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きのたけWARS ss風スレッド
- 1 名前:きのこ軍 @移転作業中:2014/03/24 00:18:40.76 ID:L0nBYOkw
- きのこ軍とたけのこ軍で"大戦"をすることで、時代が進むフシギな世界―
―きのこたけのこワールド―
最盛期は頻繁に大戦が行われ、お互いを憎みあい、お互いを意識し、撃破しあうことで、
兵士たちは情熱とやる気を保ち、世界は発展していった。
そんな栄光の時代も、今は昔。数多くの戦闘を経て、兵士たちはかつての大戦への熱気を失いつつあった。
大戦への希望と熱気で包まれていたかつての"大戦の歴史"は、
干満で怠惰が支配するものへと塗りかえられつつあった。
舞台は K.N.C歴175年。
ある日、大戦運営を管理する大戦会議所のもとに、記憶を失った
きのこ軍兵士とたけのこ軍兵士が流れ着く。
二人の兵士の登場を機に、大戦は徐々に熱気を取り戻し始める。
しかし、突然世界は意図せず"歴史"を塗り替え始める。
今現在の歴史だけではなく、過去の栄光までも無かったことにして、歴史を喰らう異型の存在――
― “DB” が世界の前に立ちはだかった―
DBを討伐するため。大戦の"歴史"を取り戻すため。
そして自分たちの"存在意義"を知るため…
様々な想いを抱きながら、二人の兵士を始めとした会議所兵士たちは、
時空を越え、過去を取り戻す旅をする…
『きのたけWARS ~DB討伐~』
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
- 254 名前:虎:2014/06/24 00:47:31.06 ID:Y00rdCz.o
- おつおつ
- 255 名前:誰か:2014/06/24 00:48:02.45 ID:ewTmfDvw0
- おつなのよー
- 256 名前:791:2014/06/24 03:22:07.86 ID:90Rdw6WYo
- また更新!
お疲れ様です
- 257 名前:きのこ軍:2014/06/26 16:08:41.23 ID:5dwxYtPA0
- テンポが悪すぎるks
- 258 名前:きのこ軍 滝本:2014/06/26 18:34:34.80 ID:5dwxYtPA0
- ↑こいつ最高に作者自身(AA略
- 259 名前:DB様のお通りだ!:DB様のお通りだ!
- DB様のお通りだ!
- 260 名前:DB様のお通りだ!:DB様のお通りだ!
- DB様のお通りだ!
- 261 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議編その1:2014/07/01 01:31:36.18 ID:o0V7PjsUo
- 【K.N.C 180年 会議所 大戦年表編纂室】
参謀「ほー。ここが年表編纂室か。うわ、きたなっ」
¢「ぼくの部屋と似たかおりを感じるんよ」
社長「社長の部屋はバグってますぞ」
たけのこ軍 斑虎「こんな隠し部屋があったなんて。水臭いじゃないですかシューさん」
加古川「蒐集家にとってはたまらない部屋だな…」
知らせを聞いた兵士たちは、さまざまな感想を述べながら編纂室へ足を踏み入れ、
続々と編纂室の大テーブルに集まっていく。
アイムとオニロは違和感を感じざるを得ない。どうして、自分たちにひた隠しにするように言っていた編纂室を
こうもあっさりと開放しているのか。
集計版の意図が読めない。
集計班「さて、全員集まりましたかね。おやおや、椅子も人数分あったようでこれは僥倖」
人数分丁度の椅子に兵士が座りきったのを確認して、いつもの席に集計班は腰を下ろした。
参謀「しかし意外やな。この部屋は他の兵士には伝えないて、過去に言うてなかったか?」
アイム「そうだな。突然ここに全員を集めるなんて、どういう風の吹き回しだ?」
社長「つるはし!なう」
集計班「まあ落ち着いて。今から詳しい事情をお話します」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
- 262 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議編その2:2014/07/01 01:34:03.54 ID:o0V7PjsUo
- たけのこ軍 加古川「まさか、歴史が書き換わったなんて…」
きのこ軍 ¢「…それは本当なのか、集計さん」
集計班「私とオニロ君で、時空震を確認しています」
社長「かぁー!原因は!どこじゃー!」
¢「あ?大戦はスクリプトに潰されたんよ。
一度だけじゃなくて、その次の大戦もな。スクリプトに僕たちは手を焼かされたんよ」
社長「なんどもおな」
集計班「それはおかしい。¢さんとは、つい最近にもスクリプト問題について話し合ったはずです。
酒の席で、あなたは『スクリプトの攻勢にすぐ対処した会議所の功績は永遠に誇るべき』だと
声高に言っていたじゃないですか」
¢「そんなこと言った記憶ないし、そもそも覚えてないんよ…」
参謀「でも、歴史が書き換わったなんてどうやって認識するんや?
聞けば、シューさんとオニロは大戦年表の記述が書き換わったことを“確認”した。
ただ、それだけで歴史が改変されたとは断定できんやろ」
きのこ軍 someone「確かにそうですね。言い方が悪いですが、シューさんたちが
勘違いをしているだけの可能性もあるのでは」
たけのこ軍 791「“勘違い”というのは、シューさんたちが主張している『時空震』なんてなかったってこと?」
someone「…そうです。ふたりとも寝ぼけていただけ、とか」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
- 263 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議編その3:2014/07/01 01:36:23.31 ID:o0V7PjsUo
- 集計班「まあまあ落ち着いて。あくまで証明材料の一つに過ぎませんが、この大戦年表を見てください」
そう告げ、オニロが指摘した改変記述の書式の違いについて集計班は説明する。
集計班「私とオニロ君は、この第89次きのこたけのこ大戦の記述箇所が、
赤く滲んでいるように見えています。みなさんはどうですか」
しかし、大戦年表に顔を近づける他の兵士はしきりに困惑するばかりである。
社長「くろいよお」
きのこ軍 黒砂糖「これは…別段、変わってないように見えるが」
アイム「だよな」
集計班「ははあ、やはりそうですか」
参謀「どういうことやシューさん」
社長「ネン ッ ッッ!!」
- 264 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議編その4:2014/07/01 01:39:28.50 ID:o0V7PjsUo
- 集計班「地上にいる兵士たちの誰もが大戦年表の記述の変化に、なにより歴史の改変に気づかない。
ただ、編纂室にいた私とオニロ君だけが唯一知覚・記憶している。これから示しだされる結論はただひとつ」
たけのこ軍 抹茶「…編纂室にいたシューさんたちだけが歴史改変の影響を『受けず』に、
改変前と改変後の歴史の記憶を有している。
地上にいる兵士たちは歴史改変によって、改変前の記憶を『上書き?かなにか』され、
改変後の歴史しか持っていない。そういうことですか?」
集計班「抹茶君の言うとおりです。私の予測が正しければ、
編纂室にいれば『歴史改変の影響を受けない』。
脳シェイクという大きな代償を背負いますが、記憶も勝手に上書きされることはない」
社長「ちなみにまあ嘘だけどね^^」
しかし、集計班の言葉に他の兵士はなおも難色を示す。
きのこ軍 きのきの「でも、俺たちは歴史の改変を自覚していない。
いくらシューさんたちがそう主張したところで、納得はできない。
シューさんが証明の一つとして提示した年表記述だって、俺たちは知覚することすらできていないんだ」
たけのこ軍 椿「それを信じろというのは難しい話です。
それこそ、someoneさんがおっしゃっていたように二人とも寝ぼけていただけという可能性もある」
オニロ「そ、そんなことないです!ボクとシューさんはこの場で実際に体験したんです!
脳がまるでミキサーにかけられたかのように揺れて…揺れたんです。そう、揺れたんです。おそらく、きっと…」
筍魂「こいついつも自信なくしてんな」
- 265 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議編その5:2014/07/01 01:45:56.60 ID:o0V7PjsUo
- 完全に『編纂室派』の兵士と『地上派』の兵士で対立を深める中、
アイムは部屋の空気を敏感に感じ取り、会議の舵を切ることにした。
アイム「まあ双方ともに落ち着いたほうがいいんじゃないか。
つまり、オレたち含めた『地上派』兵士の言い分はこうだよシューさん。
『そんなに言うなら、いっそあんたたちが言っている時空震とやらを見せてくれ』とな」
社長「キャーー アイムくんすてきーー」
アイム「うるせえ叩き斬るぞ」
参謀「アイムの言うとおり、それが一番手っ取り早いやろな。
そもそも、いったいどこで歴史改変が行われたのかはまだわからんのやろ?
