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きのたけWARS ss風スレッド

1 名前:きのこ軍 @移転作業中:2014/03/24 00:18:40.76 ID:L0nBYOkw
きのこ軍とたけのこ軍で"大戦"をすることで、時代が進むフシギな世界―
              ―きのこたけのこワールド―
最盛期は頻繁に大戦が行われ、お互いを憎みあい、お互いを意識し、撃破しあうことで、
兵士たちは情熱とやる気を保ち、世界は発展していった。

そんな栄光の時代も、今は昔。数多くの戦闘を経て、兵士たちはかつての大戦への熱気を失いつつあった。
大戦への希望と熱気で包まれていたかつての"大戦の歴史"は、
干満で怠惰が支配するものへと塗りかえられつつあった。

舞台は K.N.C歴175年。
ある日、大戦運営を管理する大戦会議所のもとに、記憶を失った
きのこ軍兵士とたけのこ軍兵士が流れ着く。
二人の兵士の登場を機に、大戦は徐々に熱気を取り戻し始める。

しかし、突然世界は意図せず"歴史"を塗り替え始める。
今現在の歴史だけではなく、過去の栄光までも無かったことにして、歴史を喰らう異型の存在――

                 ― “DB” が世界の前に立ちはだかった―


DBを討伐するため。大戦の"歴史"を取り戻すため。
そして自分たちの"存在意義"を知るため…
様々な想いを抱きながら、二人の兵士を始めとした会議所兵士たちは、
時空を越え、過去を取り戻す旅をする…
 

                    『きのたけWARS ~DB討伐~』


(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)

223 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 筍魂ちゃん弟子を取りたい編その7:2014/06/22 02:48:45.67 ID:4ZWBsheMo
筍魂「オニロは最近、何かに没頭しているようで。訓練には欠かさず参加しているけど、
以前ほどのキレはないそうだ。791さんも頭を抱えていたよ。これは大変なことやと思うよ」

アイム「…」

オニロは大戦年表漁りに没頭している。
地上でアイムが日課の昼寝を楽しむように、地下では日課の編纂室の濫読を楽しんでいる。

筍魂「別の趣味でも見つけたのかもしれんな。ただ、今こそオニロとの差をつけるいい機会なんじゃないか?」

筍魂「お前は強い。だが、俺ならお前をもっと強くしてやれるゾ」

アイム「…本当なのか?」

真剣な筍魂の言葉に、アイムの心は揺れ動く。
あと少し、あと少しで弟子になるゾ。
心のなかで小躍りをしながらアイムの反応を待つ筍魂だが、
アイムを弟子にとるのはいま暫く待たなくてはいけない。
アイムにとっても、筍魂にとっても、弟子を取る取らないは些細な問題であると
認識させるほどに、会議所を揺るがす大事件に巻き込まれていってしまうのだから。



事の始まりは、最も毛嫌いしていたあいつの叫び声だった。




オニロ「アイムーーーーーーーーーーーッ!!!!!大変だーーーーーー!!」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)

224 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 :2014/06/22 02:49:22.12 ID:4ZWBsheMo
【定期】筍魂、今日も失敗

225 名前:たけのこ軍 社長:2014/06/22 02:59:40.24 ID:/Mg51Rnw0
もつだぞ。

226 名前:791:2014/06/22 10:36:32.40 ID:NqhchxFEo
更新だ!!!
お疲れ様

>>219
これは酷いw

227 名前:誰か:2014/06/22 15:47:46.59 ID:MKhBubGw0
おつなのよー

228 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 異変序盤編その1:2014/06/22 16:02:49.43 ID:4ZWBsheMo
【K.N.C 180年 会議所 大戦年表編纂室】

最初に異変に気がついたのは、大戦年表編纂室に居た兵士だった。

アイムと筍魂が地上で談論している丁度その頃、アイムの予想通り、オニロは地下で
日課となった歴史書物の濫読をしている最中だった。
オニロの指定席は室内の入り口から左手前方の、“うねる”大戦年表に近い一角にある。
散らばっていた書物をかき分け、ようやく人一人分が寝転がれるほどのスペースを作り、
腹をきれいな床につける大勢で書物を読みあさっている。

編纂室は、オニロ以外には室長の集計班しかいない。その集計班は、
扉に背を向ける位置にあるロッキングチェアに腰掛け、物憂げに椅子を前後に動かしては軋ませている。
始めのうちはその音に辟易としていたオニロだが、最近では大分慣れた。
他に耳に届く音といえば、上空を動き回る筆記ペンたちだけだがそれは些細なものだ。
ちなみに大戦年表の傍に浮かんでいるオリバーという筆記ペンは、
他の筆記ペンたちと違いほとんど動かない。ちなみにオニロ命名だ。


229 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 異変序盤編その2:2014/06/22 16:06:19.26 ID:4ZWBsheMo
今日もオニロは編纂室内の資料を読み漁っている。
既に、大戦年表は読み終わった。今は、各大戦の“総評”に夢中だ。

オニロ「ふう!第100次あたりの総評まで読み終わりました。おもしろいなあ」

分厚い辞書のような総評記を静かに地面に置き、オニロはひと伸びした。

集計班「第100次あたりですか…その辺りだと、どんな出来事が起こっていましたっけ」

オニロ「はい。第100次あたりは、『スクリプト』からの脅威に、
会議所が断固として立ち向かってそれを撃破した時期です」

集計班「スクリプト、ですか。懐かしいですね」

オニロ「総評や年表には、スクリプトによって大戦の続行が不可能となり得る事態が相次いだが、
当時の会議所以下大戦兵士の結束のもと、スクリプトの攻撃を物ともせずに大戦を敢行した、とあります」

スクリプトとは一体何者なんでしょうか?
頭に疑問符を浮かべるオニロに、静かに集計班は答える。


230 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 異変序盤編その3:2014/06/22 16:07:16.88 ID:4ZWBsheMo
集計班「大戦の本当の“敵”ですよ」

オニロ「本当の?たけのこ軍からしたら敵はきのこ軍ですけど」

集計班「大戦を破壊せんとする、我々の敵のことです。
両軍に共通する大戦外に潜む敵ということです」

オニロ「呉越同舟ということでしょうか。その敵がスクリプトだというんですか?」

集計班「敵の一味ですよ」

オニロ「一味ということは…」

他にも敵がいるんですか。
そう続けて問おうとした瞬間、オニロは自分の身体が僅かにではあるが揺れていることを感じ、
そちらに気を引かれた。

オニロ「シューさん。この部屋、揺れてませんか?」

集計班「本当ですね。地震でしょうか?
でも、会議所の直下てプレートの境界ではないはずですから、地震なんてほとんど起きないはずなんですが」


231 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 異変序盤編その4:2014/06/22 16:10:00.43 ID:4ZWBsheMo
のんびりとした具合に長い時間をかけて微弱に震動する縦揺れが、
次第に激しさを増してくる。
激しい縦揺れだ。起き上がったオニロの身体が揺らぐ。
本当に会議所に大地震が訪れたのだろうか。

しかし、二人はすぐに地震でないことに気がついた。
部屋の物が全くと言っていいほどに揺れの影響を受けていない。
書籍の棚はまるでびくともしないし、テーブルの上に置かれた、息を吹けば吹き飛びそうな書物すら
張り付いたように動かない。

揺れているのは部屋ではない。
自分たち自身だ。

オニロ「うぐッ、あがあッ!!」

集計班「痛ッ!!頭がッ…!!」

酷い頭痛とともに、二人はその場に転がり落ちた。
脳がまるでミキサーにかけられたかのように激しく前後に揺れる。揺れる。


232 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 異変序盤編その5:2014/06/22 16:14:54.77 ID:4ZWBsheMo
三半規管が弱いオニロにとってはたまったものではない。
胃から逆流してくるモノをまき散らしたい気持ちを必死に抑えながら、
警笛のように繰り返し押し寄せる痛みを無視するように、頭をあげる。
集計班は椅子から転げ落ち、両手で頭を抑えながら必死に“地震”に耐えている。
揺れはまだ収まらない。それどころかなおも激しさを増している。

オニロは下唇を噛み締め、必死に理性を保った。
口中に血が滲むが、脳ミキサーの痛みに中和されてか全く痛みを感じない。
あまりの激痛に両目に涙が滲む中、オニロは状況確認のために、なおも頭を動かす。
筆記ペンたちは普段と変わらずに、忙しなく動き回っている。
まるで目の前の兵士の事情など知らないかのように、我関せずといったところか。
その光景は変わらない。いつもの光景だ。


否、違う。


涙と鼻水で視界がぼやけながらも、オニロははっきりと見た。
いつも大戦年表の傍を浮遊しているだけの怠け者の筆記ペン『オリバー』が、
激烈な速度を以って、大戦年表に自身の筆を動かしている光景を。
最後にその異様な状景を見届けるようにして、オニロは意識を手放した。



233 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 異変序盤編その6:2014/06/22 16:16:16.10 ID:4ZWBsheMo
━━
━━━━
━━━━━━━━


