでいると、ネプトゥーンがじっとディアナの顔を見た。
何か―――とディアナが問おうとするが、それは声にならなかった―――。
ネプトゥーン「ん……っ……」
ネプトゥーンは、ディアナの唇に自分の唇を重ねた。
ディアナ「――――はぁっ、んっ…」
柔らかな唇の感触が、ディアナの唇に伝わり、さらにネプトゥーンの柔らかな舌がディアナの舌をなぞった。
味わったことのない初めての感覚に、ディアナはそのまま、されるがままに舌を絡み合わされた。
- 18 名前:邪神スピリットJ:2016/09/22 23:51:40.883 ID:t43rV0Uw0
- 気が付くと、ディアナとネプトゥーンの口の間に唾液のアーチが出来ていた。
頬を紅潮させたネプトゥーンは、甘えた二つの瞳でディアナを見つめた。
ネプトゥーン「……その、好きな者とは、こうするのが、そのっ、習わしなのっ
あのっ、だからっ」
ディアナは、恥ずかしがりながら、そう答えるネプトゥーンを見て、其れが求愛行動だと理解し、
自身の仰向けに横たえた身体を起こして、ディアナは、ネプトゥーンの唇に自身の唇を重ねた。
- 19 名前:邪神スピリットJ:2016/09/22 23:54:58.354 ID:t43rV0Uw0
- ネプトゥーン「えー――?」
紅潮した頬のまま、困惑するネプトゥーンに、
ディアナ「―――なら、俺もそうした方がいいだろう
俺は、ネプトゥーンが好きなのだから――ね?」
―――そう告げた。
ディアナも、ネプトゥーンの血を貰った時に、恋心を覚えたからだ。
その後、二人は布団の中で、顔を見合わせ、互いに手を重ね、身体の距離を狭め、身体を重ね合った―――。
- 20 名前:社長:2016/09/22 23:55:51.769 ID:t43rV0Uw0
- 「ベッドシーンは?」「カットマン」
- 21 名前:社長:2016/09/25 03:47:10.442 ID:GWlG.Qno0
- http://dl1.getuploader.com/g/57e6c9f4-a2a8-40db-9db3-06cbb63022d0/kinotakeuproloader/864/%E3%81%B2%E3%81%A8%E6%99%82%E3%81%AE%E3%81%99%E3%82%8C%E3%81%A1%E3%81%8C%E3%81%84.txt
某氏の要望 ひと時のすれちがいのベッドシーンあり版
まあそこまですごいようなものではないけど。
- 22 名前:たけのこ軍 791の人:2016/09/25 19:48:02.493 ID:M5f5C5X.0
- ありがとう!満足!
- 23 名前:邪神スピリットJ:2016/09/26 00:22:46.343 ID:0mx6uDdw0
- 身体を重ね合った朝、ディアナは朝日が昇るぐらいの刻に起きた。
ディアナは、隣で眠っているネプトゥーンを見つめ、その寝顔をじっと見ていた。
百の年をとうに越している彼女は、自身が産まれ、家族と過ごした事などまるで覚えていなかった。
それに、昔から愛という事柄には興味はないまま生きてきた。
だが、今は、ネプトゥーンという存在が居る。
初めて恋心を覚えた人魚の、優しい寝顔が、何故か心を安らかにさせた。
- 24 名前:邪神スピリットJ:2016/09/26 00:23:20.089 ID:0mx6uDdw0
- そして、昨日の夜に身体を重ね合わせたまま、いつしか眠ったため、
二人とも生まれたままの姿であった事も相まって、昨夜の様に頬を桜色に染めた。
ネプトゥーン「あっ、あっ……その、こんな、慌てちゃって、えっとっ」
何とか言葉を紡ごうとするも、言葉にならない。
- 25 名前:邪神スピリットJ:2016/09/26 00:24:27.528 ID:0mx6uDdw0
- ディアナ「大丈夫―――俺は、ネプトゥーン、君の事が好きなんだ
慌てなくていい、離れたりもしないさ」
そんなネプトゥーンに、ディアナは優しい表情と共にキスをした。
ネプトゥーン「あ――」
ネプトゥーンの、糸が絡まり巻き付いて惑った心は、その言葉と行動で解け、気持ちが解れ――。
ディアナ「さ、服を着て、朝飯にしよう―――」
ネプトゥーン「うんっ!」
笑顔で、ディアナの言葉に応えられるようになった。
いつしか、空には朝日が昇っていた―――。
- 26 名前:邪神スピリットJ:2016/09/26 00:28:14.797 ID:0mx6uDdw0
- ――――それから、ディアナは、マタギの一員として狩りをしていた。
以前と違うことは、かつては専ら長老の依頼で狩りをしていたが、種族を問わず様々な存在から依頼を受けるようになったことだ。
また、ネプトゥーンは、ディアナと一緒に鍛錬するようになった。
その甲斐あってか、ディアナほどではないものの、鍛えた兵士に襲われた時に、即座に反撃できるほどの護身術が身に付いた。
最も――彼女は戦いが好きではないから、其れを積極的に使う事はなかった。
もっぱら彼女は、隠れ家を守り、家事を行い、時々食料の調達をしていた。
- 27 名前:邪神スピリットJ:2016/09/26 00:28:47.241 ID:0mx6uDdw0
- そして、時の流れと共に銃なる武器も作られた。
ディアナは、遠距離戦用の武器に才能があり、銃の其れも同じくあった。
銃は、攻撃射程距離を飛躍的に伸ばし、ディアナの武器として多く使われるようになった。
ディアナの才能は、唯上手いと言うだけではなく、
遠距離から、針の孔ほどしか見えぬ猛獣の急所を狙い撃ったり、枝葉で隠れた獣を読み撃ちする等、
常人では会得することのできない技術すら可能にするほどに、満ち溢れていた。
- 28 名前:邪神スピリットJ:2016/09/26 00:30:27.263 ID:0mx6uDdw0
- そうやって、二人は何年過ごしただろう―――。
狩りをする暮らしだけではなく、時には二人はぶらぶらと適当に旅をした。
美しい湧水のある農村、めっぽう強い巫女がならず者を倒した伝説のある村、甘くとろける、お菓子の本場の街―――。
その景色などに触れ、その土地のものを楽しみ、また、二人の愛の絆を、心で、身体で、確かめあったりもした。
- 29 名前:社長:2016/09/26 00:33:48.835 ID:0mx6uDdw0
- ディアナとネプトゥーンの関係というかコンセプトは、
仕事人間と専業主婦みたいな感じだけどディアナはフツウに家事はできる設定。
ちなみにディアナは大戦に参加したら普通にさくっと撃破王取れる実力があるらしい。
- 30 名前:邪神スピリットJ:2016/10/02 20:02:33.090 ID:7MO0iTZI0
- ――――ある日、ディアナは狩りの依頼を受けある山に来た。
標的はある【天狗】―――。人間を獲って喰うらしく、近隣の里の住人が多数死体で見つかったという。
また、きれいだと言われている女は死体すらも見つからないらしい。
里には【天狗】に立ち向かえる人間も居ないため、里の人間の一人が依頼し、ディアナがそれを果たしに行ったのだ。
- 31 名前:邪神スピリットJ:2016/10/02 20:02:54.063 ID:7MO0iTZI0
- ディアナは武器を懐に仕舞い、険しい岩山を身一つで登って行った。
山の中腹に辿り着いた時、何者かが来る気配を感じ、ディアナは、さっと岩陰に身を潜めた。
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