この編纂室内が震源かもしれんし、あるいはまったく別の場所が元凶かもしれないわけやし」
¢「会議所内で歴史を改変できるほどの能力を持つ兵士はいない。あの791さんだって無理だ」
791「え、私は極普通の一般会議所兵士だよ?」
オニロ「…」
筍魂「おっ、そうだな」
¢「歴史改変が行われたという確固たる証拠を見ないと、俺たちも納得出来ないな」
アイム「ふむ…」
会議は平行線を辿る、かのように見えた。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
- 266 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議編その6:2014/07/01 01:47:46.01 ID:o0V7PjsUo
次の瞬間。
たけのこ軍 特攻隊長「…ん?なんかくらくらする?」
特攻隊長が軽く頭を抑える。
たけのこ軍 ビギナー「大丈夫ですか?多分、この部屋の空気が身体に悪いのかも」
忌々しげにビギナーが目の前のホコリを手で振り払う。
視界を狭めている靄の大半が塵とホコリで占められたものだとは信じたくない。
加古川「…いや、違う。これは…」
アイム「…地震だ!!」
アイムが叫んだのと同時に、『時空震』が姿を現した。
- 267 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議編その7:2014/07/01 01:49:44.99 ID:o0V7PjsUo
- 黒砂糖「なんだこの感触は!ぐっ、立ってられないッ!!」
社長「6月2日に 体が動かない!」
参謀「なんやこれ!こんな経験初めてやぞッ」
アイム「がああああああああ!頭が割れるッ」
まるで全身に酔いが回った時のように、目の前の視界がぐにゃりと歪む。
と、同時に二日酔いの頭痛を百倍程度増幅させた痛みが、一律に全員に押し寄せる。
部屋は阿鼻叫喚に包まれる。
時空震は全員の叫びを楽しむかのように、ますます揺れを強めた。
- 268 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議編その8:2014/07/01 01:50:57.89 ID:o0V7PjsUo
- オニロ「これだよッあの時もこの現象が起きたんだッ!ネッ、嘘じゃなかっただろアイム!」
アイム「わかった!わかったからお前は近づいてくるなッ!」
地面を這ってアイムに近づいてくるオニロを振りほどく余裕もなく、
アイムはその場で頭を抱えてこの最悪の時間が流れすぎるのを待つ。
オニロ「みんな見て!大戦年表の方を!オリバーがッ!」
大戦年表が置かれている台座では、大戦年表のお抱え自動筆記ペン『オリバー』が、
目にも留まらぬ早さで大戦年表に向かって筆を動かしている。
¢「…あれが…あれが歴史改変なのかッ」
オニロ「ぐっ。あれで年表の記述を変え…オエッ」
アイム「おいそれ以上喋るな口を開けるな。吐くなよ絶対吐くなよッ!!!」
集計班「みなさん!もう少しの辛抱です!オエエ」
- 269 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議編その9:2014/07/01 01:52:51.61 ID:o0V7PjsUo
時空震の後の編纂室は、それは悲惨な状況だった。
兵士は全員その場で倒れ伏せ、起き上がるまでに数十分のインターバルを要した。
ノロノロと起き上がった兵士が最初にしたことは、トイレへの短距離走だった。
本棚の脇に簡易ベッド・キッチン・トイレといったひと通りの生活空間が用意されていたのは、
兵士たちにとっては幸運だった。この際、なぜ編纂室に生活空間が用意されているかは言明しない。
― まずは目の前の異変に対処するべきだ。 ―
兵士たちの心はその瞬間ひとつになり、胸の中の異変を目の前の便器にありったけ吐露した。
- 270 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議編その10:2014/07/01 01:54:48.27 ID:o0V7PjsUo
- 【K.N.C 180年 会議所 大戦年表編纂室】
集計班「…みなさん無事ですか」
アイム「…これが無事に見えるなら、脳だけじゃなく眼球までミキサーされちまったんじゃねえか」
兵士は椅子に身を投げ出しぐったりとしている。オニロと集計班だけが、
二度目の体験ということもあってか他の兵士よりも幾分か生気を保っているようにみえる。
集計班「信じますか…?私とオニロ君が言っていることが真実だったと」
参謀「信じるほかないやろこんなん…」
たけのこ軍 山本「あー気持ち悪ッ」
アイム「てめえのおっぱいでも揉んで気を和らげたらどうだ、鬼教官さま」
山本「…」
オニロ「シューさん。大戦年表を確認しましょう」
集計班「そうしましょう」
集計班は大戦年表を近づけ、二人で目を凝らして改変の跡を探し始める。
- 271 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議編その11:2014/07/01 01:56:33.41 ID:o0V7PjsUo
- 集計班「…¢さん。第37次大戦を覚えていますか?」
¢「そんな昔のこと覚えてないんよ」
社長「まさか ソン・ウか!?」
集計班「大戦開始時に集計係がいなくて、会議所内部で混乱した時です」
¢「ああ。思い出したわ。確かじゃがバターさんが急遽集計係を務めてたな。
あの人、いまどこにいるんだ」
集計班「そうです。一つ確認させてください。
スクリプトが初めて大戦に登場したのは第86次大戦。
それ以前に、荒らしは一度足りとも大戦に襲来したことはない。これは合っていますか?」
¢「そのとおりだな。そんな大昔まで大戦が危機に晒されたことはないはず」
集計班「そうですか。では第37次大戦の記述を読み上げます。
『第37次きのこたけのこ大戦
近辺の大戦の中で一番に勢いがあったとされる大戦とされる。
推定勢い37000。
集計じゃがバター兵士を過労死させる速度で大戦は進んでいったが、
大戦終盤に突如としてスクリプト荒らしが襲来。
突然の出来事に、大戦兵士は何もできずに大戦場から撤退。
撤退時に統率が揃わずに、二次混乱を引き起こした会議所に、大戦後に多数の苦情が寄せられた。
会議所の信用はこの大戦を機に影を落とすこととなった。』」
- 272 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 緊急会議編その12:2014/07/01 01:58:59.71 ID:o0V7PjsUo
- ¢「!!」
抹茶「ちょっと待って下さい。その大戦に参加していましたが、シューさんがおっしゃるような記憶はありません。
じゃがバターさんが過労死ギリギリの状態で集計を最後まで全うしたはずです」
黒砂糖「そうだ。会議所の信用が落ちる、だと…?そんなことその時代には無かったはずだ」
社長「なかった崎哲夫」
791「まさか…」
テーブルの上に大戦年表が広げられる。
全員が顔を近づける。
そこには先ほどまでほとんどの兵士には見えなかった、赤鉛筆でなぞったかのように赤く滲んだ文字が、
くっきりと紙面に映って見えていた。
- 273 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 :2014/07/01 02:03:32.59 ID:o0V7PjsUo
- 会議所編はもうちょっとだけ続くんじゃ。
◎簡単なまとめ
集計「脳ミキサーされたわ。これぜってー歴史変わったわ。編纂室にいたから、俺わかるんだよ。つれーわ、いてーわ
歴史の変わり目に立ち会っちゃったわー」
オニロ「ですです」
: 編纂室にいた兵士。編纂室だけが『歴史の改変を受けない場所』だと主張。
↓
アイム「は?なにいってだこいつ」
someone「寝ぼけてたんじゃないの(嘲笑」
参謀「胡散臭いしまず部屋汚いわ」
: 地上にいた兵士。編纂室派の主張を妄想かなにかと推定。困惑しまくり。
↓ 地震
アイム「やっぱり歴史改変されてたわ」
791「私は最初から弟子のいうことを信じてたよ!(マジキチスマイル」
¢「歴史変わってんだけど」
: 全員が歴史改変を経験。編纂室の主張が正しかったよ…
- 274 名前:たけのこ軍 社長:2014/07/01 02:04:20.88 ID:BGCFXlOM0
- もつだぞ。社長うざくていいすね
- 275 名前:誰か:2014/07/01 07:00:02.60 ID:TUN2KDAU0
- おつなのよー。嘲笑とか……私らしい
- 276 名前:虎:2014/07/01 07:48:28.92 ID:9Bpl1z56o
- おつんもつん
- 277 名前:筍魂:2014/07/01 21:31:06.00 ID:JB3.KqiMo
- 魂もウザくていいぞ~これ
- 278 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 :2014/07/04 23:57:53.98 ID:6QmvZOW6o
- http://dl1.getuploader.com/g/kinotakeuproloader/378/card-28.jpg
- 279 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 原因究明その1:2014/07/12 02:45:08.11 ID:oXMbbybgo
- 【K.N.C 180年 会議所 大戦年表編纂室】
歴史改変が決定的となったいま、会議所兵士たちは目の前の出来事を一つずつ分析していくことにした。
参謀「改変された年表記述には決まって『スクリプト』が登場しているんやな」
参謀の言うとおり、歴史が改変された年には決まってスクリプトが大戦に登場している。
― スクリプト。
異型なる存在であるスクリプトが最初に大戦に姿を現したのは、正史によるとK.N.C86年の大戦中である。
ある一人の兵士が『ばかでかい小蝿』と表現したように、スクリプトはか細くかつ不快な奇声を発しながら
大戦場を飛び回っていた。
全身をガラクタのような機械で覆い、羽音と奇声が入り混じったような超音波を発し続けるそれに、
多くの兵士は不快の色を示したが、ほとんどは気にすることなく戦い続けた。
会議所の開発した集計ツールの一種かなにかだと勘違いされたからだ。
遡ることK.N.C42年頃に加古川が公開した集計ツール(仮)は、
目の前を飛び回るスクリプトと引けをとらないぐらいに不格好なものだった。