「…かった。…長年…ついに……やっと……」
―― 囁くような声を聞いて。ゆっくりと、夢の中で瞼を開ける ――

「…オー…結集……貴様を………掌握ッ………会議所を……」
―― 意識が定まらない、うすぼんやりとした感覚が身体を支配する ――

「貴様を……会議所の…全て断ち……」
―― どこか見覚えのある光景、覚醒しない脳を働かせようとする ――

「…ッここで………消える…」
―― 思い出すのは、暗い室内 ――

「………るく思うな…これも…全て……ため…歴史を……ため」
―― 思い出すのは、異様なまでに冷えた部屋の空気 ――

「覚悟……逃げること……………なッ!…自ら……馬鹿なッ…」
―― 思い出すのは、ふわふわ浮いているような不思議な心地良い感触と ――

「なぜだッ!!!なぜ!!!!なぜだーーーーーーーーッ!!」


          ―― 頭を鈍器で殴られたような酷く重たい感触 ――


234 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 異変序盤編その7:2014/06/22 16:17:47.37 ID:4ZWBsheMo
━━━━━━━━
━━━━
━━


「…てください。大……すか?オニロ…オニロ君!」

オニロはゆっくりと目を覚ます。
酷く不快な気分だ。頭がぐわんぐわんと揺れている。
視点が定まらない。身体と心が乖離しているかのように、まだ夢の中にいるようだ。

集計班「大丈夫ですか、オニロ君ッ!」

オニロ「!!」

集計班の言葉で、オニロはハッと意識を戻した。

集計班「ここがどこだかわかりますか!?」

オニロ「シューさん!あれから一体どうなったんですか!?」

集計班は困ったように首を横にふった。

集計班「わかりません。何も変わっていないようなんです。
“何も変わっていないことが問題”なんです」


235 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 異変序盤編その8:2014/06/22 16:20:31.39 ID:4ZWBsheMo
オニロはよろよろとその場で立ち上がり部屋を見回す。
別段、奇妙な地震を経て部屋に変わった点は見られない。
特定の本棚の本が崩れ落ちたりしているが、それは元々片付けていなかったためであって
揺れによるものではない。
筆記ペンたちもまるで地震などなかったかのように、素知らぬ顔で作業を続けている。
忙しなく動き回るペンたち。そしていつも通り働かずに大戦年表の傍で
ふわふわと浮遊しているオリバー。オリバー。

オニロ「そ、そういえばシューさん!オリバーが、オリバーがッ…ぐッ、頭がッ」

集計班「オニロさん!大丈夫ですか!!くそッ、なんなんだ一体」

その場で蹲って気を失ったオニロが回復するのには更に幾ばくの時を要した。

236 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 異変序盤編その9:2014/06/22 16:22:58.63 ID:4ZWBsheMo
オニロ「ありがとうございますシューさん。お陰で大分良くなりました」

集計班「それはよかった。しかし、先ほどの地震はおそらく精神攻撃の類いか何かか」

オニロ「今までにそういった攻撃に合われたことは?」

集計班「いえ、ありません。だとしたら、新手の荒らしか。地上は大丈夫だろうか」

オニロ「地…上。シューさん、地上にはまだ確認しにいってないんですか?」

集計班「え、ええ。まだです。同胞が同じような目にあってないといいんですが…」

オニロ「ボク確認してきます!確認してこなくちゃ!」

集計班の返事を待たずに、オニロは立ち上がり部屋から駆け出す。

集計班「あっ、待ってくださいよ。ああ、行ってしまった」

集計班「そういえば先ほど、彼は何を言いかけたんだろうか。
たしか、『オリバー』と口にしてたか。ふむ…」



オニロ「アイムーーーーーーーーーーーッ!!!!!大変だーーーーーー!!」


237 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者:2014/06/22 16:25:54.85 ID:4ZWBsheMo
きのたけくん。今日のボツ文章よ。

//
オニロ「シューさんていつもいますね」
集計班「まあこの部屋の室長を任されていますしね」
オニロ「まさか会議の時以外はずっとこの部屋にいるんですか?」
会議以外で、地上で集計班を見かけたことはほとんどない。
集計班「ははっ、まさか。ちゃんと地上にも自分の部屋はありますよ」
オニロ「そうですか」
後に編纂室内に簡易ベッドとキッチンが取り付けられていることを知ったオニロは、
その先を聞くことが怖くなりこれ以上の追求をやめた。
//


238 名前:791:2014/06/22 18:23:34.88 ID:NqhchxFEo
更に更新!?
ボツ文章も面白いv

239 名前:たけのこ軍 社長:2014/06/22 23:28:27.18 ID:/Mg51Rnw0
いいぞ。

240 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議招集編その1:2014/06/24 00:22:18.49 ID:Hyd.T8PYo
【K.N.C 180年 会議所 教練所 中庭】

アイム「はぁ?超巨大地震だあ?」

オニロ「そうなんだ!いや、厳密には地震じゃないんだけど、頭に直接働きかけてくる地震というか、
身体がガクガクと揺れる感触というか」

アイム「さっぱりわからん」

筍魂「これはオニロ語検定1級じゃないと理解できんやろなあ」

オニロ「と、とにかく二人に怪我はないですか?」

アイム「ああ、ないな。そもそもお前の言っている地震なんてなかったわけで」

筍魂「せやな」

アイム「というかその地震てのをどこで体験したんだ?」

オニロ「え。ああ、それはね。えーと…」

チラリと筍魂を見るオニロ。ただならぬ雰囲気を察した筍魂は、クールに踵を返した。

筍魂「あー、邪魔したなアイム。また明日来るわよ」
アイム「二度と来ないことを願う」


241 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議招集編その2:2014/06/24 00:24:23.34 ID:Hyd.T8PYo
筍魂の姿が遠くなっていくのを確認し、オニロはアイムに詰め寄る。

オニロ「じ、実は大戦年表編纂室にいたんだ!」

アイム「やっぱりな。どうせそんなところだろうと思った。あと、離れろ。暑苦しいし近い」

興奮するオニロを宥め、アイムは先を促す。

アイム「それで?編纂室にいたら、シューさんと二人で奇妙な地震に遭遇したと?」

オニロ「そうなんだよ。まるで脳がシェイクされるみたいな激しさでさあ。すごい気持ち悪かったよ」

今も気持ち悪いけどね。
げんなりとした顔で語るオニロに、アイムは露骨に嫌悪感を示し距離をじりじりと取る。
目の前で吐かれてはたまったものではない。

アイム「まさか寝ぼけていたなんてことじゃないだろうな?」

オニロ「違うよ!近くにいたシューさんも体験していたんだ!」

アイム「わかったから少し落ち着け。ツバを飛ばすな」

顔に飛び散ったツバを拭き取り、アイムは静かに嘆息する。

アイム「はぁ…オレも編纂室に行く。シューさんに会って、状況を聞いてみないとさっぱりわからん」

オニロ「ありがとうアイム!さあそうと決まれば行こうよ!」

そう告げるや否や走りだすオニロに、アイムは再び嘆息した。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)

242 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議招集編その3:2014/06/24 00:26:09.23 ID:Hyd.T8PYo
【K.N.C 180年 会議所 大戦年表編纂室】

集計班「…つまり、地上では何の異変も起きていなかったということですね?」

アイム「ああ。オレや筍魂は勿論のこと、wiki図書館周辺だけの局地的現象の線も考えて、
参謀にも聞いてみたが答えは同じだった」

オニロ「どういうことだろう。シューさんが言っている『荒らし』による仕業だとするならば、
編纂室だけを狙い撃ちにするなんて可能なんですか?」

集計班「この部屋の存在を知っている兵士は限られています。
外部の者による犯行の可能性は限りなく低いと言っていいでしょう」

オニロ「じゃあいったい…」

集計班「…少し気になることがあるので、先ほど個人的に少し調べていたんですが」

集計班は両手を突き出し、大戦年表を引き寄せる。何かを探すように、集計班は大戦年表に隈なく目を通す。
オニロとアイムは不思議そうに集計班を見つめている。
暫くして、集計班の動きが止まった。


243 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議招集編その4:2014/06/24 00:27:36.59 ID:Hyd.T8PYo
集計班「これだ。
…オニロ君、君は言っていましたよね。
『第100次大戦付近ではスクリプトによる荒らしが頻発したが、
会議所・大戦兵士は屈せずにスクリプトを追い出した』、と」

オニロ「は、はい。言いました。それがなにか…?」

集計班「私もその当時の大戦に参加しているので、うっすらと覚えていますが、
君が言った通りだったと思います。
確かにスクリプトの襲来は何度か受けましたが、大戦は荒らしが原因で中止になった大戦は
ただの一度だけです」

オニロ「はい。年表にもそのように書いてあったと思います。
確かK.N.C86年の大戦、初めてスクリプトが大戦場に襲来した時です」

アイム「おいあんたたち、一体なんの話をしているんだ」


244 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議招集編その4:2014/06/24 00:29:49.52 ID:Hyd.T8PYo
集計班「そうです。K.N.C86年に一度大戦は中止になっている…年表にもそう記述されています」

オニロ「スクリプト襲来を受けて、会議所はすぐさま対処策を取ったはずです。
事実、次の大戦からはスクリプトの攻撃に大戦兵士は耐えぬいている
スクリプトによって大戦が中止になったのは第86次大戦だけのはずです」