兵士たちはその前例を引き合いに出し、どうせまた会議所がわけわからんモノを作ったんだろう、
という会議所にとっては不名誉な結論に落ち着いた。
- 280 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 原因究明その2:2014/07/12 02:49:36.81 ID:oXMbbybgo
- スクリプトが大戦に牙を剥いたのは、それからほどなくのこと。
時が来たとばかりに、スクリプトは広大な大戦場に響き渡る大きさで叫び始めた。
あまりの不快な音波に、思わず兵士は耳をふさぐ。
言葉にならない言葉を叫びながら、兵士の戦意を削ぐには十分すぎるほどの勢いで
スクリプトは大戦場を飛び回り続ける。可聴域ギリギリの周波数帯での大音響攻撃は、
兵士たちの精神を絶え間なく攻撃し続けた。
台本を読み上げるように、朗々とスクリプトは解読不能な言葉を叫び通す。
一定周期ごとに叫び終えたら、もう一度最初から。
繰り返し決まった言葉を叫び続けることから、後にその小蝿は“スクリプト”と名付けられた。
小賢しく動き回るスクリプトを尻目に、何もできないまま兵士たちは大戦場を後にした。
大戦の初めての敗北だった。
アイム「はぁ、なるほど。それからスクリプトはどうなったんだ?」
集計班「K.N.C89年に再度現れましてね。今度は対処策を取っていたので、
責任をもって我々の手でスクリプトを捕まえましたよ」
まあ、歴史改変の影響でこのあたりの認識が皆さんと私とで違うとおもいますが。
そう断った上で、集計班はスクリプトに関して話を続ける。
- 281 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 原因究明その3:2014/07/12 02:51:11.98 ID:oXMbbybgo
- 集計班「スクリプトは結局ただの愉快犯だったんです。人々の苦痛の表情を見て、それを餌に活動していたようで。
大戦を狙ったのも、ただ兵士が多く集まっていてより多くの苦しみを得られそうというしょうもない理由からです」
オニロ「実際にスクリプトがそう話したんですか?」
参謀「あくまで推測や。断片的にしか喋らんから、理解するのに苦労したわ」
集計班「まあそんなことが判明した後に、私たちはスクリプトを幽閉することにしたんです」
アイム「幽閉?どうしてその場で破壊しなかったんだよ?」
山本「あれ?俺たちにも当時はスクリプトを破壊したって言ってませんでしたっけ?」
- 282 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 原因究明その4:2014/07/12 02:59:48.41 ID:oXMbbybgo
- 集計班「この部屋の存在をみなさんに黙っていたことを一つ目の秘密だとすれば、
スクリプト幽閉は二つ目の秘密ですね」
肩をすくめる集計班。その態度に、さして罪悪感を感じているようには見えない。
参謀「スクリプトは『自我をもった機械』だったんや。スクリプトを解析すれば、
当時未完成だった集計ツールの進展に繋がると思うたんや。
みんなに秘密にしてたのは騒ぎを広めないため」
このことは『きのこ三古参』とツール開発師の抹茶しか知らん。
三古参たる参謀、¢、集計班と抹茶はお互いに顔を見合わせた。
791「それで、成果はどうだったの?」
抹茶「正直、あまり参考にはなりませんでした。そもそもバラして中身見ようとしても暴れるし」
791「あらら。それじゃあ捕まえた意味はなかったんだ」
アイム「…なあ。そのスクリプトって今も捕らえられたままなのか?」
参謀「ああ、そのはずやが…アイム、お前まさか」
アイム「…閉じ込めていた檻から動物が逃げ出すってのは、ありえることなんじゃないのか?」
- 283 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 原因究明その5:2014/07/12 03:05:20.23 ID:oXMbbybgo
- 【K.N.C 180年 会議所 大戦年表編纂室】
スクリプトを確認しにいった¢は、最悪の知らせとともに、
ものの数分で編纂室に帰ってきた。
¢「…スクリプトがいない。脱走したんだ」
多くの兵士が天を仰いだ。
参謀「ということは、脱走したスクリプトが、過去の大戦のアチコチに現れて歴史を改変しているってことか?」
ビギナー「スクリプトに時をかけることが可能だと?」
参謀「わからん。なにせ、スクリプト自体が常人じゃ理解できないほどの複雑な機構で作られているらしいんや。
仮に、そんなことができたとしても不思議やない。」
¢「…」
¢は、青ざめた顔で呆然と周りの話を聞いている。
- 284 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 原因究明その6:2014/07/12 03:07:10.77 ID:oXMbbybgo
- オニロ「¢さん、どうしたんですか。顔面がブルーですよ」
社長「青天の霹靂だぜ。」
¢「…」
なおも押し黙る¢。その顔色は冴えない。
集計班「¢さん。なにか他にも話があるようですね」
社長「俺の名前は前田停学……」
集計班に促され、¢はゆっくりと話し始める。今起きている出来事を自分自身であらためて確認するように。
¢「…俺はスクリプトが幽閉されている檻を見に行った」
アイム「それは知ってるよ。スクリプトはいなかったんだろ」
筍魂「アイムはせっかち」
- 285 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 原因究明その6:2014/07/12 03:12:24.04 ID:oXMbbybgo
- ¢「スクリプトはいなかった。飼っている檻から動物が逃げ出したんよ」
アイム「それも聞いた。いったいなにが言いたいんだ」
眉をひそめるアイム。
¢「…会議所がスクリプトという“猛獣”を飼っていたとするなら、
会議所はもう一匹“怪物”を飼っていた」
参謀「…まさかッ!」
参謀が何かに気づいたかのように声を荒げる。
参謀「嘘やろ¢ッ!」
アイム「は?檻はスクリプトを閉じ込めるだけ。一つだけじゃなかったのかよ」
スティーブ「檻は二つあったってことかよッ!」
¢「猛獣は逃げ出した。そして、隣の檻の…“怪物”も逃げ出していた」
怪物、という響きに兵士たちがざわめく。
- 286 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 原因究明その8:2014/07/12 03:13:56.52 ID:oXMbbybgo
- 加古川「檻が二つとも、壊されていたということなのか…!!」
オニロ「そ、その“怪物”とはいったいなんなんですか?」
恐る恐るオニロが訊く。
¢からの答えは単純明快。わずか一言だった。
しかし、その一言は人々を恐怖のどん底に叩き落とすには十分すぎる威力を持っていた。
¢「DB<ダイヴォー>」
アイム「え…」
¢の口から出たその単語は、まるで魔術を含んだように、部屋の空気を一瞬で凍らせた。
社長「…DB」
参謀「なんてことや…」
¢「堅牢な檻から獰猛な動物が二匹解き離れた。
1匹目は愉快犯 スクリプト、
そしてもう1匹は…邪悪の権化 DB<ダイヴォー>」
- 287 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者:2014/07/12 03:17:47.98 ID:oXMbbybgo
- 動物園と化した会議所。
スクリプトイメージ図
http://dl6.getuploader.com/g/kinotakeuproloader/390/card-2.jpg
- 288 名前:虎:2014/07/12 11:46:23.07 ID:8g2EyaoYo
- 乙
いやああああああDBいやああああああああ
- 289 名前:たけのこ軍 社長:2014/07/12 21:36:26.68 ID:52nOBk.w0
- ついに…
- 290 名前:きのこ軍 滝本:2014/07/13 13:32:36.96 ID:D/8hvJd20
- 忘れていた残りの人物紹介その1
・791
たけのこ軍兵士。
希代の大魔法使いとしてたいへん著名な兵士。両軍から恐れられているが、本人は
自分はフツウの兵士だと主張し周りを戦慄させている。
大戦の参加歴は古参兵と比べると浅いが、会議所への
貢献度では引けをとらない。
オニロの師匠であり、オニロを攻撃タイプ型魔法使いへ極める張本人。
本編でコーヒーを飲んでいるシーンがあったが、それはメロンソーダへと脳内変換してください。
・山本
たけのこ軍兵士。本名ペーペー山本。
新米兵士の教官として、指導者として日々汗を流す。一部からは鬼教官と呼ばれるほど。激しいシゴキが有名。
K.N.C175年の、鉄のカーテン<ペティコート>作戦発案でたけのこ軍を勝利へ導いており、
戦術家としての一面ものぞかせる。
そんな大戦の裏方から戦闘までを支える山本であるが、裏の顔は宗教家。
「乙牌教」の教祖として、乙牌に異常なほどの熱意を見せている。
乙牌チェックはもはやライフワークとなっており、時には愛弟子を見捨ててまでも
乙牌に情熱を燃やす。
アイムの最初の師匠。だが、途中で愛想をつかされてしまい、アイムの成長は筍魂に託すことになる。
残りはまたいつか。
- 291 名前:791:2014/07/13 14:00:41.93 ID:w7xfZJYQo
- 更新おつ!
クリームソーダ飲みたくなってきたな
>>290
フツウの兵士だよ?
- 292 名前:DB様のお通りだ!:DB様のお通りだ!
- DB様のお通りだ!
- 293 名前:DB様のお通りだ!:DB様のお通りだ!
- DB様のお通りだ!
- 294 名前:DB様のお通りだ!:DB様のお通りだ!
- DB様のお通りだ!
- 295 名前:DB様のお通りだ!:DB様のお通りだ!
- DB様のお通りだ!
- 296 名前:791:2014/07/16 23:46:10.71 ID:Fk/2a0loo
- 削除がいっぱいあって、ストーリー中逃げ出したはずのDBが、その辺歩き回ってるみたいで面白い
- 297 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者:2014/08/19 20:03:58.08 ID:QuPwy//Yo
- 1ヶ月も更新がないだって?ハハッワロスワロス
- 298 名前:791:2014/08/19 21:21:16.90 ID:z4cZzf7wo
- 首を長ーーーーくして待ってます!
- 299 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者:2014/08/30 01:53:20.60 ID:PIM5.dsYo
~簡単なあらすじ~
会議所「過疎で苦しんでるぞ~誰か助けて~」
占い師社長「そのうち救世主くるぞ」
きのこ軍 アイム&たけのこ軍 オニロ「記憶喪失でなんだかわからんけどたどり着いたぜ」
会議所「救世主やん!こいつらスターにして大戦に活気を取り戻すぞ!」
と思ったら、勝手に歴史が変わっちゃいまいた(テヘペロ ←いまここ
- 300 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 DB討伐し隊編その1:2014/08/30 01:55:51.53 ID:PIM5.dsYo
- DB<ダイヴォー>
きのこたけのこ大戦の負の象徴として君臨し続ける、きのこたけのこ大戦史上最凶の兵器である。
その姿を見る者、声を聞く者全てに不快感と嘔吐感を与える恐怖の大王は、
K.N.C28年に何の前触れもなく、兵士たちの前に姿を現した。
語ることすら憚れるような歪で醜穢な外見、鼻がひん曲がるような体臭。ひとたび口を開ければ、
まるで毎日生ゴミしか口にしていないんじゃないかと疑うほどの悪臭。
DBはきのこ軍・たけのこ軍兵士たちにとって正に「不幸」そのものだった。
DBの侵略を食い止めるべく、お互いを憎悪していた両軍が一時同盟を締結し、討伐戦を行い見事撃退したほどだ。
その後DBは度々大戦の合間を狙っては兵士たちの前に現れ、その度に討伐戦が発生し、
きのたけ連合軍に撃退されるようになった。
- 301 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 DB討伐し隊編その2:2014/08/30 01:58:02.05 ID:PIM5.dsYo
- たけのこ軍 埼玉「DBが逃げ出したということは大変な事態たま」
たけのこ軍 椿「最後のDB討伐戦が行われたのはいつでしたっけ」
たけのこ軍 オニロ「年表ではK.N.C132年に最新のDB討伐戦が行われて、それ以後DBに関する記述はありません」
きのこ軍 黒砂糖「…DBはその討伐戦の時に、会議所が捕まえた。そして、スクリプトと同じように地下に幽閉したんだ」
たけのこ軍 加古川「しかしスクリプトとDBが同時に逃げ出したということは、両者が手を組んでいるということは十分に考えられるな」
たけのこ軍 社長「DB君どこですか~^^」
ただでさえ近年は大戦の関心度・士気が下がっている中で、DBが人里に出現したとなれば、
人々の不安は煽られ、より一層の大戦離れが起こりかねない。
それだけは大戦を運営する会議所からしたら、なんとしても避けたい事態だった。
すぐに、人里にDB捜索隊&救援隊を派遣する。
参謀はいの一番にそう主張し、ほとんどの兵士が賛同したが、ただ一人集計班だけはその案に異を唱えた。
- 302 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 DB討伐し隊編その3:2014/08/30 02:00:49.84 ID:PIM5.dsYo
- きのこ軍 集計班「…連絡は少し待ったほうがいいとおもいます」
きのこ軍 アイム「…」
たけのこ軍 社長「アイム君 誰でもいい!!はいってくれ!!」
きのこ軍 参謀「なんでや。DBとスクリプトが逃げ出したていうんは、会議所や大戦にとって非常事態を指す。
早急に対処しないと大変なことになるで」
きのこ軍 集計班「我々会議所兵士の役目は“大戦の遂行”。
いま兵士の皆さんたちに事の次第を説明すれば、無用な混乱を招くだけでしょう」
きのこ軍 参謀「つまり周りには黙って、ワイらだけで事態の対処に当たるちゅうことか?それはおかしいでシューさん」
きのこ軍 アイム「…」
たけのこ軍「アイム!わかっているのか!おい!」
それまで呆然としていたアイムは社長の言葉に驚き咄嗟に立ち上がってしまった。全員の視線がアイムに集中する。
アイムは頭をフル回転させ、最適な言い訳を考えた。
きのこ軍 アイム「…ちょっと新種のスクワットを試そうと思って」
たけのこ軍 筍魂「おっ、そうだな」
赤面しながらおずおずと席に座るアイム。
もちろん、元凶となった社長を睨むのは忘れない。
しかし、バグった顔の社長にはそもそもどこに眼や鼻がついているのかもわからない。
仕方なくアイムは社長の眼がついていると思わしき顔の中央部、とりわけモザイクが多くかかった箇所を睨み続けた。
- 303 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 DB討伐し隊編その3:2014/08/30 02:05:30.38 ID:PIM5.dsYo
- DB<ダイヴォー>という言葉を耳にした瞬間、アイムはまるで金縛りのように硬直したまま動けなくなってしまった。
DBという存在自体を今初めて知った。そんな単語すら聞いたこともない。
アイムは自らの記憶を探り、そう結論付ける。しかし、身体は“覚えている”。
今の自分が知りえなくても、過去の自分は覚えている。
自分の心と身体が相反している状況に、アイムは背筋が寒くなった。
咄嗟に同じ記憶喪失仲間のオニロを見やる。
オニロはアイムのように金縛りにあったりはしていないようだったが、
いつもの柔和な笑顔はなりを潜め、目を細めて思案しているようだった。
アイムの奇行で、場の雰囲気が乱れてしまい長い沈黙となって襲いかかる。
誰も喋り出せずにいるこの状況に罪悪感を覚えたのかはたまた耐え切れなくなったのか、
アイムが自分で会議を再開することにした。
きのこ軍 アイム「…DBとスクリプトってのが手を組んでるとして、オレたちだけで対処可能な敵なのかそれは?」
きのこ軍 集計班「可能です」
たけのこ軍 社長「ちなみにまあ嘘だけどね^^」
社長の言葉をいつも通り無視して集計班は語り始めた。
DB討伐複数小隊の結成。
詰まるところ、集計班の主張はこうだった。
きのこの山、たけのこの里、大戦世界に広がる未開の地、そして会議所。
この4方面にそれぞれDB討伐隊を派遣して、DB・スクリプトの捜索及び捕獲を行うというのだ。
そして、この作戦は会議に集まっている会議所兵士だけで行われるべきで、
一般兵士に無用な心配をかけさせないための配慮だというのだ。
- 304 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 DB討伐し隊編その3:2014/08/30 02:10:47.62 ID:PIM5.dsYo
- きのこ軍 参謀「シューさんの考えは分かったが…隊を無駄に分けすぎちゃうんか?
確かに捜索には多方面同時進行作戦が一番やと思うが」
腑に落ちないでいる参謀を始めとした兵士たち。
きのこ軍 集計班「結局、会議所に駐留する以外の小隊については、
DB・スクリプトが見つかるまでの斥候と思っていただければ幸いです。
目標を捉えた時点で、残りの部隊も合流して叩けばいいのです」
たけのこ軍 ビギナー「DBを捕獲する、と言っていたけど斃さないの?」
きのこ軍 集計班「DBは狡猾で逃げ足がとにかく早い。幾度となくヤツと対峙しましたが、
瀕死の重傷を負わせることは出来れども、あと一歩のところでとどめを刺そうとすると逃げてしまう。
そんなヤツなのです」
DBのしぶとさは過去の歴史が既に証明している。討伐戦全てで、会議所側はDBに勝利し撃退こそすれど
討伐は叶わなかったのだ。
最後の討伐戦でようやく捕獲した時も、会議所側が想定していたよりも酷く時間がかかった。
捕獲こそ可能であれど、討伐にはさらなる時間と人員を要する。
そのような手間は欠けられないと集計班は暗に語っているのである。
- 305 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 DB討伐し隊編その6:2014/08/30 02:16:14.95 ID:PIM5.dsYo
- たけのこ軍 加古川「だが、捉えたとしても今みたいにまた逃げ出してしまうリスクが有るんじゃないのか。
ならば、もういっそ討伐してしまったほうが…」
加古川の意見ももっともである。結局、DBやスクリプトが脱走した原因は未だに突き止められていない。
そのような状況下で捕獲して幽閉したとしても、再び脱走するだけではないか。
加古川の言葉に多くの兵士が賛同しようとしたその時――
きのこ軍 ¢「いや、捕獲するべきだ」
それまで終始黙っていた¢が静かにそう告げると、部屋はシンと静まり返った。
¢の言葉には、常人には表現できないような使命感とそれをも上回る焦燥感が入り交じっていた。
そしてその言葉に込められたいずれの思いも、他の兵士には理解できないものだった。
あるいは数人は彼の思いを理解していたのかもしれない。その一人が集計班だった。
集計班がチラと¢に目配りをする。二人の視線が一瞬交差する。
アイムは二人のなんでもない所作が気になった。
きのこ軍 集計班「DBは討伐せずに捕獲するようにしましょうか。余裕があれば討伐ということで。
まあまずは発見が先ですがね。いったいどこにいるのやら…」
緊急会議はその場で一時閉会した。
DB討伐隊は参謀指揮の下、すぐさま各小隊が編成され出発した。
アイムも、きのこの山方面部隊の一員として加わっていた。
一方、オニロは会議所部隊として大戦年表編纂室の「留守番」を言いつけられた。
- 306 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 DB討伐し隊編その7:2014/08/30 02:18:46.91 ID:PIM5.dsYo
- きのこ軍 参謀『誰かが必ず編纂室に残っていなきゃいかんやろ。
全員がこの部屋を出払ったら、誰が歴史の改変を認識できるねん』
参謀はオニロにそう言い残し、部屋を去っていった。
オニロと集計班以外の会議所兵士は編纂室から続く階段を上がり、地上に戻っていった。
地上の彼らは、何者かによって行われている歴史改変を知る由もなく動き回る。
唯一その改変を知りえるのは、編纂室でじっとしている地下部隊だけ。
そして、編纂室で開かれる会議で地下部隊が、前回の会議から今回までに発生した
歴史改変の事実を伝えることで、初めて全員で情報を共有し合えるのである。
つまり地下部隊は、「歴史の生き証人」「一連の事件の監視者」として重要なポジションを担っているのだ。
思いの外重要な役職についてしまったとオニロが気づいた時には、
既にほぼ全員が地上に戻ってしまった後のことだった。
たけのこ軍 オニロ「もしかして…すごく重要な役職を任されてしまったんでしょうか?」
きのこ軍 集計班「まあ押し付けられたともいいますね」
集計班とオニロは苦笑して、これから幾度も味わうであろう脳シェイクに辟易とした。
- 307 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 DB討伐し隊編その7:2014/08/30 02:19:30.86 ID:PIM5.dsYo
- 更新終わり
これから、オニロ君はジメジメとした地下で脳シェイクを味わい続けるニートと化します。
- 308 名前:社長:2014/08/30 02:20:28.86 ID:DqpsOhiQ0
- もつだぞ
アア、オワッタ………!!
- 309 名前:791:2014/08/30 02:24:23.70 ID:7Uhk.AVoo
- お疲れ様!