集計班「私もそう記憶しています…では、ここのK.N.C89年の大戦項目を読み上げてくれませんか?」

緊張した面持ちで集計班は年表をオニロに渡す。
頭に疑問符を浮かべながらもオニロは受け取り、当該年度の記述部分を探す。
アイムも横から年表を眺める。

オニロ「えーと。あ、あったあった。

『K.N.C89年 第89次きのこたけのこ大戦 
再びスクリプトが襲来し、大戦場は再びパニックに陥る。大戦を一時中断し、
両軍合わせてスクリプトの迎撃に当たったが、前回の比ではない程の大量のスクリプト来襲にて、
已む無く大戦を中止。
兵士の避難にあたる』


…え!?」


245 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議招集編その6:2014/06/24 00:32:58.25 ID:Hyd.T8PYo
オニロは当該部分をもう一度読み直す。
オニロの記憶が正しければ、第89次大戦は『再びスクリプトが襲来し、
大戦場は一時パニックに陥るものの、予てより準備していたスクリプト迎撃部隊が撃退。
大戦は無事進行した』と書いてあったはずだ。
いたく感動した記述なので印象も強い。

オニロ「おかしいです!こんな記述はなかったはずです!」

集計班「はい、なかったはずです。ですが、いつの間にか当該年度の記述が
書き換わってしまっている。地震による気絶から立ち直った時、オニロ君。
君はオリバーについて何か言おうとしていましたね?」

アイム「は?オリバー?なんだそれ」


246 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議招集編その7:2014/06/24 00:34:51.47 ID:Hyd.T8PYo
オニロ「あ、はい。そうだ思い出した!シューさん、ボク見たんです!
あの地震が起こっている時にいつもほとんど働いていないオリバーが
忙しなく大戦年表に向かっているところを!」

集計班「わかりましたから落ち着いてください。ツバが飛んでいます」

だが、概ね私の読みは外れていないようです。
冷静に顔にかかったツバを拭き取りながら、集計班はチラリと自動筆記ペン『オリバー』を一瞥する。
うねる大戦年表の傍に寄り添うように位置していたオリバーは、いまは所在なげにふわふわと浮かんでいる。

集計班「オリバーは本来、年度の節目に、その年に起きた事件・出来事をまとめて大戦年表に記載します。
そのため、オリバーが働いていないというオニロ君の評価は少し的外れではあります」

集計班「オリバーは怠け者のようでいて、その実どの筆記ペンよりも重要な任務を請け負っています。
すなわち、 『大戦年表を更新する』 という大事な任務をです」

アイム「だあああああ!どういうことか説明しろッ!」


247 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議招集編その8:2014/06/24 00:37:13.46 ID:Hyd.T8PYo
大戦年表は、きのたけ世界の歴史そのものである。

大戦年表に書き込まれた内容が、きのたけ世界の歴史を作り上げる。
その大戦年表の記述が何らかの理由をもってして書き換わったとしても、
きのたけ世界の歴史は大戦年表の記述に否応なしに“従わなければならない”。

つまり、大戦年表の記述が書き換わる時、すなわちきのたけ世界は記述内容に沿う形で
“歴史を改変”することになるのである。

248 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議招集編その9:2014/06/24 00:39:08.62 ID:Hyd.T8PYo
オニロ「そんな…まさか…」

アイム「にわかには信じがたいな…つまり、あんたたちが体験した地震が
原因で歴史が改変された。そう言いたいんだな、シューさん?」

集計班「さすがはアイム君です。これはあくまで予想に過ぎませんが、
地震が発生したと同時に― いえ正確には地震ではないでしょう、
“時空震”の発生と同時に、自動筆記ペンオリバーが大戦年表の事実を書き換えた。
そして大戦年表の記述に則って、世界の歴史が瞬時に改変されたのです。
この説明ならいろいろと納得がいきます」

オニロと集計班は、世界の歴史改変の際に生じる“時空震”に遭遇したと、
そう集計班は主張しているのである。

オニロ「大戦年表の記述が書き換わるなんて…ん?」

アイムと集計班の話に若干置いてけぼりを食らいそうになりながら、
大戦年表の当該年度を眺めていたオニロは小さく声を上げた。
急いで大戦年表を頭上に持ち上げ、何かを精査するように確認する。


249 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議招集編その10:2014/06/24 00:40:57.83 ID:Hyd.T8PYo
集計班「どうしましたかオニロ君」

オニロ「シューさん。ここ、見てください。第89次きのこたけのこ大戦の記述箇所。
ここおかしくないですか」

集計班「どれどれ…」

先ほど、集計班により記述の改変が確認された第89次きのこたけのこ大戦。
あらためて見てみると、該当箇所の文字が、周りに記述されている文字よりも赤みががって見える。
まるで赤鉛筆で元ある文字を上からなぞったかのように、薄ぼんやりとした赤文字だ。

集計班「本当ですね。記述部分の文字が赤みがかっている。
先ほど見た時は、陰が暗くて確認できなかったけど…」

アイム「ちょっと待ってくれ。オレにはちっとも赤く見えないんだが」

集計班「!!」

オニロ「え。ほら見てよアイム。この『再びスクリプトが襲来し~』の行からだよ」

アイム「いや。周りの文と何ら違いがあるようには見えないな」

オニロ「そ、そんな…」

集計班「…なるほど、そういうことか」

集計班は何かに納得するかのように独りごちた。二人が怪訝な顔を向ける。


250 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議招集編その11:2014/06/24 00:42:02.72 ID:Hyd.T8PYo
アイム「どういうことだシューさん」

オニロ「なにかわかったんですか?」

集計班「この予想が当たっているかどうかわかりませんが、もし私の読みがあたっているとするならば、
事態はめんどうなことになります」

アイム「ええい、じれったい。早く言ってくれ」

集計班は静かに二人の方へ向き直る。

集計班「差し当たっては、会議所兵士に今回の出来事を伝えなくてはいけない。可及的速やかに」

集計班「アイム君。申しわけありませんが、すぐさま緊急会議の招集を会議所中に伝えて回ってください」

アイム「わかった。議案サロンに集めればいいんだよな、行ってくるッ」

集計班「待ってください。緊急会議は議案サロンで行いません」

251 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議招集編その12:2014/06/24 00:43:15.27 ID:Hyd.T8PYo
オニロ「え?だって会議はいつもそこで行っているじゃないですか」

集計班「会議サロンはもう今後、使うことはないでしょう」

アイム「なら、どこに集めろってんだよ」

集計班「…ここです」

アイム「は?」

集計班「会議の議長としてここに宣言します。

 『発1801号 
  K.N.C180年の時空震事件を以って、緊急会議を執り行うことをここに通知する。
  会議場 大戦年表編纂室』!!」


252 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議招集編その12:2014/06/24 00:43:40.82 ID:Hyd.T8PYo
次回から大戦年表編纂室でニートとなる兵士が現れます。お見逃しなく。

253 名前:たけのこ軍 社長:2014/06/24 00:46:35.13 ID:FjXNs..s0
もつだぞ。

254 名前::2014/06/24 00:47:31.06 ID:Y00rdCz.o
おつおつ

255 名前:誰か:2014/06/24 00:48:02.45 ID:ewTmfDvw0
おつなのよー

256 名前:791:2014/06/24 03:22:07.86 ID:90Rdw6WYo
また更新!
お疲れ様です

257 名前:きのこ軍:2014/06/26 16:08:41.23 ID:5dwxYtPA0
テンポが悪すぎるks

258 名前:きのこ軍 滝本:2014/06/26 18:34:34.80 ID:5dwxYtPA0
↑こいつ最高に作者自身(AA略

259 名前:DB様のお通りだ!:DB様のお通りだ!
DB様のお通りだ!

260 名前:DB様のお通りだ!:DB様のお通りだ!
DB様のお通りだ!