社長どんな顔してるんだろう…
- 310 名前:社長:2014/08/30 02:33:15.64 ID:DqpsOhiQ0
- 非常に気持ち悪いにしきがお説
- 311 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 DB捜索会議編その1:2014/08/31 01:06:27.74 ID:8UdQd0uUo
- 【K.N.C 180年 会議所 大戦年表編纂室】
前回の緊急会議招集から数日経った後、
各部隊の定例報告を目的に再び会議所兵士たちは編纂室に集結した。
きのこ軍 集計班「では…会議を始めましょう」
掠れた声で集計班がそう宣言し、会議は始まった。
既にオニロと集計班はここ数日で少なくとも5回は歴史改変による脳シェイクを味わっている。
きのこ軍 参謀「DBとスクリプトは依然行方不明や。両軍の人里でも密かに捜索を続けたが、
DBたちが現れた形跡がない」
きのこ軍 アイム「つまり、DBたちは『未開の地』に逃げ込んだ可能性が高いってことか」
たけのこ軍 791「でも、もし『未開の地』に逃げ込んだとしたら、すごく厄介なことになるよね」
きのこたけのこ大戦世界では、会議所を中心とした時、
西部方面にはきのこの山が、東部方面にはたけのこの里が広がり、
そこにそれぞれの軍の兵士の一大集落を構え生活している。
会議所から見て、北方方面は険しい山々が構える山岳地帯であり、辺り一帯は樹海が広がっている。
北方方面一帯は『未開の地』とされ、大戦が続けられる中でいわば「タブー」とされてきた土地である。
- 312 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 DB捜索会議編その2:2014/08/31 01:09:17.87 ID:8UdQd0uUo
- 未開の地に逃げ込んでいるという可能性は、多くの兵士が懸念している事態ではあったが、
その事実が明るみになったことで、兵士たちの焦りの色はより一層濃くなった。
しかし、ただ一人、オニロだけはその話を聞き、興奮げに事態を打開する一言を述べた。
たけのこ軍 オニロ「DBたちの居所がわかったかもしれません!」
きのこ軍 参謀「ほんまかいな」
DB討伐隊長の参謀は目を丸くして続きを促した。
オニロは円卓テーブル上に、すっと一冊の本を置いた。
『きのたけ見聞録』と書かれた古びた本である。
たけのこ軍 オニロ「少しでも手がかりはないかと思って、編纂室の書物を読み漁ったんです」
たけのこ軍 抹茶「内容は…冒険書ですか?」
きのたけ見聞録。
KNC暦初期に書かれたこの本は、きのこたけのこ大戦世界上の各地を一人の冒険者が
見聞したものが編纂された旅行記である。
きのこの山、たけのこの里、会議所は勿論のこと、
当時未踏の地であった極寒のシベリア地方(両軍の兵士を罰するために送られていた流刑地 現在は観光地)や、
いま兵士たちが情報を欲している未開の地に関してまでもが詳細に記されている。
- 313 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 DB捜索会議編その2:2014/08/31 01:13:11.89 ID:8UdQd0uUo
- たけのこ軍 抹茶「すごい本じゃないですか…でもそんな本の名前、聞いたこともなかった」
きのこ軍 集計班「誰も地図上の歴史に興味を示さなかったために
本の存在価値が薄れてしまっていたことが一つ。
なにより、当時の識者たちがこの本を丸っきりの出鱈目が書かれた書物だとして、
端から評価の対象にしていなかった」
きのこ軍 きのきの「え、どうして?」
きのこ軍 集計班「…単純な歴史書物とは評価し難い『重大な欠陥」があったからですよ」
きのこ軍 アイム「欠陥?落丁とかか?」
オニロは静かに首を振り、ボロボロになった本のページを大事そうにめくる。
- 314 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 DB捜索会議編その4:2014/08/31 01:16:35.66 ID:8UdQd0uUo
- 冒険書の保存状況は酷いものだった。四隅についている銀の留め具は原型を留めないほどに溶けて形を変え
本にこびりつき、金で刻印されていただろう表紙の文字・ロゴはススや埃ですっかりと隠れてしまっている。
きのこ軍 アイム「なんでそんな汚えんだよ…」
たけのこ軍 加古川「留め具や金箔が溶けているしススばかりだし、
過去に火災にでも見舞われた本なのかね?」
たけのこ軍 オニロ「ありました。このページです」
多くの兵士がオニロの下に集まり、冒険書を覗きこむ。
ヨレヨレになったページには、「未開の地」というタイトルの下に、鉛筆で簡単な風景画が描かれていた。
生い茂っている森に、明らかに人工と思わしき鳥居が森の奥まで列をなして立ち並んでいるという、
自然の中に人工物が混ざり合う奇妙な風景画だ。
- 315 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 DB捜索会議編その5:2014/08/31 01:17:35.31 ID:8UdQd0uUo
- きのこ軍 ¢「鳥居…?」
たけのこ軍 オニロ「該当部分の記述を読み上げますね。」
『「未開の地」に関して興味深い話を耳にした。
とんがり帽子のような山々が連なる群峰の麓に広大な樹海が広がっていることは既に前項で述べたが、
その一角に【彷徨いの森】と近隣住民が呼んでいる森林地帯がある。森の内部には無数の道が存在し、
ある道を進んでいくとまた無数の道に分岐、進んだらまた分岐…と言った具合に正に天然の迷路となっている』
きのこ軍 アイム「それがどうしたってんだ」
たけのこ軍 筍魂「アイムはせっかち」
たけのこ軍 オニロ「続き、読みますね」
- 316 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 DB捜索会議編その6:2014/08/31 01:20:25.22 ID:8UdQd0uUo
- 『さて、入ったら二度と出て来られないと言われる彷徨いの森だが、
先祖代々森の近くに住んでいるご老人から伺った話によると、
どうやらある法則に従って分岐される道を進んでいくと森の【出口】に辿り着くというのだ。
その法則に従って最後の道を進んでいくと、木々で覆われていた森を抜けて、突然開けた場所に出る。
その場所には、今まで聞こえなかった小鳥のさえずりも、今まで森に隠されていたお日様をいっぱいに浴びて
花を咲かせる草木も茂る、楽園のような場所だ。
さらにその楽園を奥に進んでいくと、大量の鳥居が我々冒険者を出迎える。
鳥居はまるで道案内のように綺麗に立ち並び、冒険者を【宝の山】まで案内する。』
『鳥居に導かれて、目の前にある扉を開けると、
そこには過去と現在を自由に行き来することができる
タイムマシンフロア――宝の山――が広がってるというのだ。』
きのこ軍 参謀「!!タイムマシン、やと…!」
たけのこ軍 抹茶「なんと…」
- 317 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 DB捜索会議編その7:2014/08/31 01:24:46.43 ID:8UdQd0uUo
- たけのこ軍 オニロ「
『宝の山とはタイムマシンのことだ。
なぜ、このような場所にタイムマシンが存在するのかはわからないが。
タイムマシンで現在と過去を自由に行き来できるということは、つまり過去の歴史を好き勝手に弄れるということだ。
私には過去改変による歴史の整合性や、倫理観などには専門家のようにとうとうと意見を述べることはできないが、
単純にタイムマシン自体には冒険家としての興味を惹かれる。
タイムマシンフロアがあるという話は、聞く者にとってはただの法螺話に聞こえるかもしれないが、
私はご老人の話してくれた内容を信じたい。
いつか、彷徨いの森を抜けて宝の山を見つけ出すことが私の夢であり冒険家としての終着点でもある。
タイムマシンフロアといちいち呼称するのは、どうも夢がない。
この際、この場を借りて、私自身がこの宝の山の名称を決めたいと思う。
私が夢を追い求める時間は限られている。その限られた時間の中で私は必ずや探しだしてみせる。
―――― 【時限の境界】
自身の決意を込める意味で、
魔法のタイムマシンフロアを以後こう呼びたいと思う。』
- 318 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者:2014/08/31 01:27:07.81 ID:8UdQd0uUo
- 更新してから、社長の台詞を入れ忘れてしまったと気づく。書きやすいと思ったわけだ(棒
ついに会議編は終わり、冒険がスタートする!?
- 319 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者:2014/08/31 01:28:41.59 ID:8UdQd0uUo
- 誤字だらけだなあ直したいけどもういいや
- 320 名前:791:2014/08/31 19:48:16.41 ID:HKw8Mxt6o
- 更新お疲れ様!
- 321 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 未開の地突入編その1:2014/09/10 20:15:32.14 ID:qehF/lNwo
- 【K.N.C 180年 北方方面『未開の地』】
きのこ軍 アイム「ここが誰も足を踏み入れたことのない場所か…」
数時間かけて辿り着いた鬱蒼とした山林地帯を前にして、アイムは止めどなく流れだす汗を腕で拭い取った。
きのこ軍 参謀「『きのたけ見聞録』によると、この森を北方方面にさらに数時間進むと、
件の『彷徨いの森』があるらしい」
手元にある見聞録を大事そうに眺めながら、参謀は森のなかを指さした。
アイム「森のなかにさらに森があるのかよ…」
たけのこ軍 ジン「そこに、『時限の境界』だったっけ?があるんすよね?」
きのこ軍 ¢「疲れたんよ。こんなに歩いたのは久しぶりなんよ。お家が恋しいんよ」
新生DB討伐部隊は、未開の地突入を前に小休止を取っていた。
DB討伐部隊の設立には、少し時間を遡る必要がある。
- 322 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 未開の地突入編その2:2014/09/10 20:18:41.57 ID:qehF/lNwo
- ━━━━
━━
【K.N.C 180年 会議所 大戦年表編纂室】
きのこ軍 参謀「一連の不可解な歴史改変、示し合わせたかのようなDBとスクリプトの逃亡、
そしてタイムマシンフロアを言われる『時限の境界』の存在。
これは、DBたちが『時限の境界』を見つけて、そこで歴史改変を行っているということに
他ならないちゅーことやないか?」
たけのこ軍 791「でも、『時限の境界』が存在する保証なんてあるの?」
たけのこ軍 社長「ゴクウの とほほほほ」
きのこ軍 アイム「この本には『重大な欠陥』がある。シューさんはそう言った。
つまり、まるでお伽話のような眉唾ものの『時限の境界』を、
さも存在するかのように語ってしまっていることで、
この本の歴史的書物としての価値は著しく下がっているってことだろう?
つまり、少なくとも当時の兵士たちは『時限の境界』なんて信じてなかったってことさ」
きのこ軍 集計班「アイム君の言うとおりです。
事実、この本の発表当時から識者の間では物議を醸し、結果として著者は表舞台から姿を消しています」
たけのこ軍 社長「時の流れは速い。ガムテープみたいにな」
たけのこ軍 オニロ「あるかもわからないタイムマシンフロア目指して、命がけで探す覚悟があるか…」
社長を除いて、編纂室は再び長く重い沈黙に包まれた。
- 323 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 未開の地突入編その3:2014/09/10 20:21:07.46 ID:qehF/lNwo
- きのこ軍 参謀「どちらにしろ!」
参謀は立ち上がり、気落ち気味の周りを見回す。
きのこ軍 参謀「会議所は何者からの攻撃を受けている!
そして封印したはずのDBとスクリプトがその直前で逃亡している!
偶然と考えるにしても出来過ぎや!」
拳を振り上げて、周りを鼓舞するように参謀は力説する。
きのこ軍 参謀「ワイらの目的は『会議所の平穏を脅かす脅威を取り除くこと』!
そのために、DB・スクリプトを始め、ありとあらゆる敵対勢力を対峙する必要があるんや!
そして、この手で必ず脅威を抹殺する!!」
全員「うおおおおお!」
参謀の演説に共感した多くの兵士が、同じように拳を振り上げ、敵と立ち向かう覚悟を決めた。
ここに、新生“DB討伐部隊”の設立が宣言されたのだ。
- 324 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 未開の地突入編その4:2014/09/10 20:22:40.95 ID:qehF/lNwo
- ━━
━━━━
【K.N.C 180年 北方方面『未開の地』】
そしていま、未開の地へ足を踏み入れて数時間、
DB討伐部隊は早速森のなかを彷徨っていた。
¢「うぅ…僕らはもうここで死ぬんよ」
アイム「なに弱気なこと言ってるんだ。いくらあんたとはいえ怒るぞ」
¢「びえええええええええええええええええええん」
第一次DB討伐部隊は合計4名の兵士から構成されている。
隊長格のきのこ軍 参謀、会議所古参筆頭のきのこ軍 ¢、
たけのこ軍 ジンそしてきのこ軍 アイムである。
きのこ軍3名、たけのこ軍1名。一見すると、その人選には偏りがあるように見えてならないが、
パーティバランスは図られている。
前衛として『突撃兵タイプ』の¢とアイム、後衛には『防衛兵タイプ』の参謀と『衛生兵タイプ(魔法)』のジン。
前衛二人が火力を集中させ、後衛のビギナーが支援魔法で援護する。
防衛兵の参謀は随所に前衛と後衛をサポートする役割に徹するという布陣だ。
PT選考に関しては、本人の意思を最大限尊重し、志願者の中から参謀が選考した。
- 325 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 未開の地突入編その5:2014/09/10 20:24:18.59 ID:qehF/lNwo
- ジン「薄暗くてジメジメした編纂室に居るよりも、まだ体を動かせている今のほうが絶対にいいすよ」
力強い言葉とは裏腹に、その声色は弱々しい。彷徨いの森の到着以前に、
既に森のなかを彷徨っている現状を鑑みると、不安になるのは当然だ。
参謀「編纂室はシューさんとオニロが頑張って守っているんや。ワイらも頑張ろう」
アイム「けッ…」
相変わらずアイムはオニロのことが気に入らない。
それは元々の二人の性格の違いが、水と油のように相反して交わらないことも関係するが、
オニロがヌクヌクと編纂室で自分の帰りを待っている現状にも、アイムは気に入らない。
- 326 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 未開の地突入編その6:2014/09/10 20:27:08.21 ID:qehF/lNwo
- 『わあすごいね、アイム!討伐隊に選出されるなんて!頑張ってきてね!』
PTメンバーが発表された際、オニロは諸手を上げてアイムのPT選出を喜んだが、
一方で馴れ馴れしく近寄るオニロにアイムはいらだちを募らせていた。
『ありがとよ。そちらも編纂室での“お留守番”、ガンバレヨ』
アイムは吐き捨てるようにオニロに言葉を投げかけた。
アイムを含む地上の討伐部隊は命を賭して、DB・スクリプトであろう敵と対峙する。
一方で、オニロを含む地下の編纂室部隊は、多少の脳シェイクを耐えながら
ただ歴史改変の観測に徹するだけ。
―――地上部隊と地下部隊では背負っている“責任”が違う。
たかが地下部隊風情が、地上部隊と同じ目線で言葉を投げかけてくることを許せない。
地下部隊としてのオニロの激励の言葉が、アイムの気に触ったのだ。
『うん、わかった頑張るね!ありがとうアイムッ!』
しかし、天真爛漫さを地で行くようなオニロの前ではアイムの皮肉も無効化されてしまった。
笑顔で返答するオニロに、アイムは怒鳴り散らしたい思いをぐっとこらえ、
口をヘの字に曲げて応対するだけだった。
- 327 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 未開の地突入編その7:2014/09/10 20:29:22.85 ID:qehF/lNwo
- 討伐部隊が未開の地に突入してから、数時間が経過した。
空は既に夕暮れ。未だ彷徨いの森どころか方角も見失った面々は、
目の前の樹海が刻一刻と漆黒の色を帯びてきていることに、焦りを感じていた。
¢「夜の行軍は非常に危険だ。どこか野宿できるような場所を探して、明日に備えたほうがいい」
参謀「せやな。では、ここをキャンプ地とする!」
アイム「おい…あれはなんだ?」
アイムが指をさす遠くの方向に、微かではあるが一点の光が闇の中で浮かび上がっていた。
ジン「あれは…家かな?もしかして」
参謀「敵の罠かもしれん。慎重にいくで」
歩いて行った先には、一軒の民家が、煌々と明かりを放ちながら、
ぽつねんと暗い森のなかでその存在を主張していた。
- 328 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 未開の地突入編その8:2014/09/10 20:31:56.50 ID:qehF/lNwo
- 参謀「こんなところに人が住んでるんか?」
アイム「人がいるなんて、『未開』でもなんでもねえじゃねえか」
¢「調査され尽くしてないという意味では未開だろ」
ジン「煙突から煙が出続けている。誰かが生活しているんだ」
と、家の扉が唐突に開け放たれる。4人は思わず臨戦態勢を取り、
扉を開けた目の前の人物に目を凝らした。
??「家の前がうるさいと思ったら、いったい誰だ…ん?」
家主はDBでもスクリプトでもなかった。
顔に刻まれたしわは、家内からの明かりに当たり濃淡を作り、よりくっきりと見えた。
男は年齢以上に年老いて見えた。
怪訝な顔をして討伐隊を見回す男だったが、
参謀と¢の姿を視界に捉えると、一瞬眉間にしわを寄せ、すぐに目を丸くした。
??「もしかして、参謀と¢か…?」
声をかけられた二人は、眩い光に目を背けつつも男の顔を捉えると、同様に目を丸くした。
- 329 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 未開の地突入編その9:2014/09/10 20:34:02.25 ID:qehF/lNwo
- ¢「まさか…こんなところで会えるなんて」
参謀「ひっさしぶりやなあ。これを奇跡というんか…いやまあ必然ちゅうべきやな」
??「俺からすると、お二人に会えたのが正に奇跡さ」
3人でワイワイと盛り上がる中、
ジンとアイムは目の前の出来事をただ見つめることしかできなかった。
アイム「お、おい。あんたら知り合いなのか?」
参謀「ん?ああ、勝手にワイらだけで盛り上がっとったな。この人は…」
??「おや、その本は…また随分と懐かしいな」
アイムが手に持つ『きのたけ見聞録』を見て、男は感慨深げにそう呟いた。
??「そんな本をまだ持っている人がいるなんて、作者として冥利に尽きるな」
アイム「…まさか、あんたは」
参謀「そうや。この人こそ、『きのたけ見聞録』の著者であり、冒険家でもある…」
??「元・たけのこ軍兵士のスリッパだ。どうぞよろしく」
冒険家スリッパは落ち着き払った様子で静かに手を差し出した。
- 330 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 未開の地突入編その9:2014/09/10 20:41:14.85 ID:qehF/lNwo
- 設定段階よりだいぶスリッパさんが老けている…ごめんなさいお許しください。
つばさくん、今日のカードメモよ
『参謀の知恵』 - 2012/03/24 作成
http://download1.getuploader.com/g/kinotakeuproloader/431/card-14.jpg
当時からプロットが少し変わっているので、あまりフレーバーテキストに意味はありません。
- 331 名前:社長:2014/09/11 17:20:01.41 ID:64ShRK160
- つばさくんもつだぞ。
- 332 名前:誰か:2014/09/11 23:32:24.24 ID:lDiawbZA0
- 参謀てこんな方言キャラだっけ。
ともあれ更新おつ
- 333 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 未開の地突入編その9:2014/09/11 23:52:52.18 ID:3YIFTwtEo
- 参謀が方言キャラとしても書きづらいのは公然の秘密だよ~
よくわからんのじゃ!