261 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議編その1:2014/07/01 01:31:36.18 ID:o0V7PjsUo
【K.N.C 180年 会議所 大戦年表編纂室】

参謀「ほー。ここが年表編纂室か。うわ、きたなっ」

¢「ぼくの部屋と似たかおりを感じるんよ」

社長「社長の部屋はバグってますぞ」

たけのこ軍 斑虎「こんな隠し部屋があったなんて。水臭いじゃないですかシューさん」

加古川「蒐集家にとってはたまらない部屋だな…」

知らせを聞いた兵士たちは、さまざまな感想を述べながら編纂室へ足を踏み入れ、
続々と編纂室の大テーブルに集まっていく。
アイムとオニロは違和感を感じざるを得ない。どうして、自分たちにひた隠しにするように言っていた編纂室を
こうもあっさりと開放しているのか。
集計版の意図が読めない。

集計班「さて、全員集まりましたかね。おやおや、椅子も人数分あったようでこれは僥倖」

人数分丁度の椅子に兵士が座りきったのを確認して、いつもの席に集計班は腰を下ろした。

参謀「しかし意外やな。この部屋は他の兵士には伝えないて、過去に言うてなかったか?」

アイム「そうだな。突然ここに全員を集めるなんて、どういう風の吹き回しだ?」

社長「つるはし!なう」

集計班「まあ落ち着いて。今から詳しい事情をお話します」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)

262 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議編その2:2014/07/01 01:34:03.54 ID:o0V7PjsUo
たけのこ軍 加古川「まさか、歴史が書き換わったなんて…」

きのこ軍 ¢「…それは本当なのか、集計さん」

集計班「私とオニロ君で、時空震を確認しています」

社長「かぁー!原因は!どこじゃー!」

¢「あ?大戦はスクリプトに潰されたんよ。
一度だけじゃなくて、その次の大戦もな。スクリプトに僕たちは手を焼かされたんよ」

社長「なんどもおな」

集計班「それはおかしい。¢さんとは、つい最近にもスクリプト問題について話し合ったはずです。
酒の席で、あなたは『スクリプトの攻勢にすぐ対処した会議所の功績は永遠に誇るべき』だと
声高に言っていたじゃないですか」

¢「そんなこと言った記憶ないし、そもそも覚えてないんよ…」

参謀「でも、歴史が書き換わったなんてどうやって認識するんや?
聞けば、シューさんとオニロは大戦年表の記述が書き換わったことを“確認”した。
ただ、それだけで歴史が改変されたとは断定できんやろ」

きのこ軍 someone「確かにそうですね。言い方が悪いですが、シューさんたちが
勘違いをしているだけの可能性もあるのでは」

たけのこ軍 791「“勘違い”というのは、シューさんたちが主張している『時空震』なんてなかったってこと?」

someone「…そうです。ふたりとも寝ぼけていただけ、とか」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)

263 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議編その3:2014/07/01 01:36:23.31 ID:o0V7PjsUo
集計班「まあまあ落ち着いて。あくまで証明材料の一つに過ぎませんが、この大戦年表を見てください」

そう告げ、オニロが指摘した改変記述の書式の違いについて集計班は説明する。

集計班「私とオニロ君は、この第89次きのこたけのこ大戦の記述箇所が、
赤く滲んでいるように見えています。みなさんはどうですか」

しかし、大戦年表に顔を近づける他の兵士はしきりに困惑するばかりである。

社長「くろいよお」

きのこ軍 黒砂糖「これは…別段、変わってないように見えるが」

アイム「だよな」

集計班「ははあ、やはりそうですか」

参謀「どういうことやシューさん」

社長「ネン ッ ッッ!!」

264 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議編その4:2014/07/01 01:39:28.50 ID:o0V7PjsUo
集計班「地上にいる兵士たちの誰もが大戦年表の記述の変化に、なにより歴史の改変に気づかない。
ただ、編纂室にいた私とオニロ君だけが唯一知覚・記憶している。これから示しだされる結論はただひとつ」

たけのこ軍 抹茶「…編纂室にいたシューさんたちだけが歴史改変の影響を『受けず』に、
改変前と改変後の歴史の記憶を有している。
地上にいる兵士たちは歴史改変によって、改変前の記憶を『上書き?かなにか』され、
改変後の歴史しか持っていない。そういうことですか?」

集計班「抹茶君の言うとおりです。私の予測が正しければ、
              編纂室にいれば『歴史改変の影響を受けない』。
脳シェイクという大きな代償を背負いますが、記憶も勝手に上書きされることはない」

社長「ちなみにまあ嘘だけどね^^」

しかし、集計班の言葉に他の兵士はなおも難色を示す。

きのこ軍 きのきの「でも、俺たちは歴史の改変を自覚していない。
いくらシューさんたちがそう主張したところで、納得はできない。
シューさんが証明の一つとして提示した年表記述だって、俺たちは知覚することすらできていないんだ」

たけのこ軍 椿「それを信じろというのは難しい話です。
それこそ、someoneさんがおっしゃっていたように二人とも寝ぼけていただけという可能性もある」

オニロ「そ、そんなことないです!ボクとシューさんはこの場で実際に体験したんです!
脳がまるでミキサーにかけられたかのように揺れて…揺れたんです。そう、揺れたんです。おそらく、きっと…」

筍魂「こいついつも自信なくしてんな」

265 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議編その5:2014/07/01 01:45:56.60 ID:o0V7PjsUo
完全に『編纂室派』の兵士と『地上派』の兵士で対立を深める中、
アイムは部屋の空気を敏感に感じ取り、会議の舵を切ることにした。

アイム「まあ双方ともに落ち着いたほうがいいんじゃないか。
つまり、オレたち含めた『地上派』兵士の言い分はこうだよシューさん。
『そんなに言うなら、いっそあんたたちが言っている時空震とやらを見せてくれ』とな」

社長「キャーー アイムくんすてきーー」

アイム「うるせえ叩き斬るぞ」

参謀「アイムの言うとおり、それが一番手っ取り早いやろな。
そもそも、いったいどこで歴史改変が行われたのかはまだわからんのやろ?
この編纂室内が震源かもしれんし、あるいはまったく別の場所が元凶かもしれないわけやし」

¢「会議所内で歴史を改変できるほどの能力を持つ兵士はいない。あの791さんだって無理だ」

791「え、私は極普通の一般会議所兵士だよ?」

オニロ「…」

筍魂「おっ、そうだな」

¢「歴史改変が行われたという確固たる証拠を見ないと、俺たちも納得出来ないな」

アイム「ふむ…」

会議は平行線を辿る、かのように見えた。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)

266 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議編その6:2014/07/01 01:47:46.01 ID:o0V7PjsUo

次の瞬間。


たけのこ軍 特攻隊長「…ん?なんかくらくらする?」

特攻隊長が軽く頭を抑える。

たけのこ軍 ビギナー「大丈夫ですか?多分、この部屋の空気が身体に悪いのかも」

忌々しげにビギナーが目の前のホコリを手で振り払う。
視界を狭めている靄の大半が塵とホコリで占められたものだとは信じたくない。

加古川「…いや、違う。これは…」

アイム「…地震だ!!」


アイムが叫んだのと同時に、『時空震』が姿を現した。

267 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議編その7:2014/07/01 01:49:44.99 ID:o0V7PjsUo
黒砂糖「なんだこの感触は!ぐっ、立ってられないッ!!」

社長「6月2日に 体が動かない!」

参謀「なんやこれ!こんな経験初めてやぞッ」

アイム「がああああああああ!頭が割れるッ」

まるで全身に酔いが回った時のように、目の前の視界がぐにゃりと歪む。
と、同時に二日酔いの頭痛を百倍程度増幅させた痛みが、一律に全員に押し寄せる。
部屋は阿鼻叫喚に包まれる。
時空震は全員の叫びを楽しむかのように、ますます揺れを強めた。

268 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議編その8:2014/07/01 01:50:57.89 ID:o0V7PjsUo
オニロ「これだよッあの時もこの現象が起きたんだッ!ネッ、嘘じゃなかっただろアイム!」

アイム「わかった!わかったからお前は近づいてくるなッ!」

地面を這ってアイムに近づいてくるオニロを振りほどく余裕もなく、
アイムはその場で頭を抱えてこの最悪の時間が流れすぎるのを待つ。

オニロ「みんな見て!大戦年表の方を!オリバーがッ!」

大戦年表が置かれている台座では、大戦年表のお抱え自動筆記ペン『オリバー』が、
目にも留まらぬ早さで大戦年表に向かって筆を動かしている。

¢「…あれが…あれが歴史改変なのかッ」

オニロ「ぐっ。あれで年表の記述を変え…オエッ」

アイム「おいそれ以上喋るな口を開けるな。吐くなよ絶対吐くなよッ!!!」

集計班「みなさん!もう少しの辛抱です!オエエ」

269 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議編その9:2014/07/01 01:52:51.61 ID:o0V7PjsUo

時空震の後の編纂室は、それは悲惨な状況だった。
兵士は全員その場で倒れ伏せ、起き上がるまでに数十分のインターバルを要した。
ノロノロと起き上がった兵士が最初にしたことは、トイレへの短距離走だった。
本棚の脇に簡易ベッド・キッチン・トイレといったひと通りの生活空間が用意されていたのは、
兵士たちにとっては幸運だった。この際、なぜ編纂室に生活空間が用意されているかは言明しない。

― まずは目の前の異変に対処するべきだ。 ―

兵士たちの心はその瞬間ひとつになり、胸の中の異変を目の前の便器にありったけ吐露した。

270 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議編その10:2014/07/01 01:54:48.27 ID:o0V7PjsUo
【K.N.C 180年 会議所 大戦年表編纂室】

集計班「…みなさん無事ですか」

アイム「…これが無事に見えるなら、脳だけじゃなく眼球までミキサーされちまったんじゃねえか」

兵士は椅子に身を投げ出しぐったりとしている。オニロと集計班だけが、
二度目の体験ということもあってか他の兵士よりも幾分か生気を保っているようにみえる。

集計班「信じますか…?私とオニロ君が言っていることが真実だったと」

参謀「信じるほかないやろこんなん…」

たけのこ軍 山本「あー気持ち悪ッ」

アイム「てめえのおっぱいでも揉んで気を和らげたらどうだ、鬼教官さま」

山本「…」

オニロ「シューさん。大戦年表を確認しましょう」

集計班「そうしましょう」

集計班は大戦年表を近づけ、二人で目を凝らして改変の跡を探し始める。

271 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議編その11:2014/07/01 01:56:33.41 ID:o0V7PjsUo
集計班「…¢さん。第37次大戦を覚えていますか?」