- 334 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 最後の謎二人の会話編その1:2014/09/14 00:45:58.39 ID:TPgFvQZAo
- ━━
━━━━
【K.N.C 180年 会議所 大戦年表編纂室】
編纂室で生活する地下部隊兵士は数えるほどしかいない。
多くの会議所兵士が編纂室に留まってしまえば、地上の業務は放置され続け、
事情を知らない兵士に多大な不安を与える。
少しでも不安にさせないためにも、大部分の兵士は地上に戻らなくてはいけない。
そしていつも通りの業務につき、恒久の平和を演出するのだ。
だから私たちは地上に戻らなくてはいけないんです。
と、表向き立派な理由を語るが、大方の兵士は地下での脳シェイクを金輪際味わいたくないというのが
本音である。地上に戻る兵士たちは仏頂面でいかにも“本当は戻りたくないのだが仕方なく”
といった顔を貼り付けて戻っていったが、地下に残された兵士はそれを知ってか知らずか、
嘆息して仮面の表情を貼り付けた彼らを見送るのだった。
丑三つ刻。地下の大戦年表編纂室は、上空に飛び回る本や筆記ペンたちの動作音を抜きにすれば、
今日も耳鳴りがする程に静まりかえっている。
地下部隊のほとんどの兵士は巨大本棚の背後に設置してあるベッドで寝息を立てている。
オニロも死んだように眠っている。昼夜問わず繰り返される歴史改変に少しやつれ気味だ。
静かに休めるこの一時を噛み締めながら、布団にくるまっている。
- 335 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 最後の謎二人の会話編その2:2014/09/14 00:49:35.88 ID:yhiyNT8go
- そんな丑三つ刻。
灯りが落ちた暗闇の中で、ある一人の兵士は床につくことなく、静かにロッキングチェアを揺らしていた。
一定リズムで、木々がこすれる音がシンとした部屋に響く。
考えに耽る時、物事に集中する時。身体を知らず知らずのうちに揺らしてしまうのがその兵士の癖となっていた。
それは座って作業をする場合でも同じ。知らず知らずのうちに身体の揺れが椅子に伝わってしまう。
少し前までは、いくら音を出しても怒られることもなく―そもそも怒る人もいなかったのだが―
つい最近ではオニロに「うるさいです」とジト目で注意されて以来控えていた。
しかし、こんな夜中でかつオニロが寝ている間くらいは許されるだろう、と
兵士は長年この部屋で使い倒してきた椅子に腰掛け、思う存分身体を揺らしていた。
「少し響きますよ」
闇夜の中でかけられた声に、揺らしていた椅子が前のめりになってしまう。
「なんだあなたでしたか…驚いて心臓が止まるかと思いましたよ」
すぐに声の主に気がついた兵士は、暗闇の中で浮かび上がってきた別の兵士の姿を捉え、胸をなでおろした。あなたは普段と容姿・態度なにからなにまでが違うから一瞬誰だかわからなくなりますね。
そう文句を垂れながらも、声の主に目の前の椅子を勧める。
- 336 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 最後の謎二人の会話編その3:2014/09/14 00:51:53.15 ID:yhiyNT8go
- 「もう一度、計画の確認をしておきたくて」
椅子に腰掛けながら、囁くような声で、既に腰掛けていた兵士に語りかける。
「今のところ、一連の事態は『預言書』に書かれた内容通りに進んでいます」
「そのようですね」
飲料用抹茶を口に含み、椅子を微かに前後に揺らしながら先を促す。
「救世主の一人は“計画通りに”編纂室で本の虫となった。
編纂室で歴史改変がおこなわれているという事実を確認した。
DB討伐部隊が編成されて、救世主の一人を含む数人は未開の地へ出発した。ここまで手筈通りです」
しかし、と兵士は顔を曇らせる。暗闇の中のため、その表情の変化は伝わらなかったが。
「いくらきのたけ世界の“滅亡”を防ぐためとはいえ、このような…
『預言書』に書かれた内容通りに事を運ぶのは、私としては少し気が引けます」
「二人の救世主が世界を存亡の危機から救うのです。十分なシナリオじゃないですか」
「しかし、しかし…世界の存続と引き換えに
―― 『二人の救世主が命を落としてしまう』というのは、いくらシナリオ通りとはいえ…」
- 337 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 最後の謎二人の会話編その4:2014/09/14 00:54:23.02 ID:yhiyNT8go
- 「あの二人に情でも移りましたか?」
鋭い言葉に、うっ、と兵士は言葉を詰まらせる。
「そういう事ではありませんが…シューさん。
いくら何でもこんな結末はあんまりです。救世主として周りが持て囃して、勝手に持ち上げて、
利用するだけ利用して。そして、その役目が終わったら、あっさりと死ぬなんて…」
シューと呼ばれた兵士は、その兵士の言葉を手で遮る。
暗闇の中でぬっと出てきた手のひらに、思わず仰け反りたい気分になるがぐっと堪えた。
「“私”と“あなた”はいままで、『預言書』の通りに歴史を進めてきた。
どんな出来事・事件であってもです。きのたけ世界のため、会議所のため…違いますか?」
集計班の言葉に、兵士はゆっくりと頷く。意味をよく理解するように。
「その不文律を、あなたはいまさら破ろうというのですか?」
「い、いえ。そんなわけではありません」
集計班の言葉に、兵士は慌てて何度か首を振る。その言葉に、そうですか。と、
言葉とは裏腹に到底納得しない表情で、集計班は椅子にもたれかかる。
微かに椅子から悲鳴のような音が漏れる。
- 338 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 最後の謎二人の会話編その5:2014/09/14 00:57:30.71 ID:yhiyNT8go
- 「わかればいいんです。『預言書』の内容通りに事を進める私たちの使命は、変わることはないでしょう」
もっとも。その後に続いた集計班の言葉に、兵士は自分の耳を疑った。
「――そんな紙切れ同然の『預言書』に頼りすぎても、頭が固くなるだけですがね」
常日頃、『預言書』の通りに動けと、口を酸っぱくする程に説明していた、
杓子定規な集計班の言葉とは思えない。
兵士は思わず聞き返そうとしたが、
「話は終わりです。こんな時にオニロ君あたりが起きてきたら、なんと説明したらいいやら」
話は切り上げられてしまった。真っ暗の虚空を見上げたまま動かない集計班を見つめ、
これ以上の話はできないと判断し、兵士は立ち上がる。
そのまま、とぼとぼと編纂室を出ようとする兵士に、少し待ってください。
と、集計班は先程とはうって変わって優しい声色で最後に語りかけた。
「計画は順調です。ですが…たとえ、順調に立ち回らなかったとしても、
それはあなたの“責任”じゃない。
私が保証します。
なにか問題が発生した時。慌てないことです。
私に頼ろうとせず、まずは自分で事態の本質を見極めることです」
集計班の真意は図りかねたが、兵士はその言葉にひとまず頷き、編纂室を後にした。
- 339 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 最後の謎二人の会話編その6:2014/09/14 00:59:11.13 ID:yhiyNT8go
- 兵士が出て行った扉をじっと見つめ、暫く立った後に集計班は視線を落とす。
自らの手に握られている、隠し持っていた封筒。
あの兵士が来た時に、テーブルに置いてあったものを急いで隠したのだ。
自らが自らの意志で、歴史を変える。
――『預言書』を白紙に戻す。
集計班の言葉どおり、
この封筒には、二人が呼んでいる『預言書』をただの白紙に戻すだけの十分な効力が備わっている。
- 340 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 最後の謎二人の会話編その7:2014/09/14 01:00:36.59 ID:yhiyNT8go
- 結局、当初の予定とは異なり、参謀に封筒を渡す暇はなかった。
葛藤による葛藤が判断を鈍らせたのだ、と集計班は自身の優柔不断さを悔いる。
仕方がないので、明日にでも誰かに頼んで地上の郵便受けに投函してもらおうか。
今更ながら、編纂室に幽閉されてしまうことになった自身の境遇に頭を掻いた。
この封筒を目的の人物に渡すことによって生じる効果を、集計班自身は推測することしかできない。
その効果を“確認”するだけの時間が、彼にはもう残されていない。
しばらくして、いつものように椅子を揺らし始める。規則正しく。一定のリズムで。
暗闇の中、思いの丈を声に出してつぶやく。
誰もいない部屋で、自らの罪が誰かに赦免されることを願うように。
「…本当にごめんなさい」
弱々しい謝罪は、椅子の音とかぶさり、闇夜に消えていった。
- 341 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 :2014/09/14 01:02:18.55 ID:yhiyNT8go
- 更新終わり
約束の時が刻一刻と迫っております。
- 342 名前:社長:2014/09/15 00:02:11.75 ID:3OTCUq5I0
- いいぞ。
- 343 名前:791:2014/09/15 07:42:25.38 ID:REOI4nNwo
- 更新おつ!