¢「そんな昔のこと覚えてないんよ」

社長「まさか ソン・ウか!?」

集計班「大戦開始時に集計係がいなくて、会議所内部で混乱した時です」

¢「ああ。思い出したわ。確かじゃがバターさんが急遽集計係を務めてたな。
あの人、いまどこにいるんだ」

集計班「そうです。一つ確認させてください。
スクリプトが初めて大戦に登場したのは第86次大戦。
それ以前に、荒らしは一度足りとも大戦に襲来したことはない。これは合っていますか?」

¢「そのとおりだな。そんな大昔まで大戦が危機に晒されたことはないはず」

集計班「そうですか。では第37次大戦の記述を読み上げます。

『第37次きのこたけのこ大戦
近辺の大戦の中で一番に勢いがあったとされる大戦とされる。
推定勢い37000。
集計じゃがバター兵士を過労死させる速度で大戦は進んでいったが、
大戦終盤に突如としてスクリプト荒らしが襲来。
突然の出来事に、大戦兵士は何もできずに大戦場から撤退。
撤退時に統率が揃わずに、二次混乱を引き起こした会議所に、大戦後に多数の苦情が寄せられた。
会議所の信用はこの大戦を機に影を落とすこととなった。』」

272 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議編その12:2014/07/01 01:58:59.71 ID:o0V7PjsUo
¢「!!」

抹茶「ちょっと待って下さい。その大戦に参加していましたが、シューさんがおっしゃるような記憶はありません。
じゃがバターさんが過労死ギリギリの状態で集計を最後まで全うしたはずです」

黒砂糖「そうだ。会議所の信用が落ちる、だと…?そんなことその時代には無かったはずだ」

社長「なかった崎哲夫」

791「まさか…」

テーブルの上に大戦年表が広げられる。
全員が顔を近づける。
そこには先ほどまでほとんどの兵士には見えなかった、赤鉛筆でなぞったかのように赤く滲んだ文字が、
くっきりと紙面に映って見えていた。

273 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 :2014/07/01 02:03:32.59 ID:o0V7PjsUo
会議所編はもうちょっとだけ続くんじゃ。

◎簡単なまとめ
集計「脳ミキサーされたわ。これぜってー歴史変わったわ。編纂室にいたから、俺わかるんだよ。つれーわ、いてーわ
歴史の変わり目に立ち会っちゃったわー」
オニロ「ですです」
 : 編纂室にいた兵士。編纂室だけが『歴史の改変を受けない場所』だと主張。

アイム「は?なにいってだこいつ」
someone「寝ぼけてたんじゃないの(嘲笑」
参謀「胡散臭いしまず部屋汚いわ」
 : 地上にいた兵士。編纂室派の主張を妄想かなにかと推定。困惑しまくり。
↓ 地震
アイム「やっぱり歴史改変されてたわ」
791「私は最初から弟子のいうことを信じてたよ!(マジキチスマイル」
¢「歴史変わってんだけど」
 : 全員が歴史改変を経験。編纂室の主張が正しかったよ…

274 名前:たけのこ軍 社長:2014/07/01 02:04:20.88 ID:BGCFXlOM0
もつだぞ。社長うざくていいすね

275 名前:誰か:2014/07/01 07:00:02.60 ID:TUN2KDAU0
おつなのよー。嘲笑とか……私らしい

276 名前::2014/07/01 07:48:28.92 ID:9Bpl1z56o
おつんもつん

277 名前:筍魂:2014/07/01 21:31:06.00 ID:JB3.KqiMo
魂もウザくていいぞ~これ

278 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 :2014/07/04 23:57:53.98 ID:6QmvZOW6o
http://dl1.getuploader.com/g/kinotakeuproloader/378/card-28.jpg

279 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 原因究明その1:2014/07/12 02:45:08.11 ID:oXMbbybgo
【K.N.C 180年 会議所 大戦年表編纂室】

歴史改変が決定的となったいま、会議所兵士たちは目の前の出来事を一つずつ分析していくことにした。

参謀「改変された年表記述には決まって『スクリプト』が登場しているんやな」

参謀の言うとおり、歴史が改変された年には決まってスクリプトが大戦に登場している。
― スクリプト。
異型なる存在であるスクリプトが最初に大戦に姿を現したのは、正史によるとK.N.C86年の大戦中である。
ある一人の兵士が『ばかでかい小蝿』と表現したように、スクリプトはか細くかつ不快な奇声を発しながら
大戦場を飛び回っていた。

全身をガラクタのような機械で覆い、羽音と奇声が入り混じったような超音波を発し続けるそれに、
多くの兵士は不快の色を示したが、ほとんどは気にすることなく戦い続けた。
会議所の開発した集計ツールの一種かなにかだと勘違いされたからだ。
遡ることK.N.C42年頃に加古川が公開した集計ツール(仮)は、
目の前を飛び回るスクリプトと引けをとらないぐらいに不格好なものだった。
兵士たちはその前例を引き合いに出し、どうせまた会議所がわけわからんモノを作ったんだろう、
という会議所にとっては不名誉な結論に落ち着いた。

280 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 原因究明その2:2014/07/12 02:49:36.81 ID:oXMbbybgo
スクリプトが大戦に牙を剥いたのは、それからほどなくのこと。
時が来たとばかりに、スクリプトは広大な大戦場に響き渡る大きさで叫び始めた。
あまりの不快な音波に、思わず兵士は耳をふさぐ。
言葉にならない言葉を叫びながら、兵士の戦意を削ぐには十分すぎるほどの勢いで
スクリプトは大戦場を飛び回り続ける。可聴域ギリギリの周波数帯での大音響攻撃は、
兵士たちの精神を絶え間なく攻撃し続けた。

台本を読み上げるように、朗々とスクリプトは解読不能な言葉を叫び通す。
一定周期ごとに叫び終えたら、もう一度最初から。
繰り返し決まった言葉を叫び続けることから、後にその小蝿は“スクリプト”と名付けられた。
小賢しく動き回るスクリプトを尻目に、何もできないまま兵士たちは大戦場を後にした。
大戦の初めての敗北だった。



アイム「はぁ、なるほど。それからスクリプトはどうなったんだ?」

集計班「K.N.C89年に再度現れましてね。今度は対処策を取っていたので、
責任をもって我々の手でスクリプトを捕まえましたよ」

まあ、歴史改変の影響でこのあたりの認識が皆さんと私とで違うとおもいますが。
そう断った上で、集計班はスクリプトに関して話を続ける。

281 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 原因究明その3:2014/07/12 02:51:11.98 ID:oXMbbybgo
集計班「スクリプトは結局ただの愉快犯だったんです。人々の苦痛の表情を見て、それを餌に活動していたようで。
大戦を狙ったのも、ただ兵士が多く集まっていてより多くの苦しみを得られそうというしょうもない理由からです」

オニロ「実際にスクリプトがそう話したんですか?」

参謀「あくまで推測や。断片的にしか喋らんから、理解するのに苦労したわ」

集計班「まあそんなことが判明した後に、私たちはスクリプトを幽閉することにしたんです」

アイム「幽閉?どうしてその場で破壊しなかったんだよ?」

山本「あれ?俺たちにも当時はスクリプトを破壊したって言ってませんでしたっけ?」

282 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 原因究明その4:2014/07/12 02:59:48.41 ID:oXMbbybgo
集計班「この部屋の存在をみなさんに黙っていたことを一つ目の秘密だとすれば、
スクリプト幽閉は二つ目の秘密ですね」

肩をすくめる集計班。その態度に、さして罪悪感を感じているようには見えない。

参謀「スクリプトは『自我をもった機械』だったんや。スクリプトを解析すれば、
当時未完成だった集計ツールの進展に繋がると思うたんや。
みんなに秘密にしてたのは騒ぎを広めないため」

このことは『きのこ三古参』とツール開発師の抹茶しか知らん。
三古参たる参謀、¢、集計班と抹茶はお互いに顔を見合わせた。

791「それで、成果はどうだったの?」

抹茶「正直、あまり参考にはなりませんでした。そもそもバラして中身見ようとしても暴れるし」

791「あらら。それじゃあ捕まえた意味はなかったんだ」

アイム「…なあ。そのスクリプトって今も捕らえられたままなのか?」

参謀「ああ、そのはずやが…アイム、お前まさか」

アイム「…閉じ込めていた檻から動物が逃げ出すってのは、ありえることなんじゃないのか?」

283 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 原因究明その5:2014/07/12 03:05:20.23 ID:oXMbbybgo
【K.N.C 180年 会議所 大戦年表編纂室】

スクリプトを確認しにいった¢は、最悪の知らせとともに、
ものの数分で編纂室に帰ってきた。

¢「…スクリプトがいない。脱走したんだ」

多くの兵士が天を仰いだ。

参謀「ということは、脱走したスクリプトが、過去の大戦のアチコチに現れて歴史を改変しているってことか?」

ビギナー「スクリプトに時をかけることが可能だと?」

参謀「わからん。なにせ、スクリプト自体が常人じゃ理解できないほどの複雑な機構で作られているらしいんや。
仮に、そんなことができたとしても不思議やない。」

¢「…」

¢は、青ざめた顔で呆然と周りの話を聞いている。

284 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 原因究明その6:2014/07/12 03:07:10.77 ID:oXMbbybgo
オニロ「¢さん、どうしたんですか。顔面がブルーですよ」

社長「青天の霹靂だぜ。」

¢「…」

なおも押し黙る¢。その顔色は冴えない。

集計班「¢さん。なにか他にも話があるようですね」

社長「俺の名前は前田停学……」

集計班に促され、¢はゆっくりと話し始める。今起きている出来事を自分自身であらためて確認するように。

¢「…俺はスクリプトが幽閉されている檻を見に行った」

アイム「それは知ってるよ。スクリプトはいなかったんだろ」

筍魂「アイムはせっかち」

285 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 原因究明その6:2014/07/12 03:12:24.04 ID:oXMbbybgo
¢「スクリプトはいなかった。飼っている檻から動物が逃げ出したんよ」

アイム「それも聞いた。いったいなにが言いたいんだ」

眉をひそめるアイム。

¢「…会議所がスクリプトという“猛獣”を飼っていたとするなら、
会議所はもう一匹“怪物”を飼っていた」

参謀「…まさかッ!」

参謀が何かに気づいたかのように声を荒げる。

参謀「嘘やろ¢ッ!」

アイム「は?檻はスクリプトを閉じ込めるだけ。一つだけじゃなかったのかよ」

スティーブ「檻は二つあったってことかよッ!」

¢「猛獣は逃げ出した。そして、隣の檻の…“怪物”も逃げ出していた」

怪物、という響きに兵士たちがざわめく。

286 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 原因究明その8:2014/07/12 03:13:56.52 ID:oXMbbybgo
加古川「檻が二つとも、壊されていたということなのか…!!」

オニロ「そ、その“怪物”とはいったいなんなんですか?」

恐る恐るオニロが訊く。
¢からの答えは単純明快。わずか一言だった。
しかし、その一言は人々を恐怖のどん底に叩き落とすには十分すぎる威力を持っていた。


¢「DB<ダイヴォー>」

アイム「え…」

¢の口から出たその単語は、まるで魔術を含んだように、部屋の空気を一瞬で凍らせた。


社長「…DB」

参謀「なんてことや…」


¢「堅牢な檻から獰猛な動物が二匹解き離れた。
1匹目は愉快犯 スクリプト、
そしてもう1匹は…邪悪の権化 DB<ダイヴォー>」

287 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者:2014/07/12 03:17:47.98 ID:oXMbbybgo
動物園と化した会議所。

スクリプトイメージ図
http://dl6.getuploader.com/g/kinotakeuproloader/390/card-2.jpg

288 名前::2014/07/12 11:46:23.07 ID:8g2EyaoYo

いやああああああDBいやああああああああ

289 名前:たけのこ軍 社長:2014/07/12 21:36:26.68 ID:52nOBk.w0
ついに…

290 名前:きのこ軍 滝本:2014/07/13 13:32:36.96 ID:D/8hvJd20
忘れていた残りの人物紹介その1

・791
たけのこ軍兵士。
希代の大魔法使いとしてたいへん著名な兵士。両軍から恐れられているが、本人は
自分はフツウの兵士だと主張し周りを戦慄させている。
大戦の参加歴は古参兵と比べると浅いが、会議所への
貢献度では引けをとらない。
オニロの師匠であり、オニロを攻撃タイプ型魔法使いへ極める張本人。
本編でコーヒーを飲んでいるシーンがあったが、それはメロンソーダへと脳内変換してください。

・山本
たけのこ軍兵士。本名ペーペー山本。
新米兵士の教官として、指導者として日々汗を流す。一部からは鬼教官と呼ばれるほど。激しいシゴキが有名。
K.N.C175年の、鉄のカーテン<ペティコート>作戦発案でたけのこ軍を勝利へ導いており、
戦術家としての一面ものぞかせる。
そんな大戦の裏方から戦闘までを支える山本であるが、裏の顔は宗教家。
「乙牌教」の教祖として、乙牌に異常なほどの熱意を見せている。
乙牌チェックはもはやライフワークとなっており、時には愛弟子を見捨ててまでも
乙牌に情熱を燃やす。
アイムの最初の師匠。だが、途中で愛想をつかされてしまい、アイムの成長は筍魂に託すことになる。

残りはまたいつか。



291 名前:791:2014/07/13 14:00:41.93 ID:w7xfZJYQo
更新おつ!

クリームソーダ飲みたくなってきたな
>>290
フツウの兵士だよ?

292 名前:DB様のお通りだ!:DB様のお通りだ!
DB様のお通りだ!

293 名前:DB様のお通りだ!:DB様のお通りだ!
DB様のお通りだ!

294 名前:DB様のお通りだ!:DB様のお通りだ!
DB様のお通りだ!

295 名前:DB様のお通りだ!:DB様のお通りだ!
DB様のお通りだ!

296 名前:791:2014/07/16 23:46:10.71 ID:Fk/2a0loo
削除がいっぱいあって、ストーリー中逃げ出したはずのDBが、その辺歩き回ってるみたいで面白い

297 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者:2014/08/19 20:03:58.08 ID:QuPwy//Yo
1ヶ月も更新がないだって?ハハッワロスワロス

298 名前:791:2014/08/19 21:21:16.90 ID:z4cZzf7wo
首を長ーーーーくして待ってます!

299 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者:2014/08/30 01:53:20.60 ID:PIM5.dsYo

~簡単なあらすじ~
会議所「過疎で苦しんでるぞ~誰か助けて~」
占い師社長「そのうち救世主くるぞ」
きのこ軍 アイム&たけのこ軍 オニロ「記憶喪失でなんだかわからんけどたどり着いたぜ」
会議所「救世主やん!こいつらスターにして大戦に活気を取り戻すぞ!」
と思ったら、勝手に歴史が変わっちゃいまいた(テヘペロ ←いまここ

300 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 DB討伐し隊編その1:2014/08/30 01:55:51.53 ID:PIM5.dsYo
DB<ダイヴォー>
きのこたけのこ大戦の負の象徴として君臨し続ける、きのこたけのこ大戦史上最凶の兵器である。
その姿を見る者、声を聞く者全てに不快感と嘔吐感を与える恐怖の大王は、
K.N.C28年に何の前触れもなく、兵士たちの前に姿を現した。
語ることすら憚れるような歪で醜穢な外見、鼻がひん曲がるような体臭。ひとたび口を開ければ、
まるで毎日生ゴミしか口にしていないんじゃないかと疑うほどの悪臭。

DBはきのこ軍・たけのこ軍兵士たちにとって正に「不幸」そのものだった。
DBの侵略を食い止めるべく、お互いを憎悪していた両軍が一時同盟を締結し、討伐戦を行い見事撃退したほどだ。
その後DBは度々大戦の合間を狙っては兵士たちの前に現れ、その度に討伐戦が発生し、
きのたけ連合軍に撃退されるようになった。

301 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 DB討伐し隊編その2:2014/08/30 01:58:02.05 ID:PIM5.dsYo
たけのこ軍 埼玉「DBが逃げ出したということは大変な事態たま」

たけのこ軍 椿「最後のDB討伐戦が行われたのはいつでしたっけ」

たけのこ軍 オニロ「年表ではK.N.C132年に最新のDB討伐戦が行われて、それ以後DBに関する記述はありません」

きのこ軍 黒砂糖「…DBはその討伐戦の時に、会議所が捕まえた。そして、スクリプトと同じように地下に幽閉したんだ」

たけのこ軍 加古川「しかしスクリプトとDBが同時に逃げ出したということは、両者が手を組んでいるということは十分に考えられるな」

たけのこ軍 社長「DB君どこですか~^^」

ただでさえ近年は大戦の関心度・士気が下がっている中で、DBが人里に出現したとなれば、
人々の不安は煽られ、より一層の大戦離れが起こりかねない。
それだけは大戦を運営する会議所からしたら、なんとしても避けたい事態だった。
すぐに、人里にDB捜索隊&救援隊を派遣する。
参謀はいの一番にそう主張し、ほとんどの兵士が賛同したが、ただ一人集計班だけはその案に異を唱えた。

302 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 DB討伐し隊編その3:2014/08/30 02:00:49.84 ID:PIM5.dsYo
きのこ軍 集計班「…連絡は少し待ったほうがいいとおもいます」