- 344 名前:きのこ軍:2014/10/11 11:58:40.07 ID:SNmceNPE0
- 唐突なミニ設定のコーナー。
・大戦年表編纂室
wiki図書館直下に存在する秘密基地的存在。
きのたけワールドの"歴史改変"を無効化できる場所として、
きのたけ兵士の最終防衛ラインとして活躍中。
ここを破壊されると、誰も歴史改変を知覚できなくなって詰むらしい。
部屋には筆記ペンや古紙たちが生物のように動き回っているが、
全ては魔法の仕業。大戦場と同じく、編纂室にも
巨大魔法陣が展開されて、その魔法動力で動いている。
実はきのたけの"歴史"を秘密裏に吸収しているという裏設定がある。これ結構重要な設定。
きのたけワールドの"歴史"(書物等)を人々から
知らず知らずのうちに奪い、
歴史を喰らうことで編纂室は編纂室のままでありで続ける。
歴史書物が編纂室にたくさん置いてあるのはその象徴ともいえる。
まだまだ謎が多い編纂室。乞うご期待。
- 345 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者:2014/10/19 13:30:14.65 ID:gxtMcDpYo
- 来週更新予定
- 346 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 スリッパの復活その1:2014/10/26 21:34:44.43 ID:MRV7iwe6o
- 【K.N.C 180年 未開の地 スリッパ邸】
スリッパ「しかし驚いた。まさかお前たちがこんなところまで来るなんて」
スリッパは目の前の“旧友”たちを前に目尻を下げて懐かしんだ。
参謀「俺らも驚いたわ。会議所から去って学者になったのは知ってたんやがな」
¢「ぼくらもつい先日見聞録を読んで、スリッパのその後を知ったんよ」
アイム「あんた達知り合いだったんだな」
カップに注がれたスープを手に取る。温かい。
参謀「大戦初期の英雄的存在やからな、スリッパは」
¢「スリッパの活躍は、当時の多くの兵士に感動とやる気を与えたんよ」
スリッパ「…」
スリッパは二人の言葉には答えず、暖炉の中に薪をくべた。
木々のはぜる音が小気味よく室内に響き渡る。
- 347 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 スリッパの復活その2:2014/10/26 22:08:16.77 ID:MRV7iwe6o
- スリッパ「『時限の境界』を探しているんだったな」
話は本題に進んだ。
アイム「そうだ。タイムマシンフロアなんだろ、そこは?」
スリッパ「そうだと思う」
アイム「思う?なんだか自信が無い言い方だな」
スリッパは苦笑した。
スリッパ「何しろあの見聞録を書き上げたのは随分前だ。記憶も若干薄れているし、
何より私は其の事で学会から酷い目にあったからね。自信が無くなってしまうのも仕方ないというものだ」
人目から隠れるように暮らしているのも、それが原因さ。スリッパは手狭な室内を見渡した。
スリッパ邸は、正に未開の地の中心に位置している。木造のウェアハウスはスリッパが自分で建てたものだという。
スリッパ「私は人里離れたこの僻地で、メイドのサラと一緒に余生を過ごしてきた。
きのこたけのこ大戦や会議所関係の世俗から切り離された、この未開の地でね」
スリッパの傍に立つメイドロボ・サラは無言でスリッパの話をじっと聞いている。
スリッパ「申し訳ないが、お前たちの役には立てそうにないよ」
スリッパは寂しく笑いかけた。暖炉の焚き木のはぜる音がよく響いた。
一瞬の沈黙の後。
アイム「それはどうかな」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
- 348 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 スリッパの復活その2:2014/10/26 22:10:18.91 ID:MRV7iwe6o
- アイム「少なくとも、あんたが書いた『きのたけ見聞録』は、希望と自身に満ち溢れた文章だった。
嘘か本当かもわからない宝の山を見つける。文章の中からその思いがひしひしと伝わってきた」
あんたが冒険家としての矜持を失っていなければ、とアイムは続ける。
アイム「今も冒険家スリッパは枯れ果てることなく生き続けているはずだ」
アイムの言葉に参謀も同調する。
参謀「アイムの言うとおりや。それに、人里離れた僻地に住居を構えたと言っているが、
人の目につかない場所はこの『未開の地』以外にも数多く点在する。
わざわざここに住んでるちゅうことは、宝の山たる『時限の境界』に少なからず未練があるってことやないか?」
二人の言葉に、スリッパは目を閉じて少しの間何かを考えているような素振りを見せた。
一瞬の沈黙の後、徐ろに目を開き後ろに控えるサラに声をかけた。
スリッパ「なあサラ。俺は冒険家だったよな。今も昔も夢を追い続けてきた。それを忘れていたようなんだ。
俺はもう一度、あの頃に戻ってもいいんだよな?」
サラは無表情のままで答えない。しかし、サラの態度はスリッパの言葉に肯定するような、
温かみのあるものであった。少なくともスリッパにはそう感じられた。
二人は常に言葉を介さずにお互いの気持を理解しあってきた仲だった。
スリッパ「アイム、参謀。それにみんな、ありがとう。俺は冒険家スリッパだ。忘れていたよ」
スリッパは立ち上がった。先ほどまでのゆったりとして諸動作はそこにはない。
スリッパ「明朝、出発しよう。私もまだ『時限の境界』に辿り着けているわけではないが、
何らかのヒントは与えられるはずだ」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
- 349 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 スリッパの復活その4:2014/10/26 22:24:50.14 ID:MRV7iwe6o
- 明朝。スリッパ邸を出た一行は『時限の境界』が存在すると言われる彷徨いの森の入り口へと戻ってきた。
スリッパ「見聞録にも書いてあったかもしれないが、彷徨いの森の内部は幾多の道が分岐して、正に天然の迷路だ。
俺とサラも何度か入ってみたことはあるが、すぐに来た道がわからなくなった。帰って来られたのは幸運だった」
ジン「ということは、ただ闇雲に探そうとしても見つからないどころか生きて帰れないなんてことも…」
ジンは顔を青ざめた。
参謀「なんか手がかりはないんか?ある法則に従って進んでいけばたどり着けるんやろ?」
スリッパ「森の内部は、それぞれ分岐点毎に開けた場所が用意されている感じだ。
来た道も含めて東西南北の4つの方角に道が伸びている。
それぞれの分岐点毎に、4つの道から一つ選んでまた次の分岐点に向かっていく」
- 350 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 スリッパの復活その5:2014/10/26 22:27:23.10 ID:MRV7iwe6o
- ¢「道を進んでいくとその分岐点エリアにたどり着いて、また…といった感じで同じ光景が広がっているのか?」
¢の質問にスリッパは自嘲気味に答えた。
スリッパ「正にその通りだ。分岐点毎の風景は全く同じ。
何か違いはないかと周りをグルグル見回してみたが、全く違いはなかった。
目が回って気持ち悪くなったくらいだ」
その時、これまでただ話を聞いていただけのアイムは、スリッパの言葉に何か違和感を覚えた。
目が回る。気持ち悪い。
この言葉に、既視感を感じたのだ。つい最近、自分自身がこの言葉に似たような体験をした。なんだったか。
記憶喪失と判って以来、自分の記憶を呼び戻すということに若干の抵抗があるアイムだったが、
必死に自分の記憶を探る。
―― 集…班「今から、ある部屋で歴史のお勉強を…てもらい…す」
―― オニ…「気持ち悪いよおアイ…」
―― ア…ム「オレに向かって吐いた……おかないからな」
―― 集計班「宛先不明の置き手…で、私はこの部屋の存…に気がつき…した」
――― 集計班「『大量の書物の前で“←←←←←…←←…← そして最後に祈れ”
これは困難を打破する魔法の呪文なり。さすれば道は開かれる』とね」
アイム「…思い出した」
記憶喪失となって以来、初めてアイムは自らの記憶を呼び覚ますことに成功した。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
- 351 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 スリッパの復活その6:2014/10/26 22:28:56.18 ID:MRV7iwe6o
- アイム「大戦年表編纂室の行き方ともしかして同じなんじゃないか。
シューさん曰く『同じ場所をひたすらグルグルと回り続けて、最後に祈ると道は開かれる』」
スリッパ「つまり、彷徨いの森の奥に『時限の境界』があるというのは単なる我々の想像で、
実際はすぐ傍に存在しているということか?」
アイム「それはわからない。だけど、シューさんが誰かわからない野郎から貰った手紙には
『困難を打破する魔法の呪文』として、その行き方が掲載されていた」
彷徨いの森の攻略手順も、編纂室と一緒なんじゃないか。
アイムはそう言っているのである。
¢「アイムの言うことは一理ある。だが、それはあくまで可能性の一つだ。そのまま突入するのは危険だと思うんよ」
アイム「だが、それ以外に選択肢はあるか?冒険家スリッパは長年未開の地にいて、
未だ彷徨いの森突破の糸口を掴めていない。ならば、少しでも可能性が高いほうに賭けるのは当然じゃないか?」
¢「賭けに失敗してみんな帰れなかったら意味が無いんよ」
¢はあくまで慎重論を貫く。元来、用心深い性格で数多くの窮地を救ってきた兵士だ。
- 352 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 スリッパの復活その7:2014/10/26 22:30:54.85 ID:MRV7iwe6o
- ジン「どうなんでしょう。集計さんが貰った手紙の主が誰だかわかりませんが、
存在するかわからない時限の境界と編纂室をつくった人物が同一だと考えてみるとどうでしょう」
参謀「編纂室には巨大な魔法陣が展開されているんやったか。
編纂室の運用方法や仕組みもまだ解明されておらんし、ジンさんの言うとおり、
編纂室と時限の境界で攻略手順が一緒であるという可能性はあるな」
アイム「討伐隊が14日以内に会議所に戻らなかった場合は行方不明として、
別の討伐隊を組むように決めてある。たとえ俺たちがここから戻れなかったとしても、
誰かが俺たちの遺志を継いでくれる」
¢「ぐぬぬ」
議論は決した。討伐隊は誰しもが自らの生命を賭けて任務遂行に当たる覚悟を持っている。
それは今更言うまでもないことだった。
スリッパ「話は終わったようだな。ではそのように進む手筈でいいのかな?」
アイム「あんたはいいのか。なにも俺たちに付き合わなくてもいい。危険な旅だ」
何をいまさら、とスリッパはニヤリと笑った。
スリッパ「冒険家が自分の生命の一つや二つ、怖がっていてはやっていられない。
寧ろ、お前らには感謝してるんだ。ここで最期を迎えられたら、それはそれで本望だ」
なあサラ。問いかけられたサラは、わずかに首を縦に振りスリッパに応えた。
参謀「じゃあ決まりやな。彷徨いの森に突入するぞ」
DB討伐隊とスリッパ一行は、光が当たらない暗闇の森へと歩みを進めていった。
- 353 名前:Chapter2.悪しき時空の潮流者 彷徨いの森編その1:2014/10/26 22:32:13.32 ID:MRV7iwe6o
- 【K.N.C 180年 未開の地 彷徨いの森】
彷徨いの森は、映える木々は不格好な背格好で兵士を迎え、小鳥さえ囀らない不気味な空間だ。
森全体の薄暗さは兵士たちを暗澹たる気持ちにさせる。
アイム「ひたすら左に曲がっていって、グルグルと回り続けるぞ」
参謀「何周すればいいんや?ワイらにはわからん」
編纂室が会議所兵士に周知されて以来、大魔法使いの791によって編纂室とwiki図書館は
自由に出入りできるようなワープエリアがつくられていた。
アイム「それは忘れた…」
¢「アイム 無能」
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