きのこ軍 アイム「…」

たけのこ軍 社長「アイム君 誰でもいい!!はいってくれ!!」

きのこ軍 参謀「なんでや。DBとスクリプトが逃げ出したていうんは、会議所や大戦にとって非常事態を指す。
早急に対処しないと大変なことになるで」

きのこ軍 集計班「我々会議所兵士の役目は“大戦の遂行”。
いま兵士の皆さんたちに事の次第を説明すれば、無用な混乱を招くだけでしょう」

きのこ軍 参謀「つまり周りには黙って、ワイらだけで事態の対処に当たるちゅうことか?それはおかしいでシューさん」

きのこ軍 アイム「…」

たけのこ軍「アイム!わかっているのか!おい!」

それまで呆然としていたアイムは社長の言葉に驚き咄嗟に立ち上がってしまった。全員の視線がアイムに集中する。
アイムは頭をフル回転させ、最適な言い訳を考えた。

きのこ軍 アイム「…ちょっと新種のスクワットを試そうと思って」

たけのこ軍 筍魂「おっ、そうだな」

赤面しながらおずおずと席に座るアイム。
もちろん、元凶となった社長を睨むのは忘れない。
しかし、バグった顔の社長にはそもそもどこに眼や鼻がついているのかもわからない。
仕方なくアイムは社長の眼がついていると思わしき顔の中央部、とりわけモザイクが多くかかった箇所を睨み続けた。

303 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 DB討伐し隊編その3:2014/08/30 02:05:30.38 ID:PIM5.dsYo
DB<ダイヴォー>という言葉を耳にした瞬間、アイムはまるで金縛りのように硬直したまま動けなくなってしまった。
DBという存在自体を今初めて知った。そんな単語すら聞いたこともない。
アイムは自らの記憶を探り、そう結論付ける。しかし、身体は“覚えている”。

今の自分が知りえなくても、過去の自分は覚えている。
自分の心と身体が相反している状況に、アイムは背筋が寒くなった。
咄嗟に同じ記憶喪失仲間のオニロを見やる。
オニロはアイムのように金縛りにあったりはしていないようだったが、
いつもの柔和な笑顔はなりを潜め、目を細めて思案しているようだった。

アイムの奇行で、場の雰囲気が乱れてしまい長い沈黙となって襲いかかる。
誰も喋り出せずにいるこの状況に罪悪感を覚えたのかはたまた耐え切れなくなったのか、
アイムが自分で会議を再開することにした。

きのこ軍 アイム「…DBとスクリプトってのが手を組んでるとして、オレたちだけで対処可能な敵なのかそれは?」

きのこ軍 集計班「可能です」

たけのこ軍 社長「ちなみにまあ嘘だけどね^^」

社長の言葉をいつも通り無視して集計班は語り始めた。
DB討伐複数小隊の結成。
詰まるところ、集計班の主張はこうだった。
きのこの山、たけのこの里、大戦世界に広がる未開の地、そして会議所。
この4方面にそれぞれDB討伐隊を派遣して、DB・スクリプトの捜索及び捕獲を行うというのだ。
そして、この作戦は会議に集まっている会議所兵士だけで行われるべきで、
一般兵士に無用な心配をかけさせないための配慮だというのだ。

304 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 DB討伐し隊編その3:2014/08/30 02:10:47.62 ID:PIM5.dsYo
きのこ軍 参謀「シューさんの考えは分かったが…隊を無駄に分けすぎちゃうんか?
確かに捜索には多方面同時進行作戦が一番やと思うが」
腑に落ちないでいる参謀を始めとした兵士たち。

きのこ軍 集計班「結局、会議所に駐留する以外の小隊については、
DB・スクリプトが見つかるまでの斥候と思っていただければ幸いです。
目標を捉えた時点で、残りの部隊も合流して叩けばいいのです」

たけのこ軍 ビギナー「DBを捕獲する、と言っていたけど斃さないの?」

きのこ軍 集計班「DBは狡猾で逃げ足がとにかく早い。幾度となくヤツと対峙しましたが、
瀕死の重傷を負わせることは出来れども、あと一歩のところでとどめを刺そうとすると逃げてしまう。
そんなヤツなのです」

DBのしぶとさは過去の歴史が既に証明している。討伐戦全てで、会議所側はDBに勝利し撃退こそすれど
討伐は叶わなかったのだ。
最後の討伐戦でようやく捕獲した時も、会議所側が想定していたよりも酷く時間がかかった。
捕獲こそ可能であれど、討伐にはさらなる時間と人員を要する。
そのような手間は欠けられないと集計班は暗に語っているのである。

305 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 DB討伐し隊編その6:2014/08/30 02:16:14.95 ID:PIM5.dsYo
たけのこ軍 加古川「だが、捉えたとしても今みたいにまた逃げ出してしまうリスクが有るんじゃないのか。
ならば、もういっそ討伐してしまったほうが…」

加古川の意見ももっともである。結局、DBやスクリプトが脱走した原因は未だに突き止められていない。
そのような状況下で捕獲して幽閉したとしても、再び脱走するだけではないか。
加古川の言葉に多くの兵士が賛同しようとしたその時――

きのこ軍 ¢「いや、捕獲するべきだ」

それまで終始黙っていた¢が静かにそう告げると、部屋はシンと静まり返った。
¢の言葉には、常人には表現できないような使命感とそれをも上回る焦燥感が入り交じっていた。
そしてその言葉に込められたいずれの思いも、他の兵士には理解できないものだった。
あるいは数人は彼の思いを理解していたのかもしれない。その一人が集計班だった。

集計班がチラと¢に目配りをする。二人の視線が一瞬交差する。
アイムは二人のなんでもない所作が気になった。

きのこ軍 集計班「DBは討伐せずに捕獲するようにしましょうか。余裕があれば討伐ということで。
まあまずは発見が先ですがね。いったいどこにいるのやら…」



緊急会議はその場で一時閉会した。
DB討伐隊は参謀指揮の下、すぐさま各小隊が編成され出発した。
アイムも、きのこの山方面部隊の一員として加わっていた。
一方、オニロは会議所部隊として大戦年表編纂室の「留守番」を言いつけられた。

306 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 DB討伐し隊編その7:2014/08/30 02:18:46.91 ID:PIM5.dsYo
きのこ軍 参謀『誰かが必ず編纂室に残っていなきゃいかんやろ。
全員がこの部屋を出払ったら、誰が歴史の改変を認識できるねん』

参謀はオニロにそう言い残し、部屋を去っていった。
オニロと集計班以外の会議所兵士は編纂室から続く階段を上がり、地上に戻っていった。

地上の彼らは、何者かによって行われている歴史改変を知る由もなく動き回る。
唯一その改変を知りえるのは、編纂室でじっとしている地下部隊だけ。
そして、編纂室で開かれる会議で地下部隊が、前回の会議から今回までに発生した
歴史改変の事実を伝えることで、初めて全員で情報を共有し合えるのである。

つまり地下部隊は、「歴史の生き証人」「一連の事件の監視者」として重要なポジションを担っているのだ。
思いの外重要な役職についてしまったとオニロが気づいた時には、
既にほぼ全員が地上に戻ってしまった後のことだった。

たけのこ軍 オニロ「もしかして…すごく重要な役職を任されてしまったんでしょうか?」

きのこ軍 集計班「まあ押し付けられたともいいますね」

集計班とオニロは苦笑して、これから幾度も味わうであろう脳シェイクに辟易とした。

307 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 DB討伐し隊編その7:2014/08/30 02:19:30.86 ID:PIM5.dsYo
更新終わり

これから、オニロ君はジメジメとした地下で脳シェイクを味わい続けるニートと化します。

308 名前:社長:2014/08/30 02:20:28.86 ID:DqpsOhiQ0
もつだぞ

アア、オワッタ………!!

309 名前:791:2014/08/30 02:24:23.70 ID:7Uhk.AVoo
お疲れ様!
社長どんな顔してるんだろう…

310 名前:社長:2014/08/30 02:33:15.64 ID:DqpsOhiQ0
非常に気持ち悪いにしきがお説

311 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 DB捜索会議編その1:2014/08/31 01:06:27.74 ID:8UdQd0uUo
【K.N.C 180年 会議所 大戦年表編纂室】

前回の緊急会議招集から数日経った後、
各部隊の定例報告を目的に再び会議所兵士たちは編纂室に集結した。

きのこ軍 集計班「では…会議を始めましょう」

掠れた声で集計班がそう宣言し、会議は始まった。
既にオニロと集計班はここ数日で少なくとも5回は歴史改変による脳シェイクを味わっている。

きのこ軍 参謀「DBとスクリプトは依然行方不明や。両軍の人里でも密かに捜索を続けたが、
DBたちが現れた形跡がない」

きのこ軍 アイム「つまり、DBたちは『未開の地』に逃げ込んだ可能性が高いってことか」

たけのこ軍 791「でも、もし『未開の地』に逃げ込んだとしたら、すごく厄介なことになるよね」

きのこたけのこ大戦世界では、会議所を中心とした時、
西部方面にはきのこの山が、東部方面にはたけのこの里が広がり、
そこにそれぞれの軍の兵士の一大集落を構え生活している。
会議所から見て、北方方面は険しい山々が構える山岳地帯であり、辺り一帯は樹海が広がっている。
北方方面一帯は『未開の地』とされ、大戦が続けられる中でいわば「タブー」とされてきた土地である。

312 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 DB捜索会議編その2:2014/08/31 01:09:17.87 ID:8UdQd0uUo
未開の地に逃げ込んでいるという可能性は、多くの兵士が懸念している事態ではあったが、
その事実が明るみになったことで、兵士たちの焦りの色はより一層濃くなった。

しかし、ただ一人、オニロだけはその話を聞き、興奮げに事態を打開する一言を述べた。

たけのこ軍 オニロ「DBたちの居所がわかったかもしれません!」

きのこ軍 参謀「ほんまかいな」

DB討伐隊長の参謀は目を丸くして続きを促した。
オニロは円卓テーブル上に、すっと一冊の本を置いた。
『きのたけ見聞録』と書かれた古びた本である。

たけのこ軍 オニロ「少しでも手がかりはないかと思って、編纂室の書物を読み漁ったんです」

たけのこ軍 抹茶「内容は…冒険書ですか?」

きのたけ見聞録。
KNC暦初期に書かれたこの本は、きのこたけのこ大戦世界上の各地を一人の冒険者が
見聞したものが編纂された旅行記である。
きのこの山、たけのこの里、会議所は勿論のこと、
当時未踏の地であった極寒のシベリア地方(両軍の兵士を罰するために送られていた流刑地 現在は観光地)や、
いま兵士たちが情報を欲している未開の地に関してまでもが詳細に記されている。

313 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 DB捜索会議編その2:2014/08/31 01:13:11.89 ID:8UdQd0uUo
たけのこ軍 抹茶「すごい本じゃないですか…でもそんな本の名前、聞いたこともなかった」

きのこ軍 集計班「誰も地図上の歴史に興味を示さなかったために
本の存在価値が薄れてしまっていたことが一つ。
なにより、当時の識者たちがこの本を丸っきりの出鱈目が書かれた書物だとして、
端から評価の対象にしていなかった」

きのこ軍 きのきの「え、どうして?」

きのこ軍 集計班「…単純な歴史書物とは評価し難い『重大な欠陥」があったからですよ」

きのこ軍 アイム「欠陥?落丁とかか?」

オニロは静かに首を振り、ボロボロになった本のページを大事そうにめくる。

314 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 DB捜索会議編その4:2014/08/31 01:16:35.66 ID:8UdQd0uUo
冒険書の保存状況は酷いものだった。四隅についている銀の留め具は原型を留めないほどに溶けて形を変え
本にこびりつき、金で刻印されていただろう表紙の文字・ロゴはススや埃ですっかりと隠れてしまっている。

きのこ軍 アイム「なんでそんな汚えんだよ…」

たけのこ軍 加古川「留め具や金箔が溶けているしススばかりだし、
過去に火災にでも見舞われた本なのかね?」

たけのこ軍 オニロ「ありました。このページです」

多くの兵士がオニロの下に集まり、冒険書を覗きこむ。
ヨレヨレになったページには、「未開の地」というタイトルの下に、鉛筆で簡単な風景画が描かれていた。
生い茂っている森に、明らかに人工と思わしき鳥居が森の奥まで列をなして立ち並んでいるという、
自然の中に人工物が混ざり合う奇妙な風景画だ。

315 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 DB捜索会議編その5:2014/08/31 01:17:35.31 ID:8UdQd0uUo
きのこ軍 ¢「鳥居…?」

たけのこ軍 オニロ「該当部分の記述を読み上げますね。」

『「未開の地」に関して興味深い話を耳にした。
とんがり帽子のような山々が連なる群峰の麓に広大な樹海が広がっていることは既に前項で述べたが、
その一角に【彷徨いの森】と近隣住民が呼んでいる森林地帯がある。森の内部には無数の道が存在し、
ある道を進んでいくとまた無数の道に分岐、進んだらまた分岐…と言った具合に正に天然の迷路となっている』

きのこ軍 アイム「それがどうしたってんだ」

たけのこ軍 筍魂「アイムはせっかち」

たけのこ軍 オニロ「続き、読みますね」

316 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 DB捜索会議編その6:2014/08/31 01:20:25.22 ID:8UdQd0uUo
『さて、入ったら二度と出て来られないと言われる彷徨いの森だが、
先祖代々森の近くに住んでいるご老人から伺った話によると、
どうやらある法則に従って分岐される道を進んでいくと森の【出口】に辿り着くというのだ。

その法則に従って最後の道を進んでいくと、木々で覆われていた森を抜けて、突然開けた場所に出る。
その場所には、今まで聞こえなかった小鳥のさえずりも、今まで森に隠されていたお日様をいっぱいに浴びて
花を咲かせる草木も茂る、楽園のような場所だ。
さらにその楽園を奥に進んでいくと、大量の鳥居が我々冒険者を出迎える。
鳥居はまるで道案内のように綺麗に立ち並び、冒険者を【宝の山】まで案内する。』

『鳥居に導かれて、目の前にある扉を開けると、
そこには過去と現在を自由に行き来することができる
タイムマシンフロア――宝の山――が広がってるというのだ。』

きのこ軍 参謀「!!タイムマシン、やと…!」

たけのこ軍 抹茶「なんと…」

317 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 DB捜索会議編その7:2014/08/31 01:24:46.43 ID:8UdQd0uUo
たけのこ軍 オニロ「
『宝の山とはタイムマシンのことだ。
なぜ、このような場所にタイムマシンが存在するのかはわからないが。
タイムマシンで現在と過去を自由に行き来できるということは、つまり過去の歴史を好き勝手に弄れるということだ。
私には過去改変による歴史の整合性や、倫理観などには専門家のようにとうとうと意見を述べることはできないが、
単純にタイムマシン自体には冒険家としての興味を惹かれる。

タイムマシンフロアがあるという話は、聞く者にとってはただの法螺話に聞こえるかもしれないが、
私はご老人の話してくれた内容を信じたい。
いつか、彷徨いの森を抜けて宝の山を見つけ出すことが私の夢であり冒険家としての終着点でもある。

タイムマシンフロアといちいち呼称するのは、どうも夢がない。
この際、この場を借りて、私自身がこの宝の山の名称を決めたいと思う。

私が夢を追い求める時間は限られている。その限られた時間の中で私は必ずや探しだしてみせる。


―――― 【時限の境界】


自身の決意を込める意味で、
魔法のタイムマシンフロアを以後こう呼びたいと思う。』

318 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者:2014/08/31 01:27:07.81 ID:8UdQd0uUo
更新してから、社長の台詞を入れ忘れてしまったと気づく。書きやすいと思ったわけだ(棒
ついに会議編は終わり、冒険がスタートする!?

319 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者:2014/08/31 01:28:41.59 ID:8UdQd0uUo
誤字だらけだなあ直したいけどもういいや

320 名前:791:2014/08/31 19:48:16.41 ID:HKw8Mxt6o
更新お疲れ様!

321 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 未開の地突入編その1:2014/09/10 20:15:32.14 ID:qehF/lNwo
【K.N.C 180年 北方方面『未開の地』】

きのこ軍 アイム「ここが誰も足を踏み入れたことのない場所か…」

数時間かけて辿り着いた鬱蒼とした山林地帯を前にして、アイムは止めどなく流れだす汗を腕で拭い取った。

きのこ軍 参謀「『きのたけ見聞録』によると、この森を北方方面にさらに数時間進むと、
件の『彷徨いの森』があるらしい」

手元にある見聞録を大事そうに眺めながら、参謀は森のなかを指さした。

アイム「森のなかにさらに森があるのかよ…」

たけのこ軍 ジン「そこに、『時限の境界』だったっけ?があるんすよね?」

きのこ軍 ¢「疲れたんよ。こんなに歩いたのは久しぶりなんよ。お家が恋しいんよ」

新生DB討伐部隊は、未開の地突入を前に小休止を取っていた。
DB討伐部隊の設立には、少し時間を遡る必要がある。


322 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 未開の地突入編その2:2014/09/10 20:18:41.57 ID:qehF/lNwo
━━━━
━━

【K.N.C 180年 会議所 大戦年表編纂室】

きのこ軍 参謀「一連の不可解な歴史改変、示し合わせたかのようなDBとスクリプトの逃亡、
そしてタイムマシンフロアを言われる『時限の境界』の存在。
これは、DBたちが『時限の境界』を見つけて、そこで歴史改変を行っているということに
他ならないちゅーことやないか?」

たけのこ軍 791「でも、『時限の境界』が存在する保証なんてあるの?」

たけのこ軍 社長「ゴクウの とほほほほ」

きのこ軍 アイム「この本には『重大な欠陥』がある。シューさんはそう言った。
つまり、まるでお伽話のような眉唾ものの『時限の境界』を、
さも存在するかのように語ってしまっていることで、
この本の歴史的書物としての価値は著しく下がっているってことだろう?
つまり、少なくとも当時の兵士たちは『時限の境界』なんて信じてなかったってことさ」

きのこ軍 集計班「アイム君の言うとおりです。
事実、この本の発表当時から識者の間では物議を醸し、結果として著者は表舞台から姿を消しています」

たけのこ軍 社長「時の流れは速い。ガムテープみたいにな」

たけのこ軍 オニロ「あるかもわからないタイムマシンフロア目指して、命がけで探す覚悟があるか…」

社長を除いて、編纂室は再び長く重い沈黙に包まれた。